日本政府の公的統計では、通常「移民」という分類ではなく、「在留外国人」または「外国人労働者」として人数が集計されている。
出入国在留管理庁の令和7年末、2025年末統計によると、日本の在留外国人数は412万5,395人となり、初めて400万人を超えた。国籍・地域別では、中国が93万428人で最多、次いでベトナム68万1,100人、韓国40万7,341人、フィリピン35万6,579人、ネパール30万992人の順だった。
本記事では、検索上の表現として「移民が多い国」という言葉を使いながら、公的統計上は「在留外国人」「外国人労働者」として整理する。感情的な議論ではなく、どの国・地域の人が多く、どの在留資格で増えているのかを確認する。
新人記者ナルカ


結論:日本で人数が多い外国人は中国、ベトナム、韓国
令和7年末、2025年末時点で、日本に在留する外国人の国籍・地域別上位は次の通りである。
| 順位 | 国籍・地域 | 在留外国人数 | 全体に占める割合 | 前年末からの増減 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 中国 | 930,428人 | 22.6% | +57,142人 |
| 2 | ベトナム | 681,100人 | 16.5% | +46,739人 |
| 3 | 韓国 | 407,341人 | 9.9% | -1,897人 |
| 4 | フィリピン | 356,579人 | 8.6% | +15,061人 |
| 5 | ネパール | 300,992人 | 7.3% | +67,949人 |
| 6 | インドネシア | 266,069人 | 6.4% | +66,245人 |
| 7 | ブラジル | 210,014人 | 5.1% | -1,893人 |
| 8 | ミャンマー | 182,567人 | 4.4% | +47,993人 |
| 9 | スリランカ | 79,128人 | 1.9% | +15,656人 |
| 10 | 台湾 | 73,256人 | 1.8% | +3,109人 |
人数だけで見ると、中国が最多で、全体の約2割を占める。次にベトナムが続き、近年は技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務、留学など複数の在留資格で存在感を高めている。
一方、韓国は特別永住者が多く含まれるため、近年の労働力流入というより、歴史的経緯を含む在留構造として見る必要がある。ブラジルも日系人や定住者を含む「身分に基づく在留資格」が多く、就労制度で増えている国とは性質が異なる。
「移民」と「在留外国人」は同じではない
日本では、欧米型の移民政策を公式に掲げているわけではない。そのため、政府統計では「移民」という大分類ではなく、在留資格、国籍・地域、在留目的、就労状況などで外国人を把握している。
ただし、検索する一般読者の多くは、「移民」という言葉を、広く「日本に住む外国人」「日本で働く外国人」「長期的に日本に滞在する外国人」という意味で使っている。そのため、本文では公的統計上の用語を正確に説明する必要がある。
用語上の注意
本記事では、検索語として「移民が多い国」という表現を扱うが、統計上の人数は出入国在留管理庁の「在留外国人数」と厚生労働省の「外国人労働者数」をもとに整理している。
在留資格別に見ると「永住者」が最多
出入国在留管理庁の令和7年末統計では、在留資格別では「永住者」が94万7,125人で最も多い。次いで、「技術・人文知識・国際業務」が47万5,790人、「留学」が46万4,784人、「技能実習」が45万6,618人、「特定技能」が39万296人となっている。
| 順位 | 在留資格 | 人数 | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| 1 | 永住者 | 947,125人 | 長期定住層。就労制限がない。 |
| 2 | 技術・人文知識・国際業務 | 475,790人 | 専門職、オフィス職、通訳、技術職など。 |
| 3 | 留学 | 464,784人 | 大学、専門学校、日本語学校などで学ぶ外国人。 |
| 4 | 技能実習 | 456,618人 | 技能移転を名目とした実習制度。育成就労への転換予定。 |
| 5 | 特定技能 | 390,296人 | 人手不足分野で働く外国人材。 |
この表から分かるのは、日本にいる外国人を単純に「移民」とひとまとめにできないという点である。永住者、留学生、技能実習生、特定技能外国人、家族滞在、定住者では、日本社会との関わり方も、制度上の責任も大きく異なる。
外国人労働者で見るとベトナムが最多
「日本で働く外国人が多い国」という観点では、順位が少し変わる。厚生労働省の令和7年10月末時点の外国人雇用状況によると、外国人労働者数は257万1,037人で過去最多となった。
国籍別では、ベトナムが60万5,906人で最多、中国が43万1,949人、フィリピンが26万869人の順だった。
| 分類 | 最多国籍・地域 | 人数 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 在留外国人数 | 中国 | 930,428人 | 永住者、留学、技人国、家族滞在など幅広い。 |
| 外国人労働者数 | ベトナム | 605,906人 | 技能実習、特定技能、専門職など就労層が厚い。 |
| 特別永住者を含む歴史的定住層 | 韓国 | 407,341人 | 特別永住者が多く、近年流入型とは性質が異なる。 |
つまり、「日本に住む外国人が多い国」は中国、「日本で働く外国人が多い国」はベトナムと整理できる。
増加幅で見るとネパール、インドネシア、ミャンマーが目立つ
人数の多さだけでなく、前年からの増加幅にも注目する必要がある。令和7年末時点で、上位10か国・地域の中では、ネパールが前年末比で6万7,949人増、インドネシアが6万6,245人増、ミャンマーが4万7,993人増となっている。
この増加は、留学、特定技能、技能実習、家族滞在など複数の在留資格にまたがる。特にネパールは留学や家族滞在、インドネシアは技能実習・特定技能、ミャンマーは政治情勢や就労・特定活動など複数の要因が関係している可能性がある。
