大阪市天王寺区の地下街「あべちか」で2026年6月、ベトナム国籍の女性が刃物のようなもので胸や首などを刺され、現金約22万円などが入ったバッグを奪われた事件で、大阪府警は8月13日、強盗殺人未遂の疑いでベトナム国籍の男女2人を逮捕した。
逮捕されたのは、いずれもベトナム国籍で住居不定のロー・ニャット・タム容疑者(33)とレ・ティ・カン・リン容疑者(21)。報道によると、タム容疑者は無職、レ容疑者は専門学校生とされている。
警察によると、2人は6月10日午後7時40分ごろ、JR天王寺駅直結の地下街「あべちか」で、東京都板橋区に住むベトナム国籍の会社員女性(31)に背後から近づき、刃物のようなもので胸や首などを刺したうえ、現金約22万円などが入った手提げバッグを奪った疑いが持たれている。
女性は胸の傷が肺に達するなど全治約2週間のけがを負ったが、命に別状はなかった。
大阪府警は2人の認否を明らかにしていない。また、他にも共犯者がいるとみて捜査しており、複数人による計画的な犯行の可能性や、匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」との関係も調べている。
新人記者ナルカ


事件の概要
- 発生日:2026年6月10日
- 時間:午後7時40分ごろ
- 場所:大阪市天王寺区・地下街「あべちか」
- 容疑:強盗殺人未遂
- 逮捕:2026年8月13日までに
- 逮捕者:ベトナム国籍の男女2人
- 被害者:ベトナム国籍の会社員女性(31)
- 被害:胸・首などを刺され全治約2週間
- 奪われた物:現金約22万円などが入ったバッグ
- 認否:大阪府警は明らかにしていない
被害女性は仕事で大阪へ
MBSによると、被害に遭った女性は東京都板橋区に住むベトナム国籍の会社員(31)で、仕事のため大阪を訪れていた。
事件当時はJR天王寺駅周辺で人と待ち合わせをしており、トイレを利用した後に襲われたとみられている。
女性は背後から近づかれ、胸や首などを刃物のようなもので刺されたとされる。胸の傷は肺にまで達していた。
現金約22万円入りのバッグを奪った疑い
容疑者らは女性を刺したうえで、現金約22万円などが入っていた手提げバッグを奪った疑いが持たれている。
大阪府警は、単なる傷害や窃盗ではなく、殺意をもって女性を襲い金品を奪った疑いがあるとして、強盗殺人未遂容疑を適用した。
ただし、逮捕段階であり、殺意や共謀内容が裁判で認定されたわけではない。最終的な罪名や刑事責任は今後の捜査・起訴・裁判で判断される。
防犯カメラを「リレー捜査」し容疑者を特定
警察は、事件現場周辺の防犯カメラ映像を分析し、容疑者らが使用していた車両を特定した。
その後、複数地点の防犯カメラをつなぐ「リレー方式」で追跡した結果、容疑者側が関東方面から大阪へ入り、事件後に再び関東方面へ戻っていたことを確認したという。
駅直結の地下街という人通りの多い場所で起きた事件だったが、防犯カメラ映像の積み重ねが容疑者特定につながった。
21歳女は事件後に出国
MBSによると、逮捕されたレ・ティ・カン・リン容疑者(21)は事件後、日本から出国していた。
その後、別の投資詐欺事件への関与が疑われ、2026年7月22日に成田空港から再来日した際、詐欺の疑いで逮捕されていたという。
今回の「あべちか」事件については、その後の捜査で強盗殺人未遂容疑が浮上し、あらためて逮捕された。
ただし、別の投資詐欺事件についても逮捕・捜査段階であり、有罪が確定しているわけではない。
他にも共犯者がいる可能性
大阪府警は、逮捕された男女2人以外にも事件に関与した人物がいるとみて捜査している。
報道では、実際に被害女性を襲った人物だけでなく、移動車両、見張り、連絡役など複数人が関与した可能性を警察が調べているとされる。
ただし、現時点で共犯者の人数や役割が公表されたわけではない。
警察「無差別ではない」とみて捜査
MBSによると、警察は被害女性が無差別に狙われたわけではないとみている。
被害女性と容疑者らの間に面識があったのか、なぜ女性が大阪にいる時間と場所を把握できたのか、現金を持っていることを知っていたのかなど、事件の背景を捜査する方針だ。
この点は、偶然通行していた女性を狙った「通り魔型」の事件とは性質が異なる可能性を示している。
「トクリュウ」による犯行の可能性も
警察は、複数人が関与している可能性や、関東から大阪へ移動して犯行後に再び戻っているとみられる点などから、匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」による犯行の可能性も視野に捜査している。
トクリュウは、従来型の暴力団のような固定的組織とは異なり、SNSなどを通じて離合集散しながら特殊詐欺、強盗、窃盗などに関与する犯罪グループを警察が指す呼称である。
ただし、今回の事件がトクリュウによる犯行だと確定したわけではない。現段階では「警察が可能性を調べている」という捜査情報として扱う必要がある。
外国人コミュニティ内で被害者も外国人
今回の事件では、逮捕された容疑者2人だけでなく、被害女性もベトナム国籍だった。
そのため、「外国人犯罪によって日本人が被害を受けた」という構図ではない。
外国人住民の増加に伴い、外国人が加害者となる事件だけでなく、外国人自身が犯罪被害者となるケースも当然増える。
外国人コミュニティ内部の金銭トラブル、人間関係、犯罪グループの問題が存在する場合、日本国内の警察・司法が適切に介入し、被害者を保護する必要がある。
日本語・在留資格だけでは防げない組織犯罪
外国人犯罪対策というと、日本語教育や生活ルール周知が注目されることが多い。
しかし、もし今回の事件が計画的な強盗や犯罪グループによる犯行だった場合、日本語教育だけで防止できる問題ではない。
犯罪収益、共犯関係、SNSでの連絡、海外との人脈、車両移動、出入国情報などを組み合わせた組織犯罪対策が必要となる。
出国・再入国時の捜査連携
今回、レ容疑者は事件後に出国し、再入国時に別の詐欺事件で逮捕されていたと報じられている。
国境を越えて移動する容疑者を捜査するには、警察、入管、税関、空港などの情報連携が重要となる。
外国籍であること自体を問題視するのではなく、重大事件の容疑者が出入国する場合に捜査情報をどう共有し、適切に身柄を確保するかが制度上の論点となる。
被害者保護も重要
外国人が犯罪被害に遭った場合、言語や在留手続への不安から、警察への相談をためらうケースも考えられる。
今回のような重大事件では、加害者側の捜査だけでなく、被害女性への医療、通訳、司法手続、生活支援なども必要となる。
外国人犯罪を論じる際には、外国人が被害者となる事件も同時に扱うことが、実態を正確に見る上で重要である。
強盗殺人未遂という重大容疑
今回適用されたのは強盗殺人未遂容疑である。
刃物のようなものを使い、胸や首など生命に関わる部位を攻撃したとされており、女性の胸の傷は肺まで達していた。
命に別状がなかったことは幸いだが、行為態様について警察が殺意を認定して捜査していることからも、重大事件として扱われていることが分かる。
厳正な捜査を求める視点
人通りの多い地下街で刃物を使った強盗事件が発生したことは、地域の安全に重大な影響を与える。
他に共犯者がいるのであれば、実行役だけでなく指示役、資金管理役、運転役など犯罪グループ全体を解明する必要がある。
警察がトクリュウの可能性まで視野に入れている以上、単独事件として処理せず、広域的な捜査が求められる。
クロ助とナルカの視点


















