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日本のモスクはどこにある? 全国167項目を都道府県別に一覧化

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日本国内のイスラム教徒(ムスリム)の増加に伴い、礼拝施設であるモスク(マスジド)も全国へ広がっている。

滞日ムスリム調査プロジェクトが公表した「全国モスク(マスジド)リスト 2025年度版」には、2025年7月15日時点で167の番号付き項目が掲載されている。1990年まで全国で確認されていたモスクは4か所とされており、30年余りで分布が大きく変化したことが分かる。

一方、この「167」は、そのまま「現在稼働中の恒久的モスクが167施設ある」という意味ではない。リストには閉鎖済みの旧高松モスク、後継施設の前身、計画中の施設、Googleマップ等で確認されたものの恒久的なマスジドか不明な施設も含まれる。したがって本記事では、「全国167施設」ではなく「研究資料に167項目掲載」と表現する。

本記事は、全国モスクの親記事として、都道府県別の分布、増加の歴史、在日ムスリム人口、地域社会との関係、建築・土地利用上の論点を整理する。今後、埼玉、東京、愛知、茨城、千葉など、施設数が多い都道府県について個別記事を追加し、本ページから内部リンクする。

新人記者ナルカ
日本にはモスクがもう100か所以上あるんだね。

編集長クロ助
研究資料では2025年7月時点で167項目が掲載されているにゃ。ただし閉鎖・前身・計画中なども含むので「現役167施設」とは言えないにゃ。
目次

日本全国のモスク一覧【2026年版・基礎資料167項目】

以下は、2026年8月時点で利用可能な全国網羅資料として、滞日ムスリム調査プロジェクトの2025年度版リストを都道府県別に再整理したものだ。

データの読み方
・基準日は2025年7月15日
・番号は原資料のNo.を維持
・閉鎖済み、前身施設、計画中の項目を含む
・No.152以降について原資料は、Googleマップを利用して確認した施設を含み、恒久的なマスジド形態か不明なものもあると注記
・「0件」はモスクが絶対に存在しないという意味ではなく、当該リストに掲載がないという意味
・ホテル、大学、商業施設などの一時的な礼拝室や小規模ムサッラーは、必ずしも網羅されない

都道府県別の掲載数ランキング

順位都道府県掲載数
1愛知県19件
2東京都19件
3埼玉県17件
4茨城県12件
5千葉県9件
6群馬県8件
7大阪府7件
8神奈川県7件
9京都府5件
10栃木県5件
11静岡県4件
12兵庫県3件
13北海道3件
14宮城県3件
15岐阜県3件

掲載数が最も多いのは東京都と愛知県の各19件、次いで埼玉県17件、茨城県12件、千葉県9件、群馬県8件となった。関東北部から首都圏、愛知県に集中が見られる。

ただし、この件数は礼拝参加者数や施設規模を意味しない。大規模な専用建築も、既存建物を改修した比較的小規模な礼拝所も同じ1件として数えられている。

北海道から沖縄まで 都道府県別モスク一覧

北海道(掲載3件)

No.名称所在地設立・確認年
46札幌モスク北海道札幌市北区2007
51小樽モスク北海道小樽市2008
129江別マスジド北海道江別市角山2022

青森県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
128マディーナ・モスク青森県上北郡2022

岩手県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
82盛岡モスク岩手県盛岡市2015
167タウヒードモスク北上岩手県北上市2025

宮城県(掲載3件)

No.名称所在地設立・確認年
44仙台モスク仙台市青葉区2007
83大衡モスク宮城県黒川郡2015
125石巻モスク(石巻イスラム文化センター)宮城県石巻市2022

秋田県(掲載0件)

今回基礎資料とした「全国モスク(マスジド)リスト 2025年度版」では、2025年7月15日時点で掲載を確認できなかった。小規模な礼拝所(ムサッラー)や、その後に開設された施設まで存在しないことを意味するものではない。

山形県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
166マスジドオマル余目山形県東田川郡庄内町2025

福島県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
32いわきモスク福島県いわき市2005
130郡山マスジド福島県郡山市2022

茨城県(掲載12件)

