静岡県森町で、在留期間を過ぎたまま日本に滞在していたとして、スリランカ国籍の男(30)が出入国管理及び難民認定法違反(不法残留)の疑いで逮捕された。報道によると、男はもともと学生ビザで在留していたが、2023年2月分の更新申請が認められず、その後も2026年6月25日まで約3年4か月にわたって不法に残留した疑いが持たれている。
事件は、警察官による職務質問をきっかけに発覚した。男は身分証を携帯しておらず、警察が男の家を捜索したところ、期限切れの身分証が見つかったという。男は容疑を認めているとされる。
本件は、凶悪事件ではない一方、在留資格の更新不許可後に長期間所在が把握されないまま滞在が続いた可能性を示す事案である。日本での外国人受け入れが拡大する中、留学ビザから不法残留へ移行するケースをどう早期に把握し、本人への相談支援と厳正な在留管理をどう両立させるかが問われる。
新人記者ナルカ


静岡・森町でスリランカ国籍の男を不法残留容疑で逮捕
報道によると、逮捕されたのはスリランカ国籍の男(30)で、2026年6月26日午前5時ごろ、不法残留の疑いで逮捕された。男の在留期間は2023年2月18日までだったが、2026年6月25日まで日本に滞在していた疑いがある。
警察は静岡県森町で男に職務質問をした際、身分証を携帯していなかったことから確認を進めた。男の家を捜索したところ、身分証が見つかったものの、期限が切れていたことが判明したという。
報道では、男はもともと学生ビザを取得し、何度か更新していたが、2023年2月分の更新申請が認められず、その後も不法滞在を続けたとみられている。男は容疑を認めているという。
現時点で、男が日本国内で就労していたか、どのように生活していたか、支援者や雇用先があったかは明らかになっていない。容疑段階であるため、今後の捜査や入管当局との連携を待つ必要がある。
事件の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 逮捕日 | 2026年6月26日午前5時ごろ |
| 発覚場所 | 静岡県森町 |
| 容疑 | 出入国管理及び難民認定法違反(不法残留)の疑い |
| 逮捕された人物 | スリランカ国籍の男(30) |
| 在留期限 | 2023年2月18日まで |
| 不法残留期間 | 2026年6月25日まで約3年4か月 |
| 発覚の経緯 | 警察官の職務質問で身分証不携帯が判明し、自宅捜索で期限切れの身分証を確認 |
| 認否 | 容疑を認めていると報じられている |
今回の特徴は、職務質問時の身分証不携帯から、在留期限切れが確認された点である。中長期在留者には在留カードの携帯義務があり、警察官などから提示を求められた場合には提示しなければならない。出入国在留管理庁も、中長期在留者には在留カードの受領・携帯義務が課されていると説明している。
不法残留とは何か
不法残留とは、在留期間が満了したにもかかわらず、在留資格の更新や変更、出国などの手続きを経ずに日本に残り続ける状態を指す。入国時に適法な在留資格を得ていたとしても、在留期間が過ぎれば適法な滞在ではなくなる。
今回の男は、もともと学生ビザで在留していたとされる。留学の在留資格は、日本の教育機関で学ぶことを前提に認められる資格であり、在籍状況、学業継続、経費支弁能力などが更新時に確認される。更新が不許可となった場合、原則として在留期限後に日本へ残り続けることはできない。
留学生本人にとっても、在留資格の更新不許可は生活基盤に直結する重大な問題である。そのため、学校、行政書士、自治体相談窓口、入管の相談機関などへ早期に相談し、出国、再申請、在留資格変更などの可否を確認することが重要になる。
全国の不法残留者数は6万8488人
出入国在留管理庁によると、2026年1月1日現在の本邦における不法残留者数は6万8,488人だった。2025年1月1日現在の7万4,863人から6,375人、率にして8.5%減少している。
減少傾向はあるものの、6万人を超える不法残留者が存在するという事実は、制度上の大きな課題である。不法残留が長期化すれば、本人は医療、雇用、住居、相談支援から遠ざかりやすくなる。同時に、地域社会にとっても、所在確認、就労実態、犯罪被害・加害の双方の把握が難しくなる。
| 時点 | 不法残留者数 | 前年との差 |
|---|---|---|
| 2025年1月1日現在 | 7万4,863人 | - |
| 2026年1月1日現在 | 6万8,488人 | 6,375人減、8.5%減 |
不法残留対策では、単に摘発を強めるだけでは不十分である。期限前の通知、学校や雇用先との連携、オンライン申請の進捗管理、相談窓口の利用促進など、制度から外れる前に対応できる仕組みが必要となる。
