島根県浜田市の浜田警察署で、取調べ中に供述調書を引き裂いたとして、ブラジル国籍の男が公用文書等毀棄の疑いで現行犯逮捕された。
日本海テレビなどによると、逮捕されたのは島根県大田市に住むブラジル国籍の契約社員の男(42)。男は浜田警察署の取調室で、警察官が作成した供述調書を引き裂いた疑いが持たれている。
男は調べに対し、供述調書を破った理由について「間違ったことが書いてある書類だった」などと説明していると報じられている。
ただし、供述調書の内容に実際に誤りがあったのか、男がどのような事件・事情で取調べを受けていたのかは、現時点の公開情報から確認できない。
供述調書の内容に異議がある場合、被疑者には訂正を申し立てたり、署名・押印を拒否したりする選択肢がある。一方、警察の公務に使用される文書を物理的に破壊した場合には、公用文書等毀棄罪が問題となる。
新人記者ナルカ


事件の概要
- 発生場所:島根県浜田市・浜田警察署
- 逮捕者:島根県大田市在住、ブラジル国籍の契約社員の男(42)
- 容疑:公用文書等毀棄
- 状況:取調室で供述調書を引き裂いた疑い
- 逮捕形態:現行犯逮捕
- 供述:「間違ったことが書いてある書類だった」
取調室で供述調書を引き裂いた疑い
報道によると、男は浜田警察署で取調べを受けていた際、警察官が作成した供述調書を引き裂いたとされる。
その場で警察官が行為を確認し、公用文書等毀棄の疑いで現行犯逮捕した。
供述調書は、警察官や検察官が被疑者・参考人などから聞き取った内容を文書化したもので、その後の刑事手続で重要な証拠になる場合がある。
男「間違ったことが書いてある書類だった」
男は、調書を引き裂いた理由について「間違ったことが書いてある書類だった」などと話しているという。
この供述からは、男が調書の記載内容に不満や異議を持っていた可能性がうかがえる。
ただし、「調書に本当に誤記があった」と確認されたわけではない。現段階ではあくまで本人側の説明であり、調書作成の経緯や内容は公表されていない。
そもそも供述調書とは何か
供述調書は、捜査機関が被疑者や参考人から聞き取った内容を記録した文書である。
刑事事件では、誰が何を見たのか、どのような行動をしたのか、容疑を認めているのか否認しているのかなどが記載される。
作成された調書は、その後の送致、起訴判断、公判などで使われる可能性があるため、記載内容の正確性は非常に重要となる。
内容が違う場合はどうすればいいのか
供述調書を確認した際、自分が話した内容と違うと感じた場合、被疑者は訂正を求めることができる。
また、内容に納得できなければ署名・押印を拒否することも可能である。
つまり、「内容がおかしい」と感じた場合に取るべき手段は、文書を破ることではなく、訂正を求める、署名しない、弁護士へ相談するなどの方法となる。
公用文書等毀棄罪とは
刑法第258条は、公務所の用に供する文書または電磁的記録を毀棄した者について、公用文書等毀棄罪を定めている。
2025年6月1日施行の改正刑法では、法定刑は3月以上7年以下の拘禁刑となっている。
刑法第258条(公用文書等毀棄)
公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、3月以上7年以下の拘禁刑に処する。
一般的な器物損壊罪と比べても法定刑が重く設定されている。
なぜ紙を破るだけで重い罪になるのか
公用文書等毀棄罪が保護しているのは、紙そのものの金銭的価値ではない。
警察、行政機関、裁判所などが職務に使用する文書について、その機能や証拠価値を維持することが目的となる。
例えば、供述調書が破壊されて内容を確認できなくなれば、捜査や刑事手続に支障が生じる可能性がある。
そのため、数円程度の紙であっても、公務に使用される重要文書であれば通常の器物損壊とは別の犯罪が成立し得る。
「間違っている」と思っても破壊は認められない
供述調書の内容に異議があることと、調書を破壊することは法律上別の問題である。
仮に調書の内容に誤りがあったとしても、それだけで被疑者に文書を破壊する権利が生じるわけではない。
誤りがあれば訂正を求めるべきであり、訂正されない場合には署名・押印を拒否し、その理由を弁護士などを通じて主張することができる。
