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重要施設周辺の土地取得を許可制へ 自民党が提言案

重要施設周辺と国境離島の土地取得に許可制を求める自民党提言案
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自民党の外国人政策本部のプロジェクトチームは2026年9月24日、安全保障上重要な施設の周辺や無人の国境離島にある土地について、所有権を移転する前に国が審査する「許可制」の導入を求める提言案を取りまとめた。

FNNプライムオンラインの報道によると、対象として想定されているのは、ドローン攻撃などに対して脆弱な重要施設の周辺おおむね1キロの区域と、周囲の目が行き届きにくい無人の国境離島。許可申請は外国人だけでなく、日本人を含め国籍を問わず義務付ける案で、外国政府やその活動に影響力を持つ人物、外国の軍人、外国政府との契約や協力義務を負う人物などを原則不許可とする方向が示されている。

提言案は、現時点で成立した法律でも、政府が正式決定した制度でもない。自民党は、2026年10月に召集予定とされる臨時国会で「重要土地等調査法」の改正を政府へ促す方針だと報じられている。今後は、対象区域、審査基準、既存所有者の扱い、財産権への配慮、審査期間、不服申立てなどの具体化が焦点となる。

新人記者ナルカ
「外国人の土地取得規制」って聞いたけど、日本人も許可が必要になる案なの?

編集長クロ助
報道された提言案は国籍を問わず対象にする内容にゃ。名義が日本人でも外国政府や外国資本の影響下にある場合を把握する狙いがあるにゃ。

目次

提言案の概要

  • 取りまとめ:自民党外国人政策本部のプロジェクトチーム
  • 取りまとめ日:2026年9月24日
  • 主な目的:安全保障上重要な土地の取得段階から審査する制度の整備
  • 対象候補:重要施設の周辺おおむね1キロ、無人の国境離島
  • 規制方式:所有権移転前に国が審査する許可制
  • 対象者:外国人に限定せず、国籍を問わず許可申請を義務付ける案
  • 原則不許可の候補:外国政府等やその活動に影響力を持つ者、外国軍人、外国政府との契約・協力義務を負う者
  • 関連論点:外国法人や外国資本を含む実質所有者の把握
  • マンション対策:投機的取引の抑制へ、税制上の措置を含む対応を要請
  • 今後:2026年10月召集予定の臨時国会で法改正を促す方針と報道

提言案は「外国人だから不許可」とする単純な国籍規制ではない。日本人名義や日本法人を介した取得であっても、実際の資金提供者や意思決定者が外国政府・外国資本と深く関係する場合があるため、実質所有者まで確認する考え方が示されている。

一方、具体的な法案条文や対象区域の指定案は公表されていない。どの程度の外国資本比率を審査対象とするのか、一般企業と外国政府の影響下にある組織をどう区別するのか、相続や贈与、企業再編をどう扱うのかなど、多くの制度設計が残る。

時系列で見る制度と今回の動き

時期内容
2021年重要施設周辺や国境離島の土地利用を調査・規制する重要土地等調査法が成立。
2022年同法が全面施行。注視区域・特別注視区域の指定、利用状況調査、勧告・命令、一定取引の事前届出制度が始まった。
2026年9月15日政府が外国人等による土地・建物の所有・取得状況に関する関係省庁調査を公表。
2026年9月24日自民党のプロジェクトチームが、重要施設周辺などの土地取得へ許可制を導入する提言案を取りまとめ。
2026年10月以降臨時国会で重要土地等調査法の改正を政府へ促す方針と報道。法案提出・成立は未確定。

現行の重要土地等調査法とは

正式名称は「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」で、一般に重要土地等調査法と呼ばれる。防衛関係施設、海上保安庁施設、原子力関係施設、一定の空港などの周辺や国境離島を対象に、安全保障上の機能を阻害する土地利用を防ぐことを目的としている。

政府は対象地域を「注視区域」と「特別注視区域」に指定し、所有者や利用者、利用状況を調査できる。重要施設や国境離島の機能を阻害する利用が確認された場合は、利用中止などの勧告・命令を行う仕組みがある。また、特別注視区域では、一定規模以上の土地・建物の売買などについて事前届出が必要となる。

現行制度の中心は、土地の所有者と利用実態を把握し、機能阻害行為を規制することにある。これに対し今回の提言案は、所有権が移る前の段階で国が審査し、不許可にできる制度を求めている点で、規制を一段強める内容となる。

現行制度と許可制案の違い

項目現行制度今回の提言案
主な段階取得情報や利用状況を調査し、一定取引は事前届出所有権移転前に国の許可を求める
判断の中心重要施設等の機能を阻害する土地利用取得者の背景や外国政府等との関係も審査する方向
対象者原則として国籍を問わない国籍を問わず申請義務を課す案
実質所有者調査を通じて所有・利用関係を把握日本法人や日本人名義の背後にある外国資本まで把握する考え
法的状況施行中政党の提言案であり未成立

許可制が導入されれば、審査が終わるまで登記や決済を進められない仕組みになる可能性がある。ただし、審査対象となる取引規模や取得形態、標準審査期間、緊急時の扱いなどはまだ決まっていない。

