兵庫県警交通捜査課と神戸水上署などは2026年6月16日、知人の乗用車を自らのハイヤー会社で使う事業用車両であるかのように国土交通省へ虚偽申請したとして、中国籍の会社員の男(37)=大阪市西成区=を電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで再逮捕した。
神戸新聞の報道によると、男は2025年4月30日、実際には知人の車であるにもかかわらず、自身のハイヤー会社で使用する車両として虚偽の申請書を提出した疑いが持たれている。男は「全て正しい手続きでした」と容疑を否認している。
この事件は、神戸空港などで無許可のタクシー営業、いわゆる「白タク行為」を繰り返したとされる知人の事件から派生したものだ。県警は5月、道路運送法違反容疑で知人を逮捕し、その後、処分保留で釈放。男についても、自ら経営するハイヤー会社の名義を貸した疑いで逮捕し、起訴していた。
新人記者ナルカ


事件概要
- 発表日:2026年6月16日
- 容疑:電磁的公正証書原本不実記録・同供用
- 再逮捕された人物:中国籍の会社員の男(37)=大阪市西成区=
- 捜査機関:兵庫県警交通捜査課、神戸水上署など
- 疑いの内容:知人の乗用車を、自身のハイヤー会社で使う事業用車両であるかのように国土交通省へ虚偽申請した疑い
- 関連事件:神戸空港などで無許可タクシー営業、いわゆる白タク行為を繰り返したとされる知人の道路運送法違反事件
- 認否:男は「全て正しい手続きでした」と容疑を否認
事件の経緯・時系列
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年4月30日 | 男が国土交通省に対し、実際には知人の車である乗用車を、自身のハイヤー会社で使う事業用車両として申請した疑い。 |
| 2026年5月 | 兵庫県警が、神戸空港などで無許可のタクシー営業を繰り返したとして、知人を道路運送法違反容疑で逮捕。その後、処分保留で釈放。 |
| 同時期 | 中国籍の男も、自ら経営するハイヤー会社の名義を貸した疑いで逮捕され、起訴。 |
| 2026年6月16日 | 知人の車を事業用として虚偽申請した疑いで、男を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で再逮捕。 |
今回の再逮捕容疑は、単に違法な旅客運送をしたという疑いではない。国土交通省に提出される事業用車両の申請情報に虚偽があった疑いであり、行政記録の正確性を損なう行為として捜査されている。
電磁的公正証書原本不実記録・同供用とは何か
電磁的公正証書原本不実記録とは、公務員に対して虚偽の申立てを行い、権利や義務に関する公的な電磁的記録に事実と異なる内容を記録させる犯罪である。刑法157条は、公正証書原本不実記載等について、虚偽申立てにより公的記録へ不実の記録をさせた者を処罰対象としている。
同供用は、その不実な記録を用いる行為を指す。今回の事件では、知人の乗用車を自社ハイヤー会社の事業用車両として申請した疑いが問題となっている。事業用車両としての登録・申請情報は、利用者の安全、運行管理、事故時の責任、行政監督に関わるため、形式的な書類上の問題にとどまらない。
公的な車両情報や運送事業の申請情報は、事業者の安全管理体制を確認する前提となる。虚偽申請が疑われる場合、行政記録の信頼性だけでなく、利用者保護や正規事業者との公平性にも影響する。
白タク行為との関係
白タク行為とは、国の許可を受けずに、自家用車などで有償の旅客運送を行う違法行為を指す。道路運送法では、旅客自動車運送事業を営むには国土交通大臣の許可が必要とされ、自家用自動車による有償運送も一定の例外を除いて制限されている。
白タクが問題となる理由は、正規タクシーとの競争上の不公平だけではない。運転者の管理、車両点検、運行記録、事故時の補償、任意保険の適用範囲など、利用者の安全に直結する要素が不透明になりやすい。
今回の事件では、神戸空港などで無許可タクシー営業を繰り返した疑いのある知人が先に逮捕され、その後、会社名義を貸した疑いで中国籍の男が逮捕・起訴された。さらに、知人車両を事業用として申請した疑いが新たに浮上し、再逮捕に至ったとされる。
処分保留で釈放と不起訴は同じではない
報道では、白タク行為に関与したとされる知人は道路運送法違反容疑で逮捕された後、「処分保留で釈放」されたとされている。処分保留とは、起訴・不起訴などの最終判断を保留したまま身柄拘束を解く手続きであり、直ちに不起訴や無罪を意味するものではない。
