不法滞在外国人の送還をめぐり、国費負担のあり方が改めて注目されている。FNNプライムオンラインは2026年2月、不法滞在外国人が約7万5,000人いると報じたうえで、護送官付きの強制送還には年間5億円以上の国費がかかっていると伝えた。
出入国在留管理庁の最新資料では、2026年1月1日時点の不法残留者数は6万8,488人で、前年から6,375人減少している。全体としては減少傾向にある一方、帰国を拒む送還忌避者や、護送官が同行する国費送還の負担は残っており、在留管理と税負担の両面から議論が必要だ。
新人記者ナルカ


不法滞在者7万5,000人超と報道、最新統計では6万8,488人
- 報道内容:FNNは2026年2月、不法滞在外国人が約7万5,000人いると報道
- 最新統計:入管庁は2026年1月1日時点の不法残留者数を6万8,488人と公表
- 前年同時期:2025年1月1日時点は7万4,863人
- 前年差:6,375人減少
- 論点:不法残留者数は減少しているが、送還忌避者や国費送還の負担が残る
- 送還費用:FNNは、護送官付きの強制送還に年間5億円以上の国費がかかると報道
数字の整理
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| FNN報道の不法滞在外国人 | 約7万5,000人 | FNNプライムオンライン 2026年2月2日 |
| 2025年1月1日時点の不法残留者数 | 7万4,863人 | 出入国在留管理庁 |
| 2026年1月1日時点の不法残留者数 | 6万8,488人 | 出入国在留管理庁 |
| 前年からの減少数 | 6,375人減 | 出入国在留管理庁 |
| FNN報道の国費送還費用 | 年間5億円以上 | FNNプライムオンライン 2026年2月2日 |
送還費用はなぜ税金負担になるのか
退去強制が決まった外国人の多くは、自費で出国する。入管庁の令和7年統計では、送還した7,563人のうち、自費出国は6,677人で全体の88.3%を占めている。つまり、すべての送還が税金負担になるわけではない。
問題となるのは、帰国に応じないケースや、暴れるおそれ、逃走のおそれ、健康状態や安全管理上の理由から護送官が同行するケースである。FNNによると、護送官付きの国費送還では、対象者本人の航空券だけでなく、複数の護送官の渡航費用も国費で賄われる。1回あたり数十万円から数百万円、年間では5億円以上の国費がかかっているとされる。
送還方法の違い
| 送還方法 | 概要 | 費用負担 |
|---|---|---|
| 自費出国 | 本人が費用を負担して出国する | 本人負担 |
| 国費送還 | 本人に資力がない、または送還に応じない場合などに国が費用を負担する | 国費負担 |
| 護送官付き送還 | 逃走・抵抗・安全管理上の理由で入管職員が同行する | 本人分に加え、護送官の渡航費も発生 |
「国費送還」は最後の手段
FNNの取材では、送還対象となる不法滞在者の9割は自費で帰国する一方、説得に応じない場合には政府が費用を負担して強制送還を行うと説明されている。さらに、護送官付きの国費送還は2025年6月からの3か月間で119人に上り、前年同期の約2倍に増加したと報じられた。
護送官が同行する送還は、単なる航空券手配ではない。対象者が抵抗する可能性、機内や空港での安全確保、送還先国での引き渡し手続などを含むため、人員と費用がかかる。国費送還は制度上必要な手段である一方、納税者負担を伴う以上、できる限り自発的な出国へ誘導する制度設計が求められる。
不法滞在と不法就労は結びつきやすい
不法滞在は、単に在留期限を過ぎて日本に残る問題だけではない。入管庁の令和7年統計では、退去強制手続等を執った外国人のうち、不法就労の事実が認められた者は1万3,435人で、全体の72.9%を占めた。
これは、不法残留者の多くが何らかの形で就労現場に入り込んでいる可能性を示す数字である。農業、建設、製造、飲食、清掃など人手不足分野では、不法就労が雇用側の都合と結びつきやすい。本人だけでなく、雇用主やあっせん者への対策が不可欠となる。
国民負担として見るべき論点
年間5億円以上という送還費用は、国家予算全体から見れば大きな割合ではない。しかし、納税者の視点から見れば、本来は法令に基づいて出国すべき人の送還に税金が使われることへの不満は当然に生じる。
特に、長期にわたり不法滞在した人、退去命令に応じない人、虚偽申請や犯罪歴のある人の送還に国費が使われる場合、制度への不信感は強まりやすい。外国人材の受け入れを続けるなら、入国時の審査、在留中の把握、期限切れ後の早期対応、雇用主への責任追及を一体的に強化する必要がある。
国益・社会安定の視点
日本は人手不足を背景に外国人材の受け入れを拡大している。一方で、不法滞在者が長期化し、送還に国費がかかる構造が続けば、国民の理解は得にくくなる。制度を守る外国人と、法令に反して残留する外国人を明確に分けることが重要だ。
国益の観点では、正規に在留し、納税し、地域社会に貢献する外国人を適切に受け入れる一方、不法滞在や不法就労については早期に発見し、迅速に処理する必要がある。送還費用を抑えるには、退去命令後に長期化させない運用、送還忌避への対応、自費出国の徹底、悪質な雇用主への摘発が欠かせない。
賛否・中立の視点
| 立場 | 主な見方 |
|---|---|
| 厳格対応を求める立場 | 不法滞在者の送還に年間5億円以上の国費が使われるのは納税者負担として重い。早期摘発と自費出国の徹底、雇用主への罰則強化が必要という見方。 |
| 慎重な見方 | 送還対象者の中には難民申請者や家族を日本に持つ人もいる。人道上の配慮や手続保障を軽視してはならないという見方。 |
| 中立的な見方 | 不法滞在への厳正対応と、保護が必要な人への適正審査を両立させる必要がある。費用負担の透明化と制度運用の迅速化が重要という立場。 |
クロ助とナルカの視点


















編集部でまとめ
- 事実確認:FNNは2026年2月、不法滞在外国人が約7万5,000人いると報じ、護送官付きの国費送還に年間5億円以上かかると伝えた。
- 最新統計:入管庁によると、2026年1月1日時点の不法残留者数は6万8,488人で、前年から6,375人減少している。
- 費用構造:送還者の多くは自費出国だが、帰国に応じないケースや護送官付き送還では国費負担が発生する。
- 制度課題:不法残留は不法就労と結びつきやすく、本人だけでなく雇用主やあっせん者への対策が重要となる。
- 国益的示唆:外国人材受け入れを持続可能にするには、正規滞在者を守りつつ、不法滞在者の早期把握、自費出国の徹底、悪質事案への厳正対応が必要である。











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