No.名称所在地設立・確認年
19つくばモスク茨城県つくば市2001
41マディーナ・モスク(小美玉)茨城県小美玉市2006
42水戸アブーバカルモスク茨城県水戸市2006
45ベイトルムカッラムモスク茨城県ひたちなか市2007
48結城モスク茨城県結城市2008
55石岡・小美玉モスク茨城県小美玉市2008
60いわいモスク茨城県坂東市2009
61日立モスク茨城県日立市2009
111茨城モスク(Sakai Darussalam?)茨城県猿島郡2020.1
120古河マスジド(NU)茨城県古河市2021
131神立マスジド茨城県土浦市2022
143石下マスジド茨城県常総市本石下2023

栃木県(掲載5件)

No.名称所在地設立・確認年
18足利モスク栃木県足利市2000
31小山モスク栃木県小山市2005
56鹿沼モスク栃木県鹿沼市2008
84那須塩原モスク栃木県那須塩原市2015
91佐野モスク栃木県佐野市2017

群馬県(掲載8件)

No.名称所在地設立・確認年
6伊勢崎モスク群馬県伊勢崎市1995
9境町モスク群馬県伊勢崎市1997
28館林モスク群馬県館林市2003
40館林サラマットモスク群馬県館林市2006
74桐生モスク群馬県桐生市2013
95倉賀野モスク群馬県高崎市2017
112太田モスク(マスジド)群馬県太田市2020.7
141アル・ファラ・モスク群馬県北群馬郡2022

埼玉県(掲載17件)

No.名称所在地設立・確認年
5一ノ割モスク埼玉県春日部市1991
13戸田モスク埼玉県戸田市1999
16八潮モスク埼玉県八潮市2000
30蒲生モスク埼玉県越谷市2003
35所沢モスク埼玉県所沢市2006
52坂戸モスク埼玉県坂戸市2008
64川越モスク埼玉県川越市2010
68埼玉モスク埼玉県さいたま市2011
86久喜モスク埼玉県久喜市不詳
93毛呂山モスク埼玉県入間郡毛呂山町2017
94鳩山モスク埼玉県比企郡鳩山町2017
105三郷モスク埼玉県三郷市采女2017
139行田マスジド埼玉県行田市2022
140岩槻マスジド埼玉県さいたま市2022
147杉戸マスジド埼玉県北葛飾郡杉戸町2023
164羽生モスク埼玉県羽生市2025
165マスジドアイーシャシッディーク埼玉県児玉郡神川町2025

千葉県(掲載9件)

No.名称所在地設立・確認年
8日向モスク千葉県山武市1995
11行徳モスク千葉県市川市1998
22白井モスク千葉県白井市2001
63千葉(四街道)モスク千葉県千葉市2009
70木更津モスク千葉県木更津市2011
87野田モスク(新築2023年)千葉県野田市2016
89西千葉モスク千葉県千葉市2016
148野田マスジド(New noor huda)千葉県野田市2023
151成田マスジド千葉県香取郡2024

東京都(掲載19件)

No.名称所在地設立・確認年
2東京回教礼拝堂(東京ジャーミイ)東京都渋谷区1938(2000)
3バライ・インドネシア礼拝所*(97番)東京都目黒区1962
4アラブ・イスラーム学院東京都港区1982
7成増モスク(お花茶屋モスク)東京都葛飾区1995(2001)
14大塚モスク東京都豊島区1999
17浅草モスク東京都台東区2000
25八王子モスク東京都八王子市2002
65御徒町モスク東京都台東区2010
76蒲田モスク東京都大田区2013
88西葛西モスク東京都江戸川区2016
97マスジド・インドネシア東京東京都目黒区2017
110新小岩モスク(マスジド)東京都葛飾区2019.10
114ヌサンタラ・マスジド東京都千代田区2020
115江戸川マスジド(江戸川イスラム文化センター)東京都江戸川区2020
116マディナマスジド東京東京都北区東十条 3-2020
127錦糸町モスク東京都墨田区2022
149青戸マスジド東京都葛飾区青戸 4−2023
154拝島マスジド東京都福生市2025
155町田マスジド東京都町田市2025

神奈川県(掲載7件)

