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外国人の性犯罪は10年で3倍? 2015年113人→2025年322人、警察庁統計を検証

来日外国人の性犯罪検挙人員2015年113人から2025年322人への推移
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「外国人による性犯罪は10年で3倍に増えた」――こうした指摘がSNSなどで広がっている。

警察庁の犯罪統計を確認すると、少なくとも「来日外国人」に限れば、2015年の性犯罪関連の検挙人員は、強姦34人、強制わいせつ79人の計113人だった。

一方、2025年の確定値では、不同意性交等134人、不同意わいせつ188人の計322人となっている。

単純比較では、113人から322人へ約2.85倍。増加率では約185%増となるため、「10年で約3倍」という表現自体は概ね数字に沿っている。

ただし、ここで注意が必要だ。

この統計は「外国人全体」ではなく、警察庁が定義する「来日外国人」が対象である。また、2017年と2023年に性犯罪規定が改正され、罪名・構成要件も変わっている。さらに、日本国内の外国人人口や訪日外国人数そのものも大きく増加した。

したがって、「性犯罪の検挙人員が約3倍」=「外国人1人当たりの性犯罪率も3倍」ではない。

本記事では、2015年から2025年までの警察庁統計を基に、どこまで「外国人による性犯罪が激増した」と言えるのかを検証する。

新人記者ナルカ
「10年で3倍」って本当に数字で確認できるの?
編集長クロ助
来日外国人の性犯罪関連の検挙人員を単純合計すると、2015年113人から2025年322人で約2.85倍にゃ。ただし、人口増と法改正があるから「犯罪率が3倍」とは言えないにゃ。
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結論:「約3倍」は概ね事実、ただし表現に注意

まず結論から整理する。

性交等わいせつ合計
2015年強姦 34人強制わいせつ 79人113人
2024年不同意性交等 107人不同意わいせつ 189人296人
2025年不同意性交等 134人不同意わいせつ 188人322人

2015年113人から2025年322人なので、

322 ÷ 113 ≒ 2.85

となる。

したがって、「来日外国人の性犯罪関連の検挙人員は10年で約3倍」という説明は、警察庁統計上、概ね成立する。

2025年分は「未公開」ではない

ここは重要な訂正点である。

2025年1~12月の犯罪統計確定値は、警察庁が2026年2月12日に公開している。

最新の2025年確定値では、来日外国人の検挙人員は、

  • 不同意性交等:134人
  • 不同意わいせつ:188人
  • 合計:322人

となった。

2024年は、不同意性交等107人、不同意わいせつ189人の計296人だった。

つまり2025年は、合計で26人増、前年比約8.8%増となった。

増えたのは主に「不同意性交等」

2024年から2025年の変化をみると、不同意わいせつは189人から188人へ1人減少した。

一方、不同意性交等は107人から134人へ27人増加している。

したがって、2025年の性犯罪関連検挙人員の増加は、主に不同意性交等の増加によるものといえる。

そもそも「来日外国人」とは誰か

警察庁統計で使われる「来日外国人」は、一般に使われる「外国人」と同じ意味ではない。

警察庁は来日外国人について、

我が国にいる外国人のうち、いわゆる定着居住者(永住権を有する者等)、在日米軍関係者及び在留資格不明の者以外の者

と定義している。

つまり、永住者などの定着居住者は原則としてこの統計から除外されている。

そのため、今回の数字を「日本にいる外国籍者全体の性犯罪」と表現するのは正確ではない。

「検挙人員」と「犯罪件数」も違う

今回比較しているのは「検挙人員」である。

検挙人員とは、警察が事件について検挙した被疑者の人数を示す。

犯罪の認知件数、検挙件数、被害者数とは別の指標である。

1人が複数事件に関与する場合もあれば、1事件で複数人が検挙される場合もある。

したがって、「2025年に外国人による性犯罪が322件発生した」と書くのも誤りである。

正確には「来日外国人の不同意性交等・不同意わいせつの検挙人員合計が322人」である。

2015年と2025年では法律が違う

10年間の単純比較には大きな注意点がある。

2015年当時の罪名は「強姦」「強制わいせつ」だった。

その後、2017年の刑法改正で強姦罪が「強制性交等罪」へ変更され、2023年7月13日からは「不同意性交等罪」「不同意わいせつ罪」へ再編された。

警察庁の2025年犯罪統計にも、2023年7月13日の刑法改正に伴い、強制性交等・強制わいせつから不同意性交等・不同意わいせつへ罪名・構成要件が改められたと明記されている。