外国人取調べでは通訳の正確性も重要
外国籍の被疑者に対する取調べでは、日本語能力によっては通訳を介して供述内容を確認するケースがある。
その場合、本人の発言、通訳内容、警察官が文書化した内容が一致しているかが重要となる。
今回の男について、日本語能力や通訳が利用されていたかは報じられていない。そのため、「言葉が通じなかったため調書に誤りが生じた」などと推測することはできない。
ただし、外国人事件全般では、供述内容を本人が十分理解できる形で確認することが、後の争いを防ぐ上で重要となる。
浜田警察署は多言語対応も案内
島根県警の公式サイトでは、日本語のほか、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語、インドネシア語、ネパール語、ミャンマー語などへの案内が用意されている。
また、島根県には外国人住民を対象とした多言語相談窓口も設けられている。
外国人が増加する地域では、警察の取調べに限らず、交通ルール、生活制度、行政手続などについて多言語で周知する必要性が高まっている。
今回の元の取調べ内容は不明
今回の記事で注意すべき点がある。
男は「取調べを受けている際」に供述調書を破ったとされているが、何の事件や容疑について取調べを受けていたのかは、確認できた報道では明らかになっていない。
したがって、「別の犯罪で逮捕されていた」「重大事件の取調べだった」といった推測を加えるべきではない。
確認できるのは、取調室で供述調書を引き裂いた行為について、公用文書等毀棄の疑いで現行犯逮捕されたという点である。
外国人だから特別扱いされる事件ではない
公用文書等毀棄罪は国籍を問わず適用される。
日本人が警察署や行政機関の公用文書を破壊しても、同様に処罰対象になり得る。
今回、容疑者がブラジル国籍であることは報道された事実として記載する一方、「ブラジル人だからこうした行為をした」と国籍を原因のように扱う根拠はない。
外国人受け入れで必要となる「ルールの理解」
一方、日本で生活する外国人が増加する中、刑事手続や行政手続を含め、日本の制度を理解できる環境整備は重要になる。
日本の法律では、調書の内容に納得できなければ署名を拒否したり、弁護士を通して争ったりすることができる。
「納得できないからその場で文書を破壊する」という行動を防ぐためにも、権利と同時に手続上のルールを周知する必要がある。
厳正な対応を求める視点
警察署内で公務に使用される文書を意図的に破壊する行為は、刑事手続そのものを妨害する可能性がある。
調書内容に不満があったとしても、物理的に破壊することを認めれば捜査記録の信頼性や保存が維持できない。
そのため、国籍にかかわらず公用文書の破壊には厳正に対応すべきという考え方である。
取調べの適正性も検証すべきという視点
一方、本人が「間違ったことが書いてある」と主張している以上、調書作成が適切だったかも別途確認されるべきである。
調書を破った行為と、調書内容が正確だったかは独立した論点である。
本人の主張が事実なら訂正手続の問題が生じる可能性があり、虚偽なら単なる弁解ということになる。この部分は今後の捜査で確認される。
クロ助とナルカの視点


















編集部まとめ
- 逮捕:島根県大田市に住むブラジル国籍の契約社員の男(42)が、公用文書等毀棄の疑いで現行犯逮捕された。
- 場所:浜田警察署の取調室。
- 容疑:取調べ中、警察官が作成した供述調書を引き裂いた疑い。
- 供述:男は「間違ったことが書いてある書類だった」と説明している。
- 注意:調書に実際に誤りがあったかは確認されていない。
- 元の取調べ:何の事件について取調べを受けていたのかは公開情報から確認できない。
- 法律:刑法258条の公用文書等毀棄罪は3月以上7年以下の拘禁刑。
- 調書への異議:内容に納得できない場合は訂正を求めたり、署名・押印を拒否したりすることができる。
- 今後:調書を破った行為と、本人が主張する「内容の誤り」は別々に確認する必要がある。
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