単に人数が増えていることではなく、地域社会が受け入れ体制を整えられているかである。日本語教育、住居、医療、学校、税・社会保険、交通ルール、防犯、雇用管理まで、人数の増加に合わせた制度運用が必要になる。
中国が最多である理由
中国籍の在留外国人は93万428人で最多である。背景には、地理的な近さ、留学、ビジネス、技術・人文知識・国際業務、永住、家族滞在など多様な経路がある。
中国籍の場合、単一の在留資格だけで説明することは難しい。留学生も多く、専門職・オフィス職も多い。さらに永住者や家族滞在も一定規模で存在するため、労働者としての流入だけでなく、生活基盤を日本に置く層も厚い。
一方で、人口規模が大きいからといって、特定国籍全体を一括りに評価することはできない。必要なのは、在留資格別、地域別、年齢層別、就労分野別に分けて見ることである。
ベトナムが労働者数で最多となる理由
ベトナムは在留外国人数では2位だが、外国人労働者数では最多である。技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務、留学からの就職など、労働市場との接点が大きい。
同時に、JP News Focusが継続的に扱っている外国人労働制度の課題とも関係が深い。技能実習生の失踪、仲介費用、在留資格の不正利用、試験不正、不法就労、職場トラブルなどは、特定の国籍全体の問題ではなく、制度運用上の課題として検証する必要がある。
受け入れが拡大するほど、送出機関、受入企業、監理団体、登録支援機関、自治体、入管当局の責任は重くなる。ベトナム人労働者が多いという事実は、同時に制度設計と監督体制の実効性が問われるということでもある。
韓国・ブラジルは「近年の移民流入」とは性質が違う
韓国籍の在留者は40万7,341人で3位だが、その中には特別永住者が多く含まれる。これは戦前・戦後の歴史的経緯に基づく在留であり、近年の人手不足対策として増えている技能実習や特定技能とは性質が異なる。
ブラジルも、日系人を中心とする定住者が多い。製造業地域を中心に長く日本で生活してきた層があり、地域によっては学校、医療、行政窓口、多言語対応などが長年の課題となっている。
したがって、「外国人が多い国ランキング」を見る場合も、単純に人数だけで比較するのではなく、その国籍・地域がどの在留資格に多いのか、どの地域に集中しているのか、どのような制度経路で日本に来ているのかを確認する必要がある。
日本社会への影響をどう見るべきか
在留外国人が400万人を超えたことは、日本社会の構造変化を示している。これは単なる一時的な観光客の増加ではなく、労働、教育、家族、地域生活、医療、学校、防犯、自治体行政に関わる問題である。
人口減少と人手不足が進む日本では、外国人材を一定程度受け入れる現実的必要性がある。一方で、受け入れ人数の増加だけを成果とする政策は危うい。地域社会への負担、社会保障、雇用条件、住環境、子どもの教育、日本語習得、犯罪被害・加害の予防まで含めて制度を設計する必要がある。
特に、外国人労働者が多い国では、送出国側の制度や仲介業者の実態も重要になる。多額の借金を背負って来日する構造があれば、失踪、不法就労、違法な副業、犯罪組織への接近リスクを高める恐れがある。
日本に必要なのは人数目標ではなく管理指標
外国人受け入れをめぐる議論では、「もっと受け入れるべきだ」「受け入れを止めるべきだ」という二択になりがちである。しかし、現実にはすでに多くの外国人が日本で暮らし、働いている。
重要なのは、人数の多寡だけではない。どの国から、どの在留資格で、どの地域に、どの産業へ、どのくらいの期間滞在し、税や社会保険にどう関わり、地域社会にどのような影響を与えているのかを継続的に確認することである。
JP News Focusでは、今後も国籍別、在留資格別、地域別、事件類型別にデータを整理し、感情論ではなく制度運用上の課題として外国人受け入れを検証する。
賛成・反対・中立の視点
受け入れ拡大を評価する視点
人手不足が深刻な産業では、外国人材なしに事業継続が難しい現場がある。介護、建設、農業、製造、外食、宿泊などでは、外国人労働者がすでに重要な担い手となっている。適正な雇用管理と日本語教育を前提に、必要な人材を受け入れるべきだという見方である。
受け入れ拡大に慎重な視点
急激な増加は、地域社会、医療、教育、治安、防犯、社会保障、住宅環境に負担を与える可能性がある。人数を増やす前に、在留管理、不法就労対策、送出機関の監視、自治体の受け入れ体制を整えるべきだという立場である。
中立的な視点
受け入れそのものを善悪で判断するのではなく、国籍別・在留資格別・地域別に実態を把握し、制度ごとのリスクと効果を検証する立場である。必要な人材は適正に受け入れ、制度悪用や地域負担には厳格に対応することが現実的な方向といえる。
クロ助とナルカの視点


















編集部まとめ
- 最多国籍:令和7年末の在留外国人数では、中国が93万428人で最多、次いでベトナム、韓国、フィリピン、ネパールの順だった。
- 労働者数:令和7年10月末の外国人労働者数では、ベトナムが60万5,906人で最多、中国、フィリピンが続いた。
- 用語の注意:日本政府の統計では、一般に「移民」ではなく「在留外国人」「外国人労働者」として集計される。
- 制度上の課題:人数の増加だけでなく、在留資格、地域集中、雇用管理、日本語教育、社会保障、治安・防犯上の論点をあわせて見る必要がある。
出典
- 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」2026年
- 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について 参考資料」PDF
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」2026年1月30日
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ 本文」PDF











コメント