編集部まとめ
- 逮捕:大阪府警は8月13日、ベトナム国籍の男女2人を強盗殺人未遂の疑いで逮捕した。
- 事件:6月10日午後7時40分ごろ、天王寺駅直結の地下街「あべちか」で発生。
- 被害者:東京都在住のベトナム国籍会社員女性(31)。仕事で大阪を訪れていた。
- 被害:胸・首などを刃物のようなもので刺され、胸の傷は肺に達した。全治約2週間。
- 強奪:現金約22万円などが入ったバッグを奪われた。
- 捜査:防犯カメラのリレー捜査で車両を追跡し、関東―大阪間の移動を確認。
- 21歳女:事件後に出国し、7月22日の再入国時に別の詐欺容疑で逮捕されていた。
- 共犯:警察は他にも関与した人物がいるとみている。
- トクリュウ:匿名・流動型犯罪グループによる犯行の可能性も捜査中。
- 注意:2人の認否は公表されておらず、トクリュウ関与や被害女性との面識も未確定。
出典
- MBSニュース「強盗殺人未遂容疑でベトナム人の男女2人逮捕 JR天王寺駅直結の地下街『あべちか』」2026年8月13日
- 関西テレビ「『あべちか』で女性が刺されカバン奪われた事件でベトナム国籍の男女2人逮捕」2026年8月13日
- ABCニュース「大阪・天王寺『あべちか』女性刺傷事件でベトナム国籍の男女2人逮捕」2026年8月13日
- FNNプライムオンライン「天王寺駅近くの地下街『あべちか』で女性刺しバッグ奪った強盗殺人未遂の疑い」2026年8月13日
- 警察庁「匿名・流動型犯罪グループ対策」













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