福井県知事の登録を受けずに子犬3匹を販売したうえ、飼育していた病気の犬に適切な治療を受けさせず衰弱させたとして、福井県警は韓国籍で福井市に住む飲食店経営の男(59)を動物愛護管理法違反の疑いで逮捕した。
福井テレビや福井放送の報道によると、男は2025年9月27日から10月26日までの間、吉田郡永平寺町松岡にある施設で、必要な登録を受けずにポーチュギーズ・ウォーター・ドッグの子犬3匹を販売した疑いが持たれている。子犬は1匹55万円から65万円で取引されたとみられる。
また、2026年6月16日から7月25日までの間、同じ施設で飼育していたバーニーズ・マウンテン・ドッグが病気になったにもかかわらず、適切な治療や保護を行わず衰弱させた疑いもある。犬はその後死亡した。男は無登録で販売していたことを認める趣旨の供述をしており、警察が詳しい経緯を調べている。
新人記者ナルカ


事件の概要
- 逮捕者:韓国籍、福井市四ツ井1丁目在住、飲食店経営の男(59)
- 容疑:動物の愛護及び管理に関する法律違反の疑い
- 施設所在地:福井県吉田郡永平寺町松岡
- 無登録販売の期間:2025年9月27日から10月26日まで
- 販売した犬:ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグの子犬3匹
- 販売額:1匹55万円から65万円とみられる
- 虐待容疑の期間:2026年6月16日から7月25日まで
- 衰弱した犬:バーニーズ・マウンテン・ドッグ1匹、その後死亡
- 施設の飼育数:約30匹とみられる
- 供述:無登録で販売したことを認める趣旨の供述
施設では約30匹の犬が飼育されていたとみられ、近隣住民から鳴き声などに関する苦情が寄せられていた。福井県動物愛護センターから虐待に関する通報を受けた警察が捜査を進め、無登録販売と病気の犬を適切に保護しなかった疑いが明らかになったと報じられている。
時系列で見る経緯
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年9月27日~10月26日 | 永平寺町松岡の施設で、県知事の登録を受けずに子犬3匹を販売した疑い。 |
| 2026年6月16日~7月25日 | 病気になったバーニーズ・マウンテン・ドッグに適切な治療や保護を行わず、衰弱させた疑い。 |
| 時期不明 | 近隣住民から犬の鳴き声などに関する苦情が寄せられる。 |
| その後 | 福井県動物愛護センターが虐待の疑いを警察へ通報。衰弱した犬は救出されたものの、その後死亡したと報じられる。 |
| 2026年9月7日 | 韓国籍の59歳男が動物愛護管理法違反の疑いで逮捕されたことが報じられる。 |
犬を販売する事業に必要な「第一種動物取扱業」の登録
環境省によると、動物の販売、保管、貸し出し、訓練、展示などを営利目的で業として行う第一種動物取扱業者は、動物の適正な取り扱いを確保するための基準を満たし、事業所の所在地を管轄する都道府県知事または政令指定都市の長の登録を受けなければならない。
犬や猫の販売、販売目的の繁殖を行う事業者には、犬猫等健康安全計画の策定と順守、獣医師との連携確保など、追加の義務が課される。登録制度は単なる事務手続ではなく、施設、管理者、飼養環境、動物の健康管理を行政が確認するための仕組みである。
環境省は、登録を受けずに第一種動物取扱業を営んだ場合、100万円以下の罰金の対象になると説明している。今回の報道では、男が子犬3匹をそれぞれ55万円から65万円で販売したとされており、反復継続した事業としての実態や、繁殖・仕入れ・顧客募集の方法も確認されるとみられる。
病気を治療せず放置する行為も動物虐待になり得る
動物虐待という言葉から、殴る、蹴る、故意に傷つけるといった積極的な暴行を想像しやすい。しかし環境省は、必要な世話を怠る、けがや病気の治療をせずに放置する、十分な餌や水を与えないといったネグレクトも虐待に含まれると説明している。
動物愛護管理法では、疾病にかかったり負傷したりした愛護動物について、適切な保護を行わないことなどにより虐待した場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となる。今回の容疑が最終的にどの条文に該当するかは、犬の病状、治療を受けさせなかった期間、飼育者の認識、獣医師へ相談できる状況だったかなどを踏まえて判断される。