なぜ取得段階の規制が提案されたのか

ドローンや無人機による新たな脅威

提言案は、ドローンやAIなどを用いた攻撃・侵入事案が増え、土地という身近な資産を通じて安全保障上の脅威が現実化し得ると指摘している。重要施設に隣接する土地が、長期的な監視、妨害電波の発信、無人機運用、施設への侵入準備などに悪用される可能性を想定しているとみられる。

土地の利用が明確な機能阻害行為へ至ってから命令するだけでは、初動が遅れるとの問題意識がある。取得時点で買主の背景と利用目的を確認できれば、危険性の高い取引を未然に止められるという考え方である。

名義と実際の支配者が一致しない問題

不動産登記に日本人や日本法人が記載されていても、資金提供や意思決定を外国政府・外国法人が担っている場合がある。新藤義孝・外国人政策本部長は、外国人だけでなく、日本人による取引でも外国法人や外国資本との関係がある場合を念頭に、実質所有者を把握すべきだと説明したと報じられている。

実質所有者を確認する制度は、マネーロンダリング対策でも用いられている。ただし、不動産取引でどこまで株主、融資元、信託受益者、最終支配者を調べるかは実務上の課題となる。

マンションの投機的取得は別の論点

提言案は、安全保障上重要な土地とは別に、都市部のマンションが投機目的で取得され、価格高騰や地域住民の不安につながっているとの問題も取り上げた。海外で行われている外国人による住宅取得の時限的制限などを参考に、税制を含む投機抑制策を早期に講じるよう求めている。

ただし、重要施設周辺の許可制と、一般の都市マンションへの投機対策は目的も法的根拠も異なる。前者は安全保障、後者は住宅価格・居住環境・市場安定が中心である。両者を「外国人の不動産購入を全面禁止する案」とまとめるのは正確ではない。

マンション価格の上昇には、建築費、人件費、金利、供給不足、国内投資家の購入など複数の要因がある。外国人・外国法人による取得状況を把握しつつ、国籍だけを原因と決めつけないデータ分析が必要となる。

制度化する場合の主な課題

  • 許可が必要な区域と取引規模を明確にする
  • 外国政府の「影響力」や「協力義務」を客観的に判定する
  • 日本法人の実質所有者をどこまで遡って確認するか定める
  • 通常の住宅購入や事業投資を過度に遅らせない審査期限を設ける
  • 不許可理由の通知と不服申立て、司法審査の仕組みを整える
  • 相続、贈与、信託、担保権実行、企業合併などをどう扱うか決める
  • 取得後の利用監視と個人情報保護を両立させる

許可制は、事前に危険を防げる一方、審査基準が曖昧なら行政の裁量が過度に広がる。安全保障上の具体的リスクと、財産権・経済活動への制約を比較し、必要最小限で予測可能な制度にする必要がある。

賛成・反対・中立の視点

許可制に賛成する視点

自衛隊基地、原子力施設、国境離島などは国家の安全に直結するため、取得後の利用規制だけでは不十分だという立場である。外国政府の影響下にある主体や、名義を迂回した取得を事前に審査し、不適切な取引を止める制度が必要だと考える。

許可制に慎重・反対する視点

国籍を問わない制度であっても、不動産取引の遅延、企業情報の提出負担、外国投資の萎縮、行政の恣意的判断につながるおそれがある。現行法の調査・届出・利用規制を適切に運用し、具体的な機能阻害行為を取り締まる方が妥当だという意見である。

対象を限定する中立的視点

全国一律の広い規制ではなく、軍事・原子力・国境防衛上の重要性が特に高い区域に限定し、取得者の国籍ではなく外国政府との実質的関係を審査する案である。定期的に指定区域と審査実績を公表し、国会や第三者機関が検証できる仕組みも必要となる。

クロ助とナルカの視点

新人記者ナルカ
安全保障を理由にすれば、どこまでも審査範囲を広げられてしまわない?

編集長クロ助
そこが制度設計の重要点にゃ。対象施設、区域、審査項目、不許可理由を法律で明確にし、行政の判断を後から検証できる仕組みが必要にゃ。

新人記者ナルカ
外国人だけを規制しないのは、名義貸し対策としては分かる気がする。

編集長クロ助
国籍より実質支配を確認する考え方にゃ。ただし、一般の取引まで過度に止めないよう、対象を安全保障上必要な範囲へ絞ることも欠かせないにゃ。

編集部まとめ

  1. 提言の要点:自民党のプロジェクトチームが、重要施設周辺おおむね1キロと無人国境離島の土地取得に許可制を導入する案を取りまとめた。
  2. 国籍の扱い:外国人だけでなく日本人も含め、国籍を問わず申請対象とし、外国政府等との実質的関係を審査する考えが示された。
  3. 現行法との違い:現行法の調査・届出・利用規制から、所有権移転前に不許可とできる仕組みへ踏み込む案である。
  4. 今後の焦点:提言段階であり、対象区域、審査基準、実質所有者の定義、財産権への配慮、不服申立てなどの具体化が必要となる。
  5. 国益的示唆:重要土地の安全保障リスクには事前対応が必要だが、規制は証拠と明確な基準に基づき、正当な居住・投資を不当に妨げない制度でなければならない。

出典

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