佐賀県基山町の神社で、勝手に寝泊まりしていたとみられるネパール国籍の男が、入管難民法違反の不法残留容疑で現行犯逮捕された。サガテレビの報道によると、逮捕されたのは住居不定、職業不詳の22歳の男。男の在留期間は2026年5月19日までだったが、在留期間の更新や在留資格の変更を受けないまま、日本国内に残留していた疑いが持たれている。
事件が発覚したきっかけは、地域住民から警察に寄せられた「基山町の神社に外国人が住みついている」との通報だった。警察官が周辺を警戒し、神社の敷地内にいた男へ事情を聴いたところ、不法残留が確認されたとされる。男は「間違いありません」と容疑を認めており、警察は神社で寝泊まりするようになった経緯や、これまでの生活状況を調べている。
新人記者ナルカ


事件の概要
- 通報日:2026年8月1日
- 発生場所:佐賀県三養基郡基山町の神社
- 逮捕容疑:出入国管理及び難民認定法違反(不法残留)の疑い
- 逮捕者:ネパール国籍、住居不定、職業不詳の男(22)
- 在留期限:2026年5月19日まで
- 発覚のきっかけ:住民から「神社に外国人が住みついている」と110番通報
- 逮捕時の状況:警戒中の警察官が神社の敷地内で男を発見し、事情聴取後に現行犯逮捕
- 供述:報道によると「間違いありません」と容疑を認めている
- 警察の捜査:神社で寝泊まりしていたとみて、生活状況や経緯を調査
男の在留期限は5月19日で、逮捕された8月1日までは74日間が経過していた計算になる。ただし、報道では男がどの在留資格で来日したのか、更新しなかった理由、失職や困窮など生活状況の変化があったのかについては明らかにされていない。
時系列で見る事件の経緯
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年5月19日 | 男に認められていた在留期間が満了。 |
| 5月20日以降 | 在留期間の更新や在留資格変更を受けないまま、日本国内に残留した疑い。 |
| 8月1日 | 基山町の住民が「神社に外国人が住みついている」と警察へ通報。 |
| 同日 | 警察官が神社周辺を警戒し、敷地内にいた男を発見。事情聴取後、不法残留容疑で現行犯逮捕。 |
| 8月4日 | サガテレビが逮捕を報道。警察が神社で寝泊まりしていた経緯を調べていると伝えた。 |
今回問題となった「不法残留」とは
外国人が日本に滞在できる期間は、在留資格や入国時の許可内容に応じて定められている。引き続き日本に在留する場合は、原則として在留期間が満了する前に更新許可や在留資格変更許可などの手続きを行わなければならない。
在留期間が過ぎたにもかかわらず、更新や変更の許可を受けずに国内へ残る行為は不法残留となる。不法残留は単なる行政上の手続漏れではなく、入管法上の犯罪であり、刑事処分と退去強制手続の双方が問題となる可能性がある。
入管法第70条では、在留期間の更新や変更を受けないまま在留期間を経過して国内に残留した者について、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、あるいはその両方を科すことができると定めている。実際の処分は、残留期間、生活状況、過去の違反歴、ほかの犯罪への関与、捜査への対応などを踏まえて判断される。
逮捕後はどうなるのか
不法残留が確認された場合、警察による刑事事件の捜査とは別に、出入国在留管理庁による退去強制手続の対象となり得る。入管庁は、不法に入国した者や、許可された在留期間を超えて滞在する者など、入管法第24条に定める退去強制事由に該当する外国人を国外へ退去させる手続きを担当している。
一般的には、違反調査、入国審査官による違反審査、必要に応じた口頭審理や異議申出、法務大臣の裁決などを経て、退去強制の可否が判断される。事情によっては在留特別許可が検討される場合もあるが、不法残留が確認されれば自動的に在留が認められるわけではない。
また、一定の要件を満たす不法残留者が自ら出頭し、速やかに帰国する意思を示した場合には、収容を伴わない簡易な出国命令制度が適用される可能性がある。しかし今回の男は、住民通報を受けた警察の警戒で発見され、現行犯逮捕されている。出国命令制度が適用されるかは、今後の手続や個別事情によって判断される。
「神社で寝泊まり」と逮捕容疑は分けて考える必要
今回の報道では、男が基山町の神社で「勝手に寝泊まりしていたとみられる」とされている。一方、現時点で明らかにされている逮捕容疑は不法残留であり、建造物侵入や住居侵入、軽犯罪法違反などの別容疑で立件されたとは報じられていない。
神社の敷地や建物へ管理者の意思に反して立ち入り、退去要求に応じなかった場合などは、具体的な状況によって別の法的問題が生じる可能性がある。しかし、公開された情報だけでは、男がどの場所で寝泊まりしていたのか、神社側が把握していたのか、退去を求めていたのかは分からない
住民通報が不法残留の発覚につながった