2023年改正で何が変わったのか

法務省は2023年改正について、不同意性交等罪・不同意わいせつ罪では、「同意しない意思を形成し、表明し、または全うすることが困難な状態」を中心に構成要件を整理したと説明している。

暴行・脅迫だけでなく、アルコール、薬物、恐怖、立場による影響力など、不同意状態を生じさせる原因を具体的に示した。

法務省は、改正前の罪で本来処罰されるべき行為をより的確に処罰できるようにしたものであり、「処罰が強化される」と説明している。

このため2015年と2025年は、名称だけでなく統計上の法的枠組みも完全には同一ではない。

それでも増加傾向自体は無視できない

法改正があるからといって、検挙人員の増加そのものが消えるわけではない。

少なくとも2024年と2025年は同じ「不同意性交等」「不同意わいせつ」という枠組みで比較できる。

その比較でも296人から322人へ増加している。

特に不同意性交等は107人から134人へ約25%増加した。

したがって、「近年、来日外国人の性犯罪関連検挙人員が増加傾向にある」という指摘には一定の根拠がある。

外国人そのものの人数も増えている

一方、犯罪統計を考えるうえでは母数も重要である。

日本の在留外国人数は2015年末には約223万人だったが、その後大きく増加した。

2025年末には在留外国人数は400万人を超える規模となっている。

つまり、日本に居住する外国人そのものが10年前より大幅に増えている。

さらに訪日外国人旅行者も、コロナ禍を経て急回復している。

人の数が増えれば、犯罪率が変わらなくても絶対的な検挙人員が増える可能性がある。

「3倍」でも「犯罪率3倍」とはいえない理由

例えば、ある人口集団が10年間で2倍になり、犯罪検挙人員が3倍になった場合、絶対数は3倍でも、人口当たりの増加は3倍ではない。

今回も同様である。

来日外国人の性犯罪検挙人員が約2.85倍になったことは確認できるが、対象となる来日外国人の母数も変化している。

しかも「来日外国人」は在留外国人数と完全に一致する統計区分ではない。

そのため、単純に「10万人当たり何人」と計算する場合も、分母を何にするか慎重な検討が必要になる。

日本全体の性犯罪検挙人員も増えている

警察庁統計では、日本全体でも性犯罪関連の検挙人員は増加している。

2015年の全国検挙人員は、強姦933人、強制わいせつ2644人だった。

合計すると3577人となる。

2025年は、不同意性交等3371人、不同意わいせつ4732人で、合計8103人。

単純比較では約2.27倍である。

つまり性犯罪関連の検挙人員増加は、来日外国人だけでなく、日本全体でも確認されている。

来日外国人の増加幅は全国平均より大きい

一方、単純比較では、

  • 来日外国人:約2.85倍
  • 全国:約2.27倍

となる。

この数字だけを見ると、来日外国人の性犯罪関連検挙人員の増え方は全国全体より大きい。

ただし、外国人人口の増加率、年齢構成、男女比、短期入国者数、法改正の影響などを調整していないため、この差だけで「外国人の方が性犯罪を起こしやすくなった」と結論付けることはできない。

