外食業分野の特定技能1号について海外からの新規受入れが原則停止される中、外食企業の88.4%が人手不足を感じ、41.7%が対策としてスキマバイトの活用を検討していることが、シェアフル株式会社の調査で分かった。
ここで注意したいのは、「特定技能外国人の41.7%がスキマバイトを希望している」という調査ではない点だ。回答したのは外食業に携わる企業担当者で、受入れ停止への企業側の代替策を尋ねた結果である。
新人記者ナルカ


調査結果の要点
| 質問 | 主な回答 |
|---|---|
| 人材不足を感じるか | 「非常に感じる」36.7%+「感じる」51.7%=88.4% |
| 受入れ停止が採用に影響するか | 「大きく影響」28.3%+「影響」15.0%=43.3% |
| 検討する対策 | 日本人アルバイト採用強化53.3%、スキマバイト活用41.7% |
| 全く影響しない | 26.7% |
業態別では、ファミレス・レストランの65.0%が人材不足を「非常に感じる」と回答し、ファーストフードでは75.0%が「感じる」と回答した。調査は外食現場の人手不足が特定の業態だけの問題ではないことを示している。
なぜ特定技能「外食」の新規受入れが止まったのか
農林水産省によると、外食業分野の特定技能1号在留者は2026年5月ごろに受入れ見込数の5万人を超えると予測された。このため、4月13日から在留資格認定証明書の交付を一時的に停止する措置が取られた。
停止の中心は海外から新しく呼び寄せるための手続である。すでに日本国内で外食業の特定技能1号として働いている人の在留更新や、同じ分野内での転職まで一律に禁止されたわけではない。また、一定の経過措置に該当する申請も個別に扱われる。
「外国人採用全面停止」ではない
- 外食業の特定技能1号に関する受入れ上限運用
- すべての在留資格の外国人採用を禁じる措置ではない
- 身分に基づく在留資格など、就労制限の異なる外国人は別扱い
- 特定技能2号への移行や国内在留者の更新も別途要件を確認する必要がある






代替策の1位は日本人アルバイト採用強化
受入れ停止への対策として最も多かったのは、日本人アルバイトの採用強化で53.3%。スキマバイト活用が41.7%で続いた。短時間・単発の働き手を迅速に確保できる仕組みは、急な欠勤や繁忙時間の穴を埋める用途で評価されているとみられる。
一方、スキマバイトは長期的な技能蓄積や店舗運営の中核人材を直接代替するものではない。衛生管理、調理手順、接客基準などの教育が必要な業務では、常勤者との役割分担と安全管理が欠かせない。
調査を読む際の注意点
今回の調査はスキマバイトサービスを運営する企業によるものである。数字自体は回答結果として重要だが、調査対象者の構成、回答数、対象地域、調査方法を確認し、外食企業全体へ単純に一般化しない姿勢も必要になる。
また、複数回答の設問では各選択肢の合計が100%を超える。41.7%という数字は、外食企業の41.7%がすでに導入した割合ではなく、「検討している対策」として選んだ割合である。
外国人本人の副業問題とは分けて考える
特定技能外国人が本来の勤務先とは別の企業で単発就労する場合は、在留資格、雇用契約、所属機関の届出などの確認が必要となる。今回の企業調査は、このような外国人本人の副業可否を調べたものではない。
見出しだけから「特定技能外国人がスキマバイトへ流れる」と解釈すると、調査内容と異なる情報になる。記事では、誰に何を尋ねた調査なのかを明記する必要がある。






企業が確認すべきこと
- 自社が停止措置の対象となる申請を予定していないか。
- 国内在留者の更新・転職と海外新規受入れを混同していないか。
- 短期人材へ任せる業務と常勤者が担う業務を分けているか。
- 食品衛生、安全、個人情報、現金管理の教育時間を確保できるか。
- 特定技能2号移行や既存人材の定着支援を進めているか。
編集部まとめ
- 外食企業担当者の88.4%が人手不足を実感している。
- 特定技能1号の受入れ停止が採用に影響するとした割合は43.3%。
- 対策は日本人アルバイト強化53.3%、スキマバイト活用41.7%。
- 41.7%は導入済み割合ではなく、検討中の対策としての回答。
- 特定技能外国人本人のスキマバイト希望を尋ねた調査ではない。
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