広島県廿日市市で、在留期間の更新を受けずに日本に不法残留していたとして、広島県警は5月18日、いずれもベトナム国籍で、同市に住むかき養殖作業員の男4人を入管難民法違反の疑いで現行犯逮捕した。RCC中国放送によると、警察には「不審な外国人らが稼働している」との情報提供があり、捜査を進めていたという。
4人は2018年12月から2023年7月にかけてそれぞれ入国し、在留期間は1年から2年だったにもかかわらず、更新を受けずに不法に滞在していた疑いが持たれている。警察の調べに対し、4人はいずれも「間違いありません」と容疑を認めている。警察は4人が技能実習生として来日し、同じ職場で働いていたとみて、水産会社や関係先を捜索し、詳しい経緯を調べている。
新人記者ナルカ


広島・廿日市市でベトナム国籍のかき養殖作業員4人を逮捕
- 逮捕日:2026年5月18日
- 発生地:広島県廿日市市
- 逮捕容疑:入管難民法違反、不法残留
- 容疑者:いずれもベトナム国籍の男4人
- 職業:かき養殖作業員
- 居住地:広島県廿日市市
- 入国時期:2018年12月から2023年7月にそれぞれ入国
- 在留期間:1年から2年
- 供述:4人はいずれも「間違いありません」と容疑を認めている
- 捜査端緒:「不審な外国人らが稼働している」との情報提供
- 警察対応:水産会社や関係先を家宅捜索
経緯・時系列
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2018年12月〜2023年7月 | 4人がそれぞれ日本に入国。警察は技能実習生として来日したとみている。 |
| 在留期間中 | 在留期間は1年から2年だったとされる。 |
| 在留期限経過後 | 在留期間の更新を受けず、日本国内に不法残留した疑い。 |
| 捜査前 | 警察に「不審な外国人らが稼働している」との情報提供が寄せられる。 |
| 2026年5月18日 | 広島県警がベトナム国籍の男4人を入管難民法違反の疑いで現行犯逮捕。 |
| 同日午前 | 男らが働いていた水産会社や関係先に警察が家宅捜索。 |
水産会社への捜索で何が焦点になるのか
今回の事件では、逮捕された4人本人の不法残留に加え、働いていた水産会社側の雇用実態も焦点となる。報道では、警察が廿日市市の水産会社や関係先に家宅捜索に入ったとされており、在留カードの確認状況、雇用契約、給与支払い、住居の手配、技能実習先からの離脱の有無などが調べられる可能性がある。
外国人を雇用する事業者には、在留資格や在留期間、就労可能な活動内容を確認する責任がある。不法残留者と知りながら働かせた場合や、在留資格の確認を怠った場合、不法就労助長に問われる可能性もある。現時点で会社側の違法性は断定できないが、警察が関係先を捜索した以上、雇用管理の実態解明が重要になる。
捜査の主な焦点
- 4人の在留期限がいつ切れていたのか
- 在留カードや資格確認が行われていたか
- 水産会社が不法残留を認識していたか
- 技能実習先と実際の就労先が一致していたか
- 給与や住居の手配に第三者が関与していたか
- 同じ職場に他の不法残留者がいなかったか
かき養殖と外国人労働者、地域産業の課題
広島県は全国有数のかき産地であり、かき養殖や水産加工の現場では人手不足が課題となっている。地域産業を支えるため、外国人労働者や技能実習生が現場で働くケースも少なくない。
一方で、技能実習生として入国した外国人が、在留期間の更新を受けないまま働き続けていた場合、制度の趣旨から外れる。不法残留や不法就労が現場に入り込めば、適正に外国人を雇用している事業者との公平性が損なわれ、地域産業全体への信頼にも影響する。
入管統計から見る不法残留と不法就労
出入国在留管理庁の「令和7年の出入国在留管理業務の状況」によると、令和8年1月1日現在の不法残留者数は6万8,488人で、前年同時期から6,375人減少した。一方で、外国人入国者数は4,243万930人、在留外国人数は412万5,395人と、いずれも過去最高となっている。