一方、中国籍の男については、名義貸しの疑いで逮捕後に起訴され、今回さらに虚偽申請の疑いで再逮捕された。複数の容疑が別々に捜査されているため、読者は「白タク行為」「名義貸し」「虚偽申請」を分けて理解する必要がある。
なぜ名義貸しが問題になるのか
運送事業では、車両、運転者、営業区域、運行管理、整備管理などが一体として管理される。仮に許可を持つ会社の名義だけを使い、実態として別の人物や車両が運行していた場合、行政が把握している情報と実際の運行実態がずれる。
このずれは、事故時の責任所在を曖昧にし、利用者の補償にも影響する可能性がある。また、正規に許可を取り、運行管理者や整備管理者を置いている事業者から見れば、不公平な競争にもつながる。
外国人観光客が増える空港周辺では、言語の壁や土地勘のなさを背景に、無許可送迎や違法ハイヤーが入り込みやすい。神戸空港でも国際チャーター便の拡大などにより、空港アクセスを巡る需要が増える可能性がある。そうした地域では、利用者向けの注意喚起と、事業者側の監視強化が必要となる。
国益的視点:交通インフラの信頼を守るには
タクシーやハイヤーは、単なる移動サービスではなく、観光、空港アクセス、高齢者移動、地域交通を支える公共性の高いサービスである。無許可営業や名義貸しが広がれば、事故時の補償や運行管理が不透明になり、正規事業者の信頼も損なわれる。
日本の交通制度では、許可、登録、運行管理、点検整備、保険、苦情処理などが連動している。虚偽申請によってその仕組みが迂回されれば、利用者の安全だけでなく、制度全体の公平性が揺らぐ。
一方で、外国人運転者や外国人経営者を一括りにして疑うべきではない。正規に許可を取り、適法に事業を行う外国人事業者も存在する。問題にすべきは国籍ではなく、名義貸し、無許可営業、虚偽申請、運行管理の欠落といった具体的な違法行為である。
再発防止に必要な対策
車両と事業者情報の照合強化
事業用車両として申請された車両が、実際に申請事業者の管理下にあるかを確認する仕組みが重要になる。所有者、使用者、保険契約、運行記録、車庫、点検整備の情報を横断的に確認できれば、名義貸し型の違法営業を早期に把握しやすい。
空港周辺での白タク対策
空港、観光地、ホテル周辺では、外国人観光客を対象にした無許可送迎が発生しやすい。多言語で「正規タクシー・正規ハイヤーの確認方法」を示し、利用者側が違法サービスを避けられる環境を整える必要がある。
プラットフォーム・SNS経由の集客監視
近年は、電話や路上勧誘だけでなく、SNS、メッセージアプリ、旅行者向けコミュニティを通じて無許可送迎が募集される可能性がある。行政と警察は、実際の営業実態だけでなく、集客経路の確認も進めるべきだ。
賛成・反対・中立の視点
厳格な取り締まりを求める視点
白タクや違法ハイヤーは、事故時の補償、運行管理、利用者保護の点で重大なリスクがある。虚偽申請や名義貸しが疑われる場合は、関係者を含めて厳正に捜査し、再発防止につなげる必要があるという考え方である。
過度な一般化を懸念する視点
容疑者が中国籍であることを理由に、外国人事業者全体を疑うような受け止めは避けるべきだとの見方もある。容疑段階では推定無罪の原則があり、男も容疑を否認している。報道では、行為事実と国籍情報を切り分けて扱う必要がある。
制度改善を重視する中立的視点
今回のような事案では、個人の責任追及だけでなく、車両申請、名義貸し確認、空港周辺の監視、利用者への周知を組み合わせることが重要である。違法営業を排除しつつ、正規の外国人事業者や外国人運転者が不当に疑われない仕組みも必要となる。
クロ助とナルカの視点


















編集部まとめ
- 事件の要点:兵庫県警は2026年6月16日、知人の車を自社ハイヤー会社の事業用車両として国土交通省に虚偽申請した疑いで、中国籍の会社員の男を再逮捕した。
- 関連事件:神戸空港などで無許可タクシー営業を繰り返したとされる知人の事件から派生し、男は名義貸しの疑いでも逮捕・起訴されていた。
- 制度上の問題:事業用車両の申請情報が実態と異なれば、運行管理、事故時の補償、行政監督、正規事業者との公平性に影響する。
- 国益的示唆:空港・観光地周辺での白タク対策は、利用者安全、正規交通事業の保護、訪日客への信頼確保に直結する。
- 報道上の注意:男は容疑を否認しており、現段階では容疑段階。国籍ではなく、名義貸しや虚偽申請といった具体的行為を検証する必要がある。











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