No.名称所在地設立・確認年
10海老名モスク神奈川県海老名市1998
34横浜モスク横浜市都筑区2006
92相模原モスク(マスジド・トゥバ)神奈川県相模原市2017
99東海モスク神奈川県秦野市2017
138平塚マスジド神奈川県平塚市2022
152マスジド・インドネシア横浜横浜市青葉区計画中
156ダールルムシャッフイスラミーヤ神奈川県愛川町2025

新潟県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
27新潟モスク新潟県新潟市北区2002
62新潟第 2 モスク新潟県新潟市西区2009

富山県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
15富山モスク富山県射水市1999
79富山五福モスク富山県富山市2014

石川県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
77金沢モスク石川県金沢市2014

福井県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
67福井モスク福井県福井市2010

山梨県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
90甲府モスク山梨県甲府市2016
132富士河口湖マスジド山梨県南都留郡2022

長野県(掲載3件)

No.名称所在地設立・確認年
39坂城モスク長野県埴科郡坂城町2006
137塩尻マスジド長野県塩尻市2022
153マスジド・インドネシア上田長野県上田市岩下 1002025

岐阜県(掲載3件)

No.名称所在地設立・確認年
26各務原モスク岐阜県各務原市2002
50バーブ・アル=イスラーム岐阜モスク岐阜県岐阜市2008
103大垣モスク岐阜県大垣市2017

静岡県(掲載4件)

No.名称所在地設立・確認年
23富士モスク静岡県富士市2001
38浜松モスク静岡県浜松市南区2006
109静岡モスク(マスジド)静岡市駿河区2019.10
157バイトルフダマスジド浜松静岡県浜松市2025

愛知県(掲載19件)

No.名称所在地設立・確認年
12名古屋モスク名古屋市中村区1998
20新安城モスク愛知県安城市2001
36豊田モスク愛知県豊田市2006
37名古屋港モスク名古屋市港区2006
47春日井モスク愛知県春日井市2007
57一宮モスク愛知県一宮市2008
66瀬戸モスク愛知県瀬戸市2010
69飛島モスク愛知県海部郡飛島村2011
72豊橋モスク愛知県豊橋市2012
96西尾モスク愛知県西尾市2017
119小牧マスジド愛知県小牧市2021
121アヤソフィヤジャーミイ愛知県津島市2022
144マスジド・インドネシア名古屋名古屋市港区2023
158マスジドアルヒダーヤ豊橋愛知県豊橋市2025
159トヨタシティーイスラミックセンター愛知県豊田市2025
160マスジドアッスンナー碧南愛知県碧南市2025
161Mavi Mescit 青マスジド愛知県北名古屋市2025
162愛知イスラミックカルチャーアソシエーション(AICA)マスジド名古屋市千種区2025
163東名古屋イスラミックセンター名古屋市昭和区2025

三重県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
59三重モスク三重県津市2009
85鈴鹿モスク(名称・鈴鹿が継続)三重県四日市市2011?

滋賀県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
108滋賀モスク滋賀県草津市2018
133能登川マスジド滋賀県東近江市2022

京都府(掲載5件)

No.名称所在地設立・確認年
33京都モスク京都市上京区2005
101綾部モスク京都府綾部市2017
102八幡モスク京都府八幡市2017
135アル・フダ・モスク京都府京都市伏見区2022
136京都中央マスジド京都府京都市左京区2022

大阪府(掲載7件)

No.名称所在地設立・確認年
24大阪中央モスク大阪市西淀川区2001
43大阪茨木モスク(新築 2023)大阪府茨木市2007
100和泉モスク大阪府和泉市2017
106大阪イスラミックセンター大阪府西淀川区2017(2011)
117ジャパンダアワセンター大阪府大阪市住吉区2020
126マスジド・イスティクラル大阪大阪府大阪市西成区2022
145マスジド・インドネシア大阪大阪府泉南市2023

兵庫県(掲載3件)

No.名称所在地設立・確認年
1神戸モスク兵庫県神戸市中央区1935
104兵庫モスク兵庫県神戸市2017
107三木モスク兵庫県三木市岩宮2018

奈良県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
124奈良マスジド奈良市南京終町 2−2022

和歌山県(掲載0件)

