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外国人含む土地の「不適切利用」監視強化へ 国交省が届出面積引き下げを提言

外国人を含む不適切な土地利用への監視強化を国交省有識者会議が提言
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住宅地の近くで廃棄物や土砂を積み上げる、スクラップヤードを設置する、大型車両の駐車場として利用する――。こうした「不適切な土地利用」への対応を強化するため、国土交通省の有識者会議が2026年8月7日、国土利用計画法の見直しを求める提言を取りまとめた。

産経新聞は、不適切な土地利用には外国人によるものも含まれ、近年問題視されていると報じている。提言の背景資料でも、外国人による土地取得への国民の懸念が高まっていることが明記された。

ただし、今回の提言は「外国人だけ」を対象に土地取得を規制するものではない。国交省は、違反行為を行うのは外国人・外国法人に限らないと明記しており、日本人を含むすべての土地所有者・利用者を対象に、土地取得時から利用後まで行政が継続的に把握・監督できる制度へ改めるよう求めている。

最大のポイントは、現在は大規模な土地取引に限られている国土利用計画法の届出対象面積を引き下げ、より小規模な土地取得の段階から行政が利用目的を把握できるようにすることだ。また、取得後に利用目的を変更した場合の再届出や、法令上明確に禁止されていない「規制の隙間」にある不適切利用への指導監督も提案された。

新人記者ナルカ
これは外国人の土地購入規制が始まるってこと?

編集長クロ助
今回の国交省提言は、外国人だけを対象にした購入規制ではないにゃ。日本人も含め、土地取得と利用を広く監視する制度強化にゃ。外国人の土地取得そのものについては、内閣官房で別の検討会が動いているにゃ。
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国交省有識者会議が8月7日に提言

国土交通省は2026年3月、「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」を設置した。

有識者会議は計5回にわたり、土地取引、土地利用、外国人による土地取得への懸念、地方自治体の対応などを議論し、8月7日に提言を公表した。

  • 第1回:2026年3月27日
  • 第2回:5月12日
  • 第3回:5月26日
  • 第4回:6月11日
  • 第5回:7月31日
  • 提言公表:8月7日

国交省は、近年の土地政策の課題が、地価高騰や宅地供給から「土地の適切な利用・管理」へ移りつつあると説明している。

住宅地近くの廃棄物・スクラップヤードなどを問題視

国交省が地方自治体への聞き取りなどを通じて確認した不適切な土地利用の例には、次のようなものがある。

  • 住宅地近くで廃棄物や土砂を積み上げる
  • 住宅地近くにスクラップヤードを設置する
  • 騒音、悪臭、水質汚濁など周辺環境へ悪影響を与える
  • 住宅地近くを大型車両の駐車場として利用する
  • 必要な許可を得ずに大規模な森林伐採や開発を行う

提言では、こうした事案は土地利用規制が比較的弱い地域や、既存法の規制対象になりにくい方法で行われる傾向があると指摘している。

さらに、土地取得時に利用目的を十分把握できず、実際の開発や利用が始まってから初めて行政が問題を把握するケースが多いことも課題とされた。

外国人・外国法人の場合「連絡がつかない」ケースも

提言本文では、不適切な利用や違反行為を行うのは「外国人・外国法人に限られない」と明記している。

その一方で、当事者が外国人や外国法人の場合には、行政から連絡がつかなかったり、法令上必要な手続を行わずに土地取引が行われ、取引の存在そのものを行政が把握できなかったりするとの指摘が紹介されている。

つまり、外国人による土地取得について国籍だけを理由に問題視しているのではなく、「所有者を把握できない」「行政指導が届かない」「利用目的が分からない」という管理上の問題を重視している。

