名古屋市南区の67歳男性にSNSなどを通じて架空の株式投資を持ちかけ、運用資金名目で現金1700万円をだまし取ったとして、愛知県警は中国籍で住居不定、無職の戴江榜容疑者(30)を詐欺の疑いで逮捕した。
東海テレビの報道によると、戴容疑者は他の人物と共謀し、2026年4月、アルバイトの男性から現金1700万円をだまし取った疑いが持たれている。調べに対して容疑を認めているとされる。一方、被害男性との最初の接触方法、具体的な投資話、現金の受け渡し場所、戴容疑者がグループ内で担った役割は報道では明らかにされていない。
SNS型投資詐欺は、著名人や投資家を装った広告、グループチャット、偽の投資アプリなどを通じて信用させ、利益が出ているように見せながら入金を繰り返させる手口が典型である。警察庁によると、2025年のSNS型投資詐欺は9538件、被害額は約1274億7000万円に上り、件数・被害額とも前年から大幅に増加した。
新人記者ナルカ


事件の概要
- 被害時期:2026年4月
- 被害者:名古屋市南区に住むアルバイトの男性(67)
- 被害額:現金1700万円
- 手口:SNSなどを通じて架空の株式投資を持ちかけ、運用資金名目で現金を詐取した疑い
- 逮捕者:中国籍、住居不定、無職の男(30)
- 容疑:詐欺の疑い
- 共犯関係:他の人物と共謀した疑い
- 認否:報道によると容疑を認めている
東海テレビは同じ記事で、岐阜県各務原市の70代女性が、警察官や検事を名乗る人物から「資産を確認するため、お金を暗号資産に換えて送金する必要がある」などとうその電話を受け、暗号資産3929万円分と現金200万円をだまし取られた別事件も報じている。
2つの事件の関連は報じられていない。名古屋市の事件は架空の株式投資、各務原市の事件は警察官や検事を装う手口であり、混同してはならない。ただし、SNSや電話を入り口に高齢者の資産を狙い、暗号資産や現金へ誘導する被害が東海地方でも相次いでいることを示している。
時系列で見る経緯
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年4月以前 | 名古屋市南区の男性に、SNSなどを通じて架空の株式投資が持ちかけられたとみられる。 |
| 2026年4月 | 運用資金名目で現金1700万円をだまし取られた疑い。 |
| その後 | 愛知県警が通信や現金の流れ、関係者を捜査し、中国籍の男の関与が浮上したとみられる。 |
| 2026年9月25日 | 中国籍の男が詐欺容疑で逮捕され、容疑を認めていると報じられた。 |
何が問題になっているのか
SNS上の接点から高額な現金被害へ進む構造
SNS型投資詐欺では、最初から大金を要求するとは限らない。投資情報の広告やダイレクトメッセージをきっかけに、無料の勉強会、投資グループ、投資アドバイザーを装った人物へ誘導し、少額投資で利益が出たように見せて信用させる。
その後、「特別な銘柄を買える」「元本を増やせば利益が大きくなる」「出金には税金や保証金が必要」などの理由で追加送金を求める。偽アプリや偽サイト上では利益が表示されても、実際の証券市場で株式が購入されていない場合がある。
正規の証券会社を介さない現金受け渡し
通常、株式投資は、金融商品取引業者として登録された証券会社に本人名義の口座を開設し、その口座を通じて注文や入出金を行う。投資アドバイザーを名乗る人物が、個人名義口座への振り込みや、現金の手渡し、宅配便での送付を求める場合は強く警戒すべきである。
本件の報道では、1700万円がどのように渡されたかは明らかにされていない。そのため、容疑者が受け子、回収役、勧誘役、指示役のどれだったのかは断定できない。警察には、逮捕された人物だけでなく、SNSアカウントの運営者、偽サイトの管理者、資金管理役まで追跡することが求められる。
高齢者だけの問題ではない
今回の被害者は67歳の男性だが、SNS型投資詐欺は若年層や現役世代も被害に遭う。投資経験がある人ほど、専門用語や実在企業の情報を組み合わせた勧誘を信じることもある。生成AIによる偽動画、著名人になりすました広告、翻訳ツールを使った自然な日本語などにより、外見上の違和感だけで見抜くことは難しくなっている。