今回基礎資料とした「全国モスク(マスジド)リスト 2025年度版」では、2025年7月15日時点で掲載を確認できなかった。小規模な礼拝所(ムサッラー)や、その後に開設された施設まで存在しないことを意味するものではない。

鳥取県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
78鳥取モスク鳥取県鳥取市2014

島根県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
75島根モスク島根県松江市2013

岡山県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
54岡山モスク岡山県岡山市北区2008
146マスジド・インドネシア倉敷岡山県倉敷市2023

広島県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
71東広島モスク広島県東広島市2012
98三原モスク広島県三原市2017

山口県(掲載0件)

今回基礎資料とした「全国モスク(マスジド)リスト 2025年度版」では、2025年7月15日時点で掲載を確認できなかった。小規模な礼拝所(ムサッラー)や、その後に開設された施設まで存在しないことを意味するものではない。

徳島県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
49徳島モスク徳島県徳島市2008

香川県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
21高松モスク*〔閉鎖〕香川県高松市2001
134香川マスジド香川県坂出市2022

愛媛県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
29新居浜モスク愛媛県新居浜市2003

高知県(掲載0件)

今回基礎資料とした「全国モスク(マスジド)リスト 2025年度版」では、2025年7月15日時点で掲載を確認できなかった。小規模な礼拝所(ムサッラー)や、その後に開設された施設まで存在しないことを意味するものではない。

福岡県(掲載3件)

No.名称所在地設立・確認年
58福岡モスク福岡県福岡市東区2009
122北九州モスク(北九州イスラム文化交流センター)福岡県北九州市若松区2022
150糸島マスジド福岡県糸島市2023

佐賀県(掲載0件)

今回基礎資料とした「全国モスク(マスジド)リスト 2025年度版」では、2025年7月15日時点で掲載を確認できなかった。小規模な礼拝所(ムサッラー)や、その後に開設された施設まで存在しないことを意味するものではない。

長崎県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
142長崎モスク長崎県長崎市2023

熊本県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
73熊本モスク熊本県熊本市中央区2013

大分県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
53別府モスク大分県別府市2008
113中津モスク大分県中津市2020

宮崎県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
123宮崎マスジド宮崎県宮崎市2022

鹿児島県(掲載1件)

No.名称所在地設立・確認年
80鹿児島モスク鹿児島県鹿児島市2014

沖縄県(掲載2件)

No.名称所在地設立・確認年
81沖縄モスク沖縄県中頭郡不詳
118沖縄マスジド(沖縄イスラミックカルチャーセンター)沖縄県中頭郡2020

1990年まで全国4か所 その後モスクは急増

宗教社会学の研究によると、1990年まで日本国内で確認されていたモスク・イスラム礼拝施設は、神戸モスク、東京回教礼拝堂(現在の東京ジャーミイ)、バライ・インドネシア礼拝所、アラブ・イスラーム学院の4か所だった。

1990年代に入ると、仕事、留学、研究などで来日するムスリムが増え、各地で金曜礼拝のための場所が必要になった。当初はアパートの一室や公共施設を借りるケースも多かったが、地域のムスリムが資金を集め、既存建物を取得・改修して恒久的なモスクを開設する動きが広がった。

1991年には埼玉県春日部市の一ノ割モスクが開設。研究では1999年に全国15か所、2020~2021年頃には113か所まで増えたと整理されている。滞日ムスリム調査プロジェクトは、2024年半ば頃には全国約150か所と推計していた。

2025年推計で日本のムスリム人口は約42万人

滞日ムスリム調査プロジェクトは、2024年末/2025年初時点の日本のムスリム人口を約42万人と推計している。

区分推計人口
外国人ムスリム36万3413人
日本人ムスリム約5万5000人
合計約42万人
日本総人口に占める割合約0.3%

同研究は、1990年以降の増加要因として、外国人ムスリムの就労・留学・研究、中長期滞在、永住・定住、日本人との結婚、技能実習や特定技能などを挙げている。近年は特にインドネシア国籍のムスリム増加が大きいとされる。