現在の土地取得届出は「全取引の約1.2%」

提言によると、2024年の不動産所有権移転登記は全国で約157万件あった。

一方、国土利用計画法に基づく大規模土地取引の届出は約1万9000件にとどまり、件数ベースでは全取引の約1.2%だった。

面積ベースでは約3割を把握しているものの、小規模な土地取引の大部分は現行の届出制度では捕捉できない。

項目2024年実績
所有権移転登記約157万件
国土利用計画法による届出約1万9000件
届出で把握できる割合約1.2%

このため、有識者会議は土地取得時の届出対象を広げる必要があると判断した。

現在の届出基準は市街化区域2000㎡以上

国土利用計画法では、一定規模以上の土地取引について、取得後に利用目的などを届け出る必要がある。

区域現行の届出対象面積
市街化区域2000㎡以上
市街化区域以外の都市計画区域5000㎡以上
都市計画区域外1ヘクタール以上

今回の提言は、この面積基準を全国一律で引き下げることを求めている。

さらに、地域事情に応じて地方自治体が国の基準よりさらに低い面積から届出を求められる仕組みも導入すべきだとしている。

面積基準未満の土地もデータベースで把握へ

提言は、届出対象面積を引き下げるだけではない。

届出義務の対象にならない小規模な土地取引についても、国がデータベースを整備して情報を把握し、必要に応じて地方自治体へ提供する仕組みを求めている。

これが実現すれば、行政が土地取引を把握できる範囲は大きく広がる可能性がある。

外国人や外国法人による取得だけでなく、日本人による取引も含めて土地所有情報を横断的に確認できるため、無届取引や不適切利用を早期発見しやすくなる。

利用目的を変更したら「再届出」へ

現行制度では、土地を取得するときに届け出た利用目的が、その後変更されても行政側が把握できない場合がある。

例えば、土地取得時には「資産保有」や「駐車場」と届け出ていた土地が、その後スクラップヤードや資材置き場など別用途で使われても、継続的に監視する仕組みが十分ではない。