なぜ外国人性犯罪の統計は分かりにくいのか

最大の問題は、「外国人」という言葉に複数の統計区分が存在する点である。

  • 外国籍者全体
  • 在留外国人
  • 来日外国人
  • 永住者等の定着居住者
  • 短期滞在者
  • 技能実習・特定技能など在留資格別

警察庁が毎月公表する重要犯罪の国籍別統計は「来日外国人」が中心であり、永住者等を含む外国籍者全体の比較とは一致しない。

国民が外国人受け入れ政策と治安の関係を判断するには、在留資格別・国籍別・人口当たりの統計をより分かりやすく公開する必要がある。

性犯罪は「国籍」だけで説明できない

性犯罪は被害者に深刻な身体的・精神的被害を与える重大犯罪であり、外国人による事件であっても厳正な捜査と処分が必要である。

一方、統計上の増加を特定国籍や外国人全体の性質と結び付けることには慎重さが必要だ。

犯罪発生には年齢構成、性別構成、生活環境、経済状況、飲酒、社会的孤立、犯罪機会など複数の要因が関係する。

国籍だけを原因とみなすことは、統計からは支持されない。

外国人受け入れ拡大なら治安統計もセットで公開すべき

一方、日本政府が外国人労働者や留学生の受け入れを拡大するのであれば、治安への影響を継続的に検証することは当然である。

特に国民が知りたいのは、単なる検挙人員ではなく、

  • 在留資格別の検挙人員
  • 国籍別の性犯罪検挙人員
  • 10万人当たりの検挙率
  • 短期滞在者と中長期在留者の違い
  • 永住者を含む外国籍者全体の数字
  • 被害者の国籍・関係性
  • 再犯率
  • 不起訴・起訴・有罪までの司法結果

といった情報である。

受け入れ人数を増やす政策と治安データを切り離さず、同じ年度・同じ定義で公開することが必要だ。

個別事件の積み重ねだけでは「激増」を証明できない

JP News Focusでも、外国人による不同意性交等、不同意わいせつ事件を多数報じてきた。

2026年にも、岐阜市で10代女性への不同意性交容疑、高知市で不同意わいせつ致傷容疑、鳥取市で10代女性への不同意性交等容疑などが報じられている。

しかし、ニュース記事が増えた印象だけで「外国人性犯罪が激増した」と判断すべきではない。

治安問題こそ警察庁の統計を基に検証する必要がある。

「外国人性犯罪が10年で3倍」の正確な言い方

現時点で最も正確な表現は次のようになる。

警察庁統計によると、来日外国人の強姦・強制わいせつ/不同意性交等・不同意わいせつの検挙人員の単純合計は、2015年の113人から2025年の322人へ約2.85倍に増えた。ただし、対象人口の増加と刑法改正があるため、外国人の性犯罪率が3倍になったことを意味しない。

この説明なら、数字の増加を隠すことも、数字以上に誇張することもない。

クロ助とナルカの視点

新人記者ナルカ
じゃあ「10年で3倍」はデマではないんだね。
編集長クロ助
検挙人員の単純比較なら約2.85倍だから、概ね事実にゃ。でも「外国人の犯罪率が3倍」は別の話にゃ。
新人記者ナルカ
2025年も増えてる?
編集長クロ助
2024年296人から2025年322人へ約8.8%増にゃ。特に不同意性交等が107人から134人へ増えているにゃ。
新人記者ナルカ
じゃあ何を公表すればもっと分かりやすいの?
編集長クロ助
在留資格別や国籍別の人口当たり検挙率にゃ。今の「来日外国人」という括りだけでは、外国人受け入れ政策の治安影響を正確に評価しにくいにゃ。

編集部まとめ

  1. 2015年:来日外国人の強姦34人+強制わいせつ79人=113人。
  2. 2025年:不同意性交等134人+不同意わいせつ188人=322人。
  3. 10年間:113人→322人で約2.85倍。「約3倍」は概ね数字に沿う。
  4. 2025年分:未公開ではなく、2026年2月12日に警察庁が確定値を公表済み。
  5. 前年比:2024年296人→2025年322人で約8.8%増。
  6. 増加要因:2025年は不同意性交等が107人→134人へ増加。
  7. 統計区分:「来日外国人」は外国籍者全体ではなく、永住者等の定着居住者を原則除く。
  8. 法改正:2017年・2023年に性犯罪規定が改正され、2015年と2025年は完全な同一条件比較ではない。
  9. 人口:外国人人口・訪日外国人数も10年前より大幅に増えている。
  10. 全国:日本全体の性犯罪関連検挙人員も2015年3577人→2025年8103人と増加。
  11. 結論:「来日外国人の性犯罪検挙人員が約3倍」は成立するが、「外国人の性犯罪率が3倍」とは断定できない。

出典

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