警察庁統計から見るSNS型投資詐欺
| 項目 | 2025年の暫定値 | 前年比 |
|---|---|---|
| 認知件数 | 9538件 | 3125件増、48.7%増 |
| 被害額 | 約1274億7000万円 | 約403億6000万円増、46.3%増 |
警察庁は2026年から、被害の全体像を分かりやすくするため、SNS型投資・ロマンス詐欺を特殊詐欺の一手口として位置付けている。これは、SNS上の勧誘が単なる消費者トラブルではなく、全国的な組織犯罪として深刻化していることを示す。
被害額が大きくなる背景には、被害者が複数回にわたり入金させられること、定期預金の解約や借入れ、暗号資産購入まで誘導されることがある。一度支払うと「ここで止めればこれまでの投資を失う」と感じ、被害を認めにくくなる心理も悪用される。
投資詐欺を見抜く確認項目
- 勧誘者や会社が金融庁の登録業者か確認する
- 著名人本人の公式サイトや事務所発表と照合する
- 「必ずもうかる」「元本保証」「今だけ」と断定する勧誘を信用しない
- 個人名義口座、現金手渡し、宅配便、暗号資産への交換を求められたら中断する
- 出金前に税金や保証金を別途払うよう求められたら詐欺を疑う
- 家族、金融機関、警察相談専用電話「#9110」へ相談する
投資判断は急がず、相手から送られたURLやアプリだけで確認しないことが重要である。検索結果に表示されたサイトも偽装される可能性があるため、金融庁の登録検索や証券会社の公式窓口を自分で探して確認する必要がある。
外国籍の実行役と組織犯罪の論点
今回逮捕された男は中国籍と報じられている。しかし、国籍だけで犯罪組織の所在や指示系統を判断することはできない。特殊詐欺では、日本人・外国人を問わず、短期の高額報酬で現金回収役を募集し、上位の指示役と接触させない分業構造が使われる。
重要なのは、在留状況、渡航歴、通信アプリ、現金の引き渡し先、報酬、共犯者との関係を捜査し、組織全体を解明することである。末端役だけを逮捕しても、SNSアカウントや偽投資サイトを運営する中核が残れば、別の人物を使って被害が続く。
賛成・反対・中立の視点
規制と摘発強化を求める視点
高額被害が急増している以上、SNS広告の出稿者確認、金融機関による不審送金の検知、現金回収役の捜査、海外拠点との捜査共助を強化すべきだという立場である。プラットフォームにも、詐欺広告を掲載した後の削除だけでなく、掲載前審査と被害補償への責任を求める声がある。
過剰な送金制限を懸念する視点
高齢者の振り込みや現金引き出しを一律に制限すれば、正当な投資、住宅購入、家族間送金を妨げる可能性がある。年齢だけで判断せず、不自然な用途説明、短期間の反復取引、新規口座への高額送金など、リスクに応じた確認が必要だという意見である。
制度と教育を組み合わせる中立的視点
摘発だけでなく、広告審査、口座監視、金融リテラシー教育、家族への相談導線を組み合わせる必要がある。特に「現金で投資資金を預ける」「出金するために追加料金を払う」という異常な要求を、具体例として繰り返し周知することが効果的である。
クロ助とナルカの視点












編集部まとめ
- 事件の要点:名古屋市南区の67歳男性に架空の株式投資を持ちかけ、現金1700万円をだまし取った疑いで、中国籍の男が逮捕された。
- 認否:男は容疑を認めていると報じられているが、具体的な役割や共犯者の全容は明らかになっていない。
- 被害の背景:SNS型投資詐欺は2025年に9538件、約1274億7000万円の被害が確認され、急増している。
- 国益的示唆:末端の現金回収役だけでなく、広告、SNSアカウント、偽サイト、国内外の資金移動まで追跡し、犯罪基盤を断つことが必要である。
出典
- 東海テレビ/FNNプライムオンライン「架空の株式投資を持ち掛け運用資金名目で現金1700万円騙し取った疑い 中国籍の30歳無職の男を逮捕」2026年9月25日
- 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」
- 警察庁「SNS型投資詐欺」
- e-Gov法令検索「刑法」
内部関連記事













コメント