提言では、取得後に利用目的を変更した場合に再届出を義務付け、行政が継続的に土地利用をモニタリングできる制度を求めた。

法規制の「隙間」も行政指導の対象へ

今回の提言で特に重要なのが、「不適切な土地利用」という新しい考え方である。

提言では、不適切な土地利用を、土地利用関連法では必ずしも禁止されていないものの、法規制の隙間に存在し、周辺地域に悪影響を生じさせる土地利用と定義している。

これまで、廃棄物処理法、都市計画法、森林法、建築基準法など個別法に明確に違反しない場合、行政が対応しにくいケースがあった。

そこで、都道府県の「土地利用基本計画」に不適切な土地利用に該当する行為を具体的に明示し、国土利用計画法に基づいて指導監督できるようにすることを提案している。

しかも指導監督は、土地の取引段階だけでなく、取得後の「利用段階」でも可能にすべきだとしている。

登記情報と照合し「無届取引」を発見

提言は、国土利用計画法上の届出が必要なのに届出を行わない「無届事案」への対応も強化するよう求めている。

具体的には、不動産登記情報と土地取引の届出情報を照合し、届出が確認できない土地について行政が現地調査へ入る仕組みを想定している。

これにより、取得者が制度を知らない、あるいは意図的に届け出を行わないケースでも、行政側から把握できる可能性が高まる。

外国人土地取得規制とは「別の議論」

今回の国交省提言と、「外国人による土地取得規制」は関連するが、同じ制度ではない。

国交省有識者会議は、国籍を問わず、日本国内の土地利用を適正化する制度を検討している。

一方、内閣官房では2026年3月から「外国人による土地取得等のルールの在り方検討会」が開催されている。

こちらでは、外国人・外国法人による土地取得について、諸外国の制度や安全保障上の懸念を踏まえ、日本でどのようなルールを設けるべきかを別途検討している。

2026年7月までに4回の会合が開催されており、外国人土地取得をめぐる制度見直しは政府全体で並行して進んでいる。

重要土地等調査法だけでは対象が限定的

現在、日本には自衛隊施設、原子力施設、国境離島など、安全保障上重要な施設周辺の土地利用を調査・規制する「重要土地等調査法」がある。

しかし、この制度は安全保障上重要な区域を対象とするものであり、全国の住宅地周辺のスクラップヤード、資材置き場、廃棄物保管などを包括的に規制する制度ではない。

今回の国交省提言は、国土利用計画法を全国の土地を対象とする「一般法」として活用し、重要土地等調査法や個別の土地利用法では対応できない部分を補う考え方である。

土地の「所有」より「利用実態」を重視

外国人土地取得問題では、「外国人が土地を買った」という所有者の国籍に注目が集まりやすい。

しかし、今回の提言が重視しているのは、土地を誰が所有しているかだけではなく、その土地が実際にどのように利用されているかである。

日本人が所有していても、廃棄物を不適切に保管したり、無許可開発を行ったりすれば規制対象となるべきである。

逆に、外国人が所有していても、法令を守り適正に利用している土地まで問題視する仕組みではない。

土地所有者の国籍把握と、土地利用の適正化は、分けて制度設計する必要がある。

不適切な土地利用を防ぐために必要なこと

  • 土地取得時の届出対象面積を縮小する
  • 取得後の利用目的変更を再届出させる
  • 登記情報と届出情報を照合する
  • 小規模土地取引もデータベースで把握する
  • スクラップヤードや資材置き場を継続監視する
  • 都道府県・市町村・国の情報共有を強化する
  • 外国人所有者でも確実に連絡が取れる仕組みを整える
  • 悪質な無届・無許可利用には迅速な行政処分を行う

規制強化を支持する視点

土地は一度、不適切な利用が始まり、廃棄物や土砂が大量に積み上げられると、原状回復に巨額の費用と長い時間がかかる。

問題が深刻化してから行政が対応するのではなく、取得段階から所有者と利用目的を把握し、早期に指導できる仕組みが必要だという立場である。

特に所有者や実質的な利用者が海外へ移動できる場合、行政が連絡を取れなくなるリスクもあるため、取得時の情報確認を厳格化する合理性がある。

規制強化に慎重な視点

届出対象面積を大幅に引き下げれば、一般の不動産取引や企業活動にも新たな事務負担が生じる。

行政側にも膨大な届出を処理する人員やシステムが必要となる。

また、「周辺に悪影響を与える」という基準が曖昧なままでは、自治体ごとに判断が大きく異なる可能性がある。

規制対象となる行為、指導・勧告・命令の要件、土地所有者の不服申立て手続などを明確にする必要がある。

外国人土地問題を重視する視点

外国人や外国法人による土地取得については、今回の国交省提言だけでは国籍別の取得制限にはならない。

安全保障、水源地、森林、国境離島、農地など国益上重要な土地については、内閣官房の別検討会で、外国人取得に固有のルールを議論する必要がある。

同時に、国籍を理由とした一律禁止ではなく、土地の場所、用途、実質的支配者、安全保障リスクなど、客観的な基準が必要となる。

クロ助とナルカの視点

新人記者ナルカ
今回の提言で、外国人は小さな土地でも買えなくなるの?

編集長クロ助
買えなくなるわけではないにゃ。国交省提言は、一定面積以上の土地を取得したときの「届出」の対象を広げる話にゃ。外国人だけを禁止する制度ではないにゃ。

新人記者ナルカ
じゃあ、何が一番変わりそう?

編集長クロ助
取得した時だけでなく、利用目的を変えた後も行政が追跡できる点にゃ。スクラップヤードや廃棄物保管などが始まってから初めて気付く状況を減らす狙いにゃ。

新人記者ナルカ
外国人の土地取得規制は別に進んでいるの?

編集長クロ助
そうにゃ。内閣官房の「外国人による土地取得等のルールの在り方検討会」が別に動いているにゃ。今回の国交省提言と合わせて今後の法改正を見る必要があるにゃ。

編集部まとめ

  1. 提言:国交省有識者会議は2026年8月7日、不適切な土地利用への対応強化を求める提言を公表した。
  2. 問題事例:住宅地近くの廃棄物・土砂積み上げ、スクラップヤード、大型車駐車場、無許可森林伐採などが挙げられた。
  3. 外国人:外国人による土地取得への懸念は提言の背景の一つ。ただし、違反行為は外国人に限らないと明記されている。
  4. 届出拡大:市街化区域2000㎡など現在の届出対象面積を全国的に引き下げ、自治体がさらに低い基準を設定できるようにする。
  5. 再届出:取得後に土地の利用目的を変更した場合、再届出を求める制度を提案。
  6. データベース:届出対象未満の土地取引についても国が情報を把握する仕組みを構築する。
  7. 利用段階:法規制の隙間にある不適切な土地利用について、取得後も都道府県が指導監督できるようにする。
  8. 外国人取得規制:外国人だけを対象とする土地取得ルールは、内閣官房の別検討会で並行して議論されている。
  9. 今後:国交省は法改正も視野に具体的な制度設計を進める見通し。

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