北海道函館市で、面識のない30代女性に無理やりキスやハグをしたとして、函館市に住むフィリピン国籍の技能実習生の男(21)が不同意わいせつの疑いで逮捕された。
北海道文化放送やHBC北海道放送の報道によると、事件は2026年8月10日、函館市弁天町にある建物内で発生した。被害女性は男の技能実習先となっている会社の関係者だったが、2人に面識はなかったという。事件から数日後、女性が警察署を訪れて被害を申告し、約1か月後に男が逮捕された。
男は警察の調べに対し、「友達になれたと思ってハグとキスをした」などと供述し、容疑を一部否認していると報じられている。友人関係だという一方の認識だけで、相手の同意があったことにはならない。捜査では、接触に至る会話、女性の意思表示、行為の態様、周囲の状況などが確認される。
新人記者ナルカ


事件の概要
- 発生日:2026年8月10日
- 発生場所:北海道函館市弁天町の建物内
- 容疑:不同意わいせつの疑い
- 被害申告:事件から数日後、30代女性が警察署へ申告
- 逮捕された人物:フィリピン国籍の技能実習生の男(21)
- 被害女性との関係:面識はなかったが、女性は実習先企業の関係者
- 被害内容:無理やりキスやハグなどをした疑い
- けが:報道では女性にけがはなかった
- 供述:「友達になれたと思ってハグとキスをした」として容疑を一部否認
本件は逮捕段階であり、有罪が確定したものではない。女性がどのように拒否したのか、男がその意思をどのように認識していたのか、建物内に第三者や防犯カメラがあったのかなどは公表されていない。
時系列で見る経緯
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 8月10日 | 函館市弁天町の建物内で、30代女性にキスやハグをした疑い。 |
| 事件から数日後 | 女性が警察署を訪れ、「無理やりキスをされた」と被害を申告。 |
| その後 | 警察が関係者への聞き取りや当時の状況を捜査。 |
| 9月8日 | フィリピン国籍の技能実習生の男を不同意わいせつ容疑で逮捕したと報道。 |
| 今後 | 接触の態様、同意の有無、供述と客観証拠の整合性などを確認。 |
不同意わいせつ罪とは
刑法第176条は、暴行や脅迫など一定の行為・事由により、被害者が「同意しない意思を形成し、表明し、または全うすることが困難な状態」にさせ、またはその状態に乗じてわいせつな行為をした場合などを不同意わいせつ罪として定めている。
2023年の刑法改正では、従来の強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪を整理し、同意のない性的行為が処罰対象となる要件を具体化した。適用の有無は、行為の内容、暴行・脅迫の程度、突然の接触で拒否する時間があったか、被害者の意思表示、当事者の認識などを証拠に基づいて判断する。
キスや身体への接触がすべて直ちに犯罪となるわけではないが、相手が同意していないのに無理に行えば刑事責任が問題になる。「友達だと思った」「親しくなったと思った」という主観だけで、相手の同意を推定することはできない。
「文化の違い」は免責理由になるのか
国や地域によって、挨拶として握手、抱擁、頬へのキスなどを行う文化がある。しかし、日本国内で生活・就労する場合は、日本の刑法が適用される。文化的背景は当時の認識や故意を検討する材料の一つになり得ても、相手の拒否を無視した行為を正当化する理由にはならない。
また、「フィリピン人は抱擁をする文化だから」と国籍全体をひとまとめにすることも適切ではない。同じ国の出身者でも、身体接触への考え方は個人によって異なる。本件は、容疑者個人の具体的な行為と被害女性の同意の有無を捜査する事件である。
実習先企業との関係はどこまで問われるか
被害女性は実習先企業の関係者とされているが、容疑者と面識はなかったと報じられている。勤務中の事件だったのか、会社の敷地内だったのか、監理団体がどの時点で把握したのかなどは明らかになっていない。
企業が従業員の私生活上の行為すべてを予測することはできない。一方、技能実習生を含む従業員に対し、職場のハラスメント、身体接触、不同意性交・わいせつ、日本の刑法、被害を受けた場合の相談先について説明することは予防につながる。
教育は「日本ではキスをしてはいけない」といった単純な禁止ではなく、相手との関係にかかわらず明確な同意を確認すること、拒否や戸惑いがあれば直ちにやめること、立場の違いを利用しないことを具体例で伝える必要がある。
技能実習生が利用できる母国語相談
外国人技能実習機構は、技能実習生から生活や技能実習に関する相談を受ける母国語相談窓口を設けている。電話、メールなどで相談でき、フィリピン語を含む複数言語に対応している。
相談窓口は賃金不払い、暴力、パワーハラスメントなどの被害相談だけでなく、日本での生活上の悩みを早期に共有する役割もある。ただし、犯罪の被害や危険が差し迫っている場合は110番、緊急のけがや病気は119番への連絡が優先される。
受け入れ企業と監理団体は、相談先の電話番号を配布するだけでなく、実習生が不利益を恐れず相談できることを定期的に確認すべきである。同時に、地域住民や同僚が被害を受けた場合の相談ルートも整備し、支援が実習生側だけに偏っているとの不信を生まないことが重要だ。
SNSで広がった反応
Xでは「友人だとしても同意のないキスは認められない」「文化の違いで済ませてはいけない」「実習生への法律教育が必要」といった意見が投稿された。供述の一部が見出しで広がり、驚きや批判が集まった形だ。
ただし、男は容疑を一部否認しており、供述の全文や取り調べの詳しい内容は公表されていない。短い言葉だけを切り取り、出身国の文化や技能実習生全体を非難するのではなく、客観証拠と司法判断を待つ必要がある。
賛成・反対・中立の視点
受け入れ時の法教育強化を求める視点
日本の同意概念や性犯罪規定を母国語で説明し、理解度を確認すべきだという立場である。企業や監理団体が研修記録を残し、問題行動には早期対応することも求められる。
技能実習制度全体への一般化に反対する視点
一人の容疑者の事件を理由に、すべての技能実習生やフィリピン人を危険視することは不当である。個別事件の捜査と制度評価は分けるべきだという考え方である。
中立的な視点
被害者の安全と尊厳を第一にしつつ、容疑者の適正手続も守る。受け入れ側は刑法と同意の教育を行い、違法行為には国籍を問わず厳正に対応することが必要である。
クロ助とナルカの視点












編集部まとめ
- 事件の要点:函館市で30代女性に無理やりキスやハグをした疑いで、フィリピン国籍の技能実習生の男が逮捕された。
- 当事者の関係:女性は実習先企業の関係者だったが、2人に面識はなかったとされる。
- 供述:男は「友達になれたと思った」などと述べ、容疑を一部否認している。
- 法的論点:友人や同僚などの関係ではなく、個々の身体接触について相手の同意があったかが重要となる。
- 再発防止:受け入れ企業と監理団体には、母国語による刑法、同意、ハラスメント、相談窓口の具体的な周知が求められる。
出典
- 北海道文化放送/FNNプライムオンライン「フィリピン人技能実習生の21歳男を不同意わいせつ容疑で逮捕」2026年9月8日
- HBC北海道放送/TBS NEWS DIG「実習先で面識のない30代女性に無理やりキスなど」2026年9月8日
- e-Gov法令検索「刑法」
- 外国人技能実習機構「母国語相談窓口」
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