「モスク」と「ムサッラー」は同じではない

日本語ではイスラム礼拝施設をまとめて「モスク」と呼ぶことが多いが、実態には幅がある。

恒久的に礼拝を行うマスジドのほか、ビルの一室、店舗の一角、大学、空港、観光施設などに設けられた小規模な礼拝スペースは「ムサッラー」などと呼ばれることがある。

全国のムスリム向け礼拝場所をすべて数えれば、本記事の167項目より多くなる可能性が高い。そのため「日本のイスラム礼拝場所は167か所」と断定するのも正確ではない。

なぜ東京・愛知・埼玉・茨城に多いのか

モスクは、ムスリム住民の居住地や就労地域に近い場所に形成される傾向がある。

首都圏では東京だけでなく、埼玉、千葉、茨城、群馬などへ広く分布している。愛知県でも名古屋市だけでなく、豊田、豊橋、安城、一宮、瀬戸、小牧、津島、碧南、北名古屋など複数地域に確認されている。

これは大都市の中心部だけでなく、製造業、物流、農業、中古車関連事業など外国人労働者が多い地域にもムスリム・コミュニティが形成されてきたことを示す。

ただし、「モスクがある=その地域で問題が発生している」という意味ではない。施設数と治安・犯罪を直接結び付ける統計的根拠はない。

モスクは礼拝だけの施設ではない

日本のモスクは礼拝の場に加え、地域によっては次の機能も持つ。

  • 金曜礼拝・宗教行事
  • イスラム教育・子どもの学習
  • 日本語・生活情報の共有
  • 新しく来日したムスリムの生活相談
  • ハラール食品や宗教生活に関する情報交換
  • 災害時の相互扶助
  • 地域住民との交流会や見学会

研究でも、モスクが女性・子どもの支援や地域コミュニティ形成の拠点となる例が報告されている。

一方で地域社会との摩擦が生じる場合も

モスクが増えるにつれ、地域住民との交流だけでなく、交通、駐車、騒音、建築、土地利用、住民説明などを巡って摩擦が生じる事例も現れている。

2026年の神奈川県藤沢市では、宮原地区のモスク建設計画を巡り、生活環境や交通への影響を訴える請願・陳情が市議会に提出された。藤沢市議会の広報資料でも、モスク建設に関する陳情が審査されたことが確認できる。

一方、反対運動の中では事実確認されていない情報や宗教全体への一般化も拡散しやすい。交通量、駐車台数、騒音、開発許可といった客観的な項目と、宗教そのものへの評価は分けなければならない。

川越では無許可建築物を市が是正指導

埼玉県川越市では、市街化調整区域内に市の許可を得ず建築され、モスク等として利用されていた建物について、市が違反建築物として是正指導を行っている。

市は2026年6月、関係者に礼拝等を行わないことと敷地を封鎖することを求め、6月5日に門扉が施錠されていることを確認した。市は「宗教施設か否かに関わらず、市街化調整区域内での違反建築物は認めていない」と説明している。

この事例が示すのは、「モスクだから違法」なのではなく、宗教施設であっても都市計画法、建築基準法など日本の土地・建築ルールを守る必要があるという当然の原則である。

モスク建設に適用される日本のルール

モスクだけを対象にした全国共通の「モスク法」があるわけではない。新築・用途変更・増築などを行う場合、一般の建築物と同様に、立地や計画内容に応じて都市計画法、建築基準法、消防法、自治体条例などの適用を受ける。

用途地域では、地域ごとに建築可能な建物の用途や規模が制限される。宗教施設であっても、確認申請や開発許可が必要な場合には手続きを省略できない。

逆に、法令上適法な建築計画について、宗教がイスラム教であるという理由だけで行政が恣意的に不許可とすることもできない。

宗教法人でなければモスクを運営できないのか

モスクを運営する団体の法人形態は一様ではない。滞日ムスリム調査プロジェクトでも、イスラーム関係団体には宗教法人、一般社団法人など複数の法人形態があることが整理されている。

施設がモスクとして利用されていることと、その運営主体が宗教法人であることは同義ではない。個別施設の記事では、運営法人、土地所有者、建築確認、開発許可などを資料に基づいて確認する必要がある。