また、入管庁の「令和7年における入管法違反事件について」では、退去強制手続等を執った外国人のうち、不法就労の事実が認められた者は1万3,435人で、全体の72.9%を占めている。不法残留は単なる在留期限切れにとどまらず、就労現場と結びつくケースが多い点が読み取れる。
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 令和8年1月1日時点の不法残留者数 | 6万8,488人 | 出入国在留管理庁 |
| 前年同時期からの減少数 | 6,375人減 | 出入国在留管理庁 |
| 令和7年の外国人入国者数 | 4,243万930人 | 出入国在留管理庁 |
| 令和7年末の在留外国人数 | 412万5,395人 | 出入国在留管理庁 |
| 令和7年の不法就労事実認定者 | 1万3,435人 | 出入国在留管理庁 |
| 退去強制手続等対象者に占める割合 | 72.9% | 出入国在留管理庁 |
国籍別ではベトナムが目立つ傾向
入管庁の令和6年統計では、入管法違反により退去強制手続等を執った外国人の国籍・地域は100か国・地域に及び、その中でベトナムが6,996人と最多で、全体の37.0%を占めたとされる。今回の廿日市市の事案もベトナム国籍の男4人による不法残留容疑であり、技能実習や就労現場との関係が改めて問われる。
ただし、国籍だけで事件の原因を断定することは避ける必要がある。重要なのは、技能実習制度、雇用管理、在留期間の把握、受け入れ企業側の確認体制が適切に機能していたかを検証することだ。
地域社会への影響
今回の事案では、「不審な外国人らが稼働している」との情報提供が捜査の端緒になった。地域の産業現場で、在留資格が不明な外国人が働いているとの疑念が生じれば、周辺住民や同業者に不安を与える。
一方で、かき養殖などの現場では、外国人労働者が実際に地域産業を支えている面もある。そのため、外国人労働者全体を問題視するのではなく、正規に働く人と、不法残留や不法就労に関与する者を明確に分ける必要がある。制度を守る外国人と事業者を守るためにも、不法就労を助長する仕組みの排除が求められる。
国益・社会安定の視点
日本の地方産業では、人手不足を背景に外国人材への依存が進んでいる。しかし、労働力確保を優先するあまり、在留資格の確認や雇用管理が形骸化すれば、制度への信頼は損なわれる。
国益の観点からは、必要な外国人材を適正に受け入れることと、不法残留・不法就労を厳格に排除することを両立させる必要がある。今回のような水産業の現場での摘発は、地方産業の人手不足と在留管理の現実が交差する事案であり、単発の逮捕にとどめず、雇用側・仲介側・制度運用まで検証することが重要だ。
賛否・中立の視点
| 立場 | 主な見方 |
|---|---|
| 厳格対応を求める立場 | 在留期限を過ぎたまま就労していた疑いがある以上、本人だけでなく雇用主や仲介者も調べるべきだという見方。 |
| 慎重な見方 | 地方産業の人手不足が背景にある可能性もあり、外国人労働者だけに責任を押し付けず、雇用環境や制度運用を確認すべきだという見方。 |
| 中立的な見方 | 不法残留は法令違反として厳正に扱う一方、正規に働く外国人と違法状態の者を分け、雇用管理の実態を冷静に検証すべきという立場。 |
クロ助とナルカの視点


















編集部でまとめ
- 事実確認:広島県警は5月18日、ベトナム国籍のかき養殖作業員の男4人を入管難民法違反、不法残留の疑いで現行犯逮捕した。
- 捜査端緒:「不審な外国人らが稼働している」との情報提供を受け、警察が捜査していた。
- 容疑内容:4人は2018年12月から2023年7月にそれぞれ入国し、在留期間1〜2年の更新を受けずに滞在した疑い。
- 供述:4人はいずれも「間違いありません」と容疑を認めている。
- 捜査焦点:警察は水産会社や関係先を捜索しており、雇用管理、在留資格確認、不法就労助長の有無が焦点となる。
- 国益的示唆:地方産業の人手不足対策と在留管理の厳格化を両立させ、正規雇用と不法就労を明確に分ける必要がある。











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