警察庁は2026年10月27日、「警備業への外国人材の受入れに関する検討会」の第2回会合を開催した。警備業を在留資格「特定技能」と2027年4月開始予定の「育成就労」の対象とするかどうかを議論するもので、日本語能力、担当業務、身元確認、人数、転籍、キャリア形成などが論点となった。受け入れを決定したわけではない。
新人記者ナルカ


警察庁の第2回検討会で示された論点
| 開催日 | 2026年10月27日 |
|---|---|
| 開催主体 | 警察庁「警備業への外国人材の受入れに関する検討会」 |
| 対象の制度 | 特定技能制度と育成就労制度 |
| 検討状況 | 警備業を両制度の対象に追加するか、追加する場合の要件を議論中 |
| 主な論点 | 日本語能力、警備業務の範囲、上乗せ基準、人数、転籍、協議会、キャリアパス等 |
| 現時点での結論 | 対象分野への追加、人数や実施時期は未決定 |
8つの検討項目を整理
第2回検討会で提示された論点は、受け入れの是非を含む総論、日本語能力、対象業務、上乗せ基準、受け入れ見込数、転籍制限期間、分野別協議会への加入、中長期的なキャリアパスの8項目である。
例えば、警備業務を1号から4号まですべて対象にするのか、一部の業務に絞るのかが検討事項に挙がっている。警備業務は施設警備や雑踏警備に加え、貴重品運搬警備や身辺警護など職務ごとの性質が大きく異なる。
日本語能力についても、日常会話ができれば十分か、緊急時の報告・指示理解に必要な水準を追加して求めるかなど、業務の安全と関連する設計が問題になる。
上乗せ基準には、警備業法で定める欠格要件に該当しないことを確認する方法や、海外の犯罪歴の調査をどう行うかという論点も含まれる。これらは検討事項であり、具体的要件の導入が決定したという意味ではない。
日本語要件と業務の範囲 安全性の観点
警備員は事件・事故の第一発見者となる場合もあり、避難誘導や通報、施設管理者との連携が必要になる。現場での日本語能力は、採用試験の点数だけでなく、緊急時に情報を正しく伝えられるかという実務能力に結びつけて判断する必要がある。
また、特定技能の制度上の基本水準と、警備という業務に必要な水準は一致するとは限らない。必要に応じて業務別試験や追加研修、単独勤務を認めるまでの段階的な教育などが検討される余地があるが、これらは現段階では提案・論点にとどまる。
すでに外国籍の警備員は働ける 今回の検討と何が違う?
警備業法は一律の国籍要件を置いていない。このため永住者、定住者、日本人の配偶者等のように就労活動の制限がない在留資格を持つ人は、ほかの法定要件を満たせば警備業に従事できる。
今回の論点は、人手不足分野で外国人材を受け入れる特定技能や育成就労の枠組みを警備業に広げるかということだ。「外国人の警備業就労が全面解禁される」「採用が決まった」といった理解はいずれも正確ではない。
現場と利用者が注目すべき課題
| 人手不足への対応 | 募集の門戸を広げる可能性がある一方、教育や定着支援が必要 |
|---|---|
| 安全確保 | 緊急時の日本語能力、指揮命令、法令理解が重要 |
| 身元の確認 | 国外の記録をどのように確かめるかが論点 |
| 労働条件 | 長時間労働や低賃金を固定化しない仕組みが必要 |
| 説明責任 | 制度決定後に業務範囲・基準・監督方法を具体的に公表することが必要 |






編集部まとめ
警備は国民の生命・身体・財産を守る公共性の高い仕事である。人手不足を放置できない一方、外国人材の受け入れ拡大を進めるなら、業務ごとの日本語・技能基準、身元確認、適切な指導・監督を明示することが不可欠だ。受け入れに賛成か反対かの二者択一ではなく、実務上の安全性を確認できる制度設計と透明な議論を求めたい。現時点では受け入れ決定とは扱わない。
出典・一次資料
- 警察庁「警備業への外国人材の受入れに関する検討会」第2回資料掲載ページ
- 警察庁「第2回検討会・警察庁資料」2026年10月27日
- 国家公安委員会委員長記者会見要旨(警備業への外国人材受入れ検討会について)2026年9月10日
- YOLO BRIDGE「警備業の特定技能・育成就労、警察庁が検討」2026年11月3日
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