在留外国人は初の400万人超、スリランカは上位10か国に
一方で、日本の在留外国人数は大きく増えている。出入国在留管理庁によると、2025年末の在留外国人数は412万5,395人で、前年末から35万6,418人、9.5%増加し、初めて400万人を超えた。
国籍・地域別では、2025年末時点でスリランカが7万9,128人となり、前年末から1万5,656人増加して第9位となった。スリランカからの在留者が増える中で、留学、就労、特定技能、家族滞在など、どの在留資格で入国し、どの段階で不安定化しやすいのかを丁寧に確認する必要がある。
| 統計項目 | 2025年末の数値 |
|---|---|
| 在留外国人数 | 412万5,395人 |
| 前年末比 | 35万6,418人増、9.5%増 |
| 留学の在留資格 | 46万4,784人 |
| スリランカ国籍の在留者 | 7万9,128人 |
在留外国人の増加そのものを問題視するのではなく、制度の入口、在留中、更新時、離脱時の各段階で、管理と支援の両方を整えることが重要である。とくに留学生の場合、学校を離脱した後や更新不許可後の動きが見えにくくなると、不法残留の長期化につながりやすい。
留学生の不法残留を防ぐには何が必要か
留学生の在留管理では、本人だけでなく、教育機関、自治体、入管、地域の支援団体が一定の役割を持つ。日本語学校や専門学校、大学などは、在籍管理や出席状況、退学・除籍時の対応を適切に行う必要がある。
一方で、留学生本人が制度を理解していない場合もある。在留資格の期限、更新申請の時期、不許可時の対応、資格外活動の範囲、住所変更の届出など、日本の在留制度には細かな手続きが多い。日本語能力が不十分な場合、通知や説明を理解できず、結果として不適法な状態に陥る可能性もある。
出入国在留管理庁は、日本で生活する外国人向けに、生活・就労に必要な基礎的情報を多言語でまとめた「生活・就労ガイドブック」や、生活オリエンテーション動画を公開している。こうした情報を、入国時だけでなく、学校入学時、更新時、不許可時にも確実に届ける必要がある。
地域社会への影響と国益的示唆
不法残留は、単に「外国人本人の手続きミス」だけで済む問題ではない。日本国内で身分確認が難しい状態が長く続けば、適正な就労、税・社会保険、住居契約、医療アクセス、犯罪被害時の通報など、複数の制度から外れやすくなる。
国益の観点では、必要な外国人材を適正に受け入れるためにも、不法残留を放置しないことが重要である。制度を守って学び、働き、生活している多数の外国人にとっても、不法残留が広がれば受け入れ制度全体への不信につながる。
今回のように職務質問で発覚する事案は、地域警察による日常的な確認が在留管理の一端を担っていることを示している。ただし、摘発後の対応では、単に送還へ進むのか、未払い賃金や犯罪被害の有無、雇用主の関与などを確認するのかも重要である。不法残留者が違法就労や搾取の被害者になっている場合もあるため、捜査と保護の視点を分けて見る必要がある。
賛成・反対・中立の視点
厳正な摘発を求める視点
在留期限を過ぎたまま日本に滞在することは、制度の信頼を損なう。外国人受け入れを続けるためにも、更新不許可後の所在確認、不法残留の早期把握、悪質な雇用主やブローカーの摘発を徹底すべきだという立場である。
支援不足を指摘する視点
留学生や外国人労働者の中には、制度理解、日本語、相談先、生活費などの問題を抱え、更新不許可後に孤立する人もいる。摘発だけではなく、学校や自治体、入管による早期相談、帰国支援、適法な在留資格変更の案内が必要だという見方である。
中立的な視点
必要なのは、厳格な在留管理と早期支援の両立である。不法残留を放置すれば制度の信頼が損なわれる一方、制度から外れた人を完全に見えない存在にすれば、地域社会の不安や本人の困窮も深まる。期限管理、相談支援、学校・雇用先との連携を一体で整えることが現実的な対策となる。
クロ助とナルカの視点


















編集部まとめ
- 事件の概要:静岡県森町で、スリランカ国籍の男(30)が不法残留の疑いで逮捕された。報道では、在留期限は2023年2月18日までで、2026年6月25日まで約3年4か月不法に残留した疑いがある。
- 発覚の経緯:警察官の職務質問で身分証不携帯が分かり、自宅で期限切れの身分証が見つかったとされる。男は容疑を認めている。
- 制度上の論点:学生ビザ更新不許可後の所在確認、留学生への制度説明、学校・自治体・入管の連携が課題となる。
- 国益的示唆:外国人受け入れを持続可能にするには、不法残留を放置せず、厳正な在留管理と早期相談支援を両立させる必要がある。











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