今回の事件では、地域住民が普段と異なる状況に気付き、警察へ通報したことが発覚のきっかけとなった。神社や寺院、公園、空き家、公共施設などで見慣れない人物が長期間寝泊まりしている場合、施設管理上の問題だけでなく、事件や事故に巻き込まれている可能性、生活困窮、在留資格上の問題など、複数の事情が考えられる。
住民が自ら接触し、強制的に排除しようとすればトラブルになる危険がある。不審な状況を確認した場合は、緊急性に応じて110番通報または警察相談専用電話を利用し、施設の管理者にも連絡する対応が適切である。
国内の不法残留者は約6万8500人
出入国在留管理庁によると、2026年1月1日現在の国内の不法残留者数は6万8,488人だった。2025年1月1日時点の7万4,863人から6,375人、率にして約8.5%減少している。
また、2025年に退去強制手続などを執った外国人について、退去強制事由別では不法残留が1万7,031人で、全体の92.3%を占めた。不法残留は入管法違反の中でも大きな割合を占めており、在留期限の管理、更新手続の周知、早期把握が継続的な課題となっている。
在留期限切れを防ぐために必要な対策
本人への期限管理と手続周知
在留カードには在留資格や在留期間満了日が記載されている。外国人本人が期限を確認し、余裕を持って更新や変更を申請することが基本となる。病気、失職、学費不足、書類不足などで手続が難しい場合も、期限が過ぎる前に地方出入国在留管理官署や専門家へ相談する必要がある。
学校・雇用主・支援機関による確認
留学生を受け入れる学校や外国人を雇用する事業者は、在留カードの有効期間や就労可能な在留資格を確認しなければならない。退学、失職、転職など生活基盤が変化した外国人を支援機関につなぐことで、困窮から所在不明や不法残留に至る事態を防げる可能性がある。
行方不明後の把握と地域連携
住居を失い、神社や公園などで寝泊まりする状態まで悪化すれば、行政や支援機関が把握しにくくなる。入管、警察、自治体、学校、雇用主などが法令の範囲内で情報を共有し、所在確認と違反状態の早期解消を進める仕組みが必要となる。
厳正な法執行と事実に基づく対応を
在留期限は、日本国内で適法に生活するための基本条件である。期限を2カ月以上過ぎた状態で残留していた疑いが確認された以上、警察と入管当局が経緯を調べ、法令に基づいて適切に処理する必要がある。
同時に、なぜ住居を失い、神社で寝泊まりする状況に至ったのかを確認することも、再発防止には欠かせない。失職や退学、悪質な仲介業者、支援からの孤立などが背景にある場合、違反者本人の責任を問うだけでは同様の事案を防げない可能性がある。
日本社会の安全と在留制度への信頼を守るには、違反を見逃さない法執行、期限切れを防ぐ手続管理、地域住民が安全に通報できる体制を組み合わせることが重要である。
賛成・反対・中立の視点
取り締まり強化を求める視点
不法残留者が住居不定となり、地域施設で寝泊まりしている状況を放置すれば、防犯や施設管理への不安が高まる。在留期限を超過した者を早期に把握し、退去強制や刑事処分を含めて厳正に対応すべきだという考え方がある。
困窮者への支援を重視する視点
在留資格違反は看過できない一方、住居を失った背景に失職、病気、仲介業者とのトラブルなどがある可能性も否定できない。事情を調査し、帰国支援や相談窓口へつなぐことが、路上生活や犯罪被害の拡大を防ぐとの考え方がある。
法執行と予防を両立する中立的視点
違反確認後は法令に従って処理しつつ、学校や雇用主による在留期限確認、多言語相談、所在不明者の早期把握を強化する立場である。個別事件を国籍全体へ一般化せず、制度のどこで違反状態を防げたのかを検証する必要がある。
クロ助とナルカの視点


















編集部まとめ
- 事件の要点:佐賀県基山町の神社で寝泊まりしていたとみられるネパール国籍の22歳の男が、不法残留容疑で現行犯逮捕された。
- 発覚の経緯:住民から「神社に外国人が住みついている」と通報があり、警察官が敷地内で男を発見した。
- 在留状況:在留期限は2026年5月19日までで、更新や変更を受けず、逮捕日まで74日間が経過していた疑いがある。
- 報道上の注意:現時点の逮捕容疑は不法残留であり、神社への侵入など別容疑が成立したとの発表は確認できない。
- 制度上の課題:厳正な法執行に加え、在留期限の確認、失職・退学後の相談支援、住居喪失前の早期把握が必要である。
出典
- サガテレビ「『神社に外国人が住みついている』ネパール国籍の男逮捕 不法残留の疑い【佐賀県】」2026年8月4日
- Yahoo!ニュース掲載記事
- 出入国在留管理庁「本邦における不法残留者数について(令和8年1月1日現在)」
- 出入国在留管理庁「令和7年における入管法違反事件について」
- 出入国在留管理庁「退去強制手続と出国命令制度」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」













コメント