モスクと「土葬墓地」は別の制度

SNSではモスク建設の話題と土葬墓地が一体として語られることがある。しかし、モスクは礼拝施設、墓地は遺体・焼骨を埋葬・埋蔵する場所であり、法制度上は別である。

モスクが建設されたから、その敷地に自動的に土葬墓地を設けられるわけではない。墓地の新設・経営には「墓地、埋葬等に関する法律」や自治体の条例に基づく許可が必要となる。

したがって、「モスクができる=土葬墓地もできる」と断定するのは誤りである。土葬墓地計画が実際に存在するかは、個別案件ごとに確認すべきだ。

モスク増加をどう見るべきか

信教の自由を重視する視点

日本国憲法は信教の自由を保障している。適法な土地・建築計画の下で礼拝施設を設けることは、イスラム教に限らず宗教活動の一部である。地域交流や生活ルール周知の拠点として機能するモスクも存在する。

地域住民の生活環境を重視する視点

一方、大人数が定期的に集まる施設であれば、交通、路上駐車、騒音、避難経路、消防、周辺道路の容量などは宗教を問わず確認されるべきである。計画段階で住民へ十分な説明を行うことが、不要な摩擦を減らす。

法令順守を最優先する視点

最も明確な基準は国籍や宗教ではなく、日本の法令に適合しているかである。違反建築や無許可開発には宗教を問わず是正を求める一方、適法な施設は属性だけを理由に排除しない。この線引きを行政が一貫して行う必要がある。

JP News Focusでは今後「都道府県別モスク記事」を展開

全国親記事だけでは、各地域で実際にどの施設があるのか、建物規模、運営団体、開設経緯、周辺住民との関係までは確認できない。

そこでJP News Focusでは、施設数の多い地域から順次、都道府県別の記事を作成する予定だ。

  • 東京都のモスク一覧
  • 愛知県のモスク一覧
  • 埼玉県のモスク一覧
  • 茨城県のモスク一覧
  • 千葉県のモスク一覧
  • 群馬県のモスク一覧
  • 神奈川県のモスク一覧
  • 大阪府のモスク一覧

子記事では、単なる住所一覧ではなく、開設年、運営主体、建物の形態、地域との交流、報道されたトラブル・行政指導がある場合はその一次資料まで確認する。

クロ助とナルカの視点

新人記者ナルカ
167って聞くと、かなり増えた印象だね。

編集長クロ助
1990年まで4か所だったという研究と比べると、全国分布が大きく広がったのは確かにゃ。ただし167は原資料の掲載項目数で、閉鎖や計画中も含む点に注意にゃ。

新人記者ナルカ
モスクが増えれば地域トラブルも増えるの?

編集長クロ助
施設数だけでは言えないにゃ。問題が出た案件は、駐車、騒音、建築許可、土地利用など具体的な事実で検証するべきにゃ。宗教全体と結び付けるのは別問題にゃ。

新人記者ナルカ
土葬墓地も一緒にできるの?

編集長クロ助
自動的にはできないにゃ。モスクと墓地は別制度で、墓地には別の許可が必要にゃ。計画があるかは個別確認が必要にゃ。

編集部まとめ

  1. 全国リスト:滞日ムスリム調査プロジェクトの2025年度版には、2025年7月15日時点で167の番号付き項目が掲載されている。
  2. 注意:167には閉鎖済み、前身、計画中、恒久施設か未確認の項目が含まれ、現役モスク167施設という意味ではない。
  3. 最多地域:掲載数は東京都19、愛知県19、埼玉県17、茨城県12、千葉県9、群馬県8など。
  4. 歴史:1990年まで全国4か所だったとする研究があり、1990年代以降に急増した。
  5. ムスリム人口:2024年末/2025年初の推計は約42万人。外国人約36.3万人、日本人約5.5万人。
  6. 地域社会:モスクは礼拝だけでなく教育・相談・交流の拠点になる一方、交通、駐車、建築、住民説明を巡る摩擦が生じる場合もある。
  7. 法令:モスクも日本の都市計画法、建築基準法、消防法、自治体条例などに従う必要がある。
  8. 土葬:モスクと土葬墓地は別制度。モスク建設だけで土葬墓地が設置できるわけではない。
  9. 今後:JP News Focusでは本記事を親ページとして、都道府県別モスク一覧を順次作成・内部リンクする。

出典

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