犬が死亡したという結果は重いが、死亡と治療放置との因果関係も医学的に確認する必要がある。逮捕は有罪確定を意味せず、無登録販売以外の容疑について男がどのように説明しているかは、現時点の報道では明確になっていない。
約30匹の飼育と近隣苦情から見える問題
施設では約30匹の犬が飼育されていたとみられる。多数飼育では、頭数に応じた飼育スペース、清掃、給餌、運動、健康観察、繁殖管理、獣医療費、人員確保が必要になる。飼育者が管理できる範囲を超えると、病気やけがの発見が遅れ、感染症や悪臭、騒音などが広がるおそれがある。
近隣住民から鳴き声などの苦情が寄せられていた点も見逃せない。鳴き声だけで虐待を断定することはできないが、多数の犬を扱う施設の存在や異常を行政が把握するきっかけになる。今回は県動物愛護センターからの通報が警察捜査につながっており、住民、自治体、動物愛護部門、警察が情報を共有する重要性が示された。
高額な子犬取引で購入者が確認すべきこと
報道された販売価格は1匹55万円から65万円で、3匹合計では少なくとも165万円となる。価格が高いこと自体は違法ではないが、購入者は、販売業者の登録番号、事業所名、登録の有効期限、動物取扱責任者、犬の健康状態、ワクチン接種、マイクロチップ情報、親犬や飼育環境などを確認する必要がある。
SNSや知人の紹介だけで取引を決め、登録状況や健康情報を確認しなければ、病気や先天性疾患、契約トラブルが起きた際に販売者の責任を追及しにくくなる。正規に登録して基準を守る事業者を保護するためにも、無登録営業を見逃さないことが重要である。
国籍ではなく事業実態と飼育行為を確認する
逮捕された男は韓国籍と報じられているが、事件の本質は、必要な登録を受けていたか、病気の犬へ適切な治療を行ったかという具体的な行為にある。韓国籍の住民や飲食店経営者全体へ問題を広げる根拠はない。
一方、日本で動物販売事業を営む以上、経営者の国籍にかかわらず、日本の登録制度、飼養管理基準、動物虐待を禁じる法令を守らなければならない。外国人事業者に対しては、開業時の多言語案内を整備するとともに、無登録営業や虐待が疑われる場合は例外なく調査・処分する仕組みが必要である。
厳格対応・慎重判断・制度改善の視点
厳格な処分を求める視点
命を扱う販売事業で登録を受けず、病気の犬を治療せず衰弱させた疑いが事実であれば、動物の苦痛と購入者被害の両面から厳しい対応が必要だという見方である。施設にいた他の犬についても、健康状態や販売履歴を確認すべきだとの意見が考えられる。
事実関係を慎重に確認する視点
無登録販売については認める趣旨の供述が報じられている一方、病気の犬を適切に保護しなかった容疑に対する詳しい認否は明らかでない。犬の死因、治療可能性、飼育者の認識などを捜査したうえで刑事責任を判断する必要がある。
行政の監視と購入者保護を強化する視点
登録業者の定期確認だけでなく、SNS販売、口コミ販売、多頭飼育施設など、表から見えにくい取引を把握する仕組みが求められる。購入前に登録情報を簡単に確認できる公開制度や、異常を感じた住民・購入者が相談しやすい窓口も重要である。
クロ助とナルカの視点












編集部まとめ
- 事件の要点:無登録で子犬3匹を販売し、病気の犬へ適切な治療を行わず衰弱させた疑いで、韓国籍の59歳男が逮捕された。
- 販売状況:ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグの子犬3匹が、1匹55万円から65万円で取引されたとみられる。
- 虐待容疑:バーニーズ・マウンテン・ドッグ1匹が病気になった後も適切に保護されず、犬はその後死亡した。
- 制度上の論点:犬猫販売業者には第一種動物取扱業の登録や健康安全計画、獣医師との連携などが求められる。
- 今後の焦点:犬の死因と治療放置の因果関係、約30匹の健康状態、販売履歴、施設の運営実態が確認される。
出典
- 福井テレビ/FNNプライムオンライン「病気の犬に治療受けさせず衰弱 無登録で子犬3匹を販売」2026年9月7日
- 福井放送/日テレNEWS NNN「無許可で犬3匹を販売 韓国籍の男(59)を無登録営業などの容疑で逮捕」2026年9月7日
- 環境省「第一種動物取扱業者の規制」
- 環境省「虐待や遺棄の禁止」
- e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」
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