三重県警名張署は2026年6月10日、兵庫県加古川市の70代女性から株式投資名目で現金700万円をだまし取ろうとしたとして、マレーシア国籍の住居不定、無職の男(45)を詐欺未遂の疑いで再逮捕したと発表した。
男は氏名不詳者らと共謀し、現場周辺で見張り役を務めた疑いが持たれている。女性宅には別件で警察官が訪問していたため、現金は渡らず、被害は未然に防がれた。名張署は男の認否を明らかにしておらず、指示役や他の実行役、余罪の有無を調べている。
新人記者ナルカ


マレーシア国籍の男を詐欺未遂容疑で再逮捕
- 発表日:2026年6月10日
- 事件発生日:2026年3月9日
- 被害発生地:兵庫県加古川市
- 捜査機関:三重県警名張署
- 容疑:詐欺未遂
- 容疑者:マレーシア国籍の男(45)
- 住所・職業:住居不定、無職
- 被害者:加古川市に住む70代女性
- 要求額:現金700万円
- 名目:株式投資
- 役割:現場周辺の見張り役とされる
- 供述:捜査に支障があるとして認否は非公表
事件の経緯・時系列
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年3月9日 | 氏名不詳者らが、加古川市の70代女性から株式投資名目で現金700万円をだまし取ろうとした疑い |
| 同日 | 別件で警察官が女性宅を訪問。現金の受け渡しには至らず、被害を回避 |
| 2026年3月13日 | 名張市内で発生した別の詐欺未遂事件を巡り、男を現行犯逮捕 |
| 逮捕後 | 通信アプリなどを解析し、加古川市の事件で男が見張り役を務めていた疑いが浮上 |
| 2026年6月10日 | 名張署が詐欺未遂容疑での再逮捕を発表 |
株式投資を名目に現金700万円を要求か
発表によると、男は2026年3月9日、氏名や所在が明らかになっていない複数の人物と共謀し、加古川市の70代女性から株式投資名目で現金700万円をだまし取ろうとした疑いが持たれている。
今回の報道では、電話やSNS、通信アプリなど、女性への具体的な勧誘手段は明らかにされていない。また、女性にどのような説明をして700万円を用意させたのか、現金を受け取る予定だった人物が誰なのかも公表されていない。
男は、女性宅や受け渡し場所の周辺で警察官の動きなどを確認する「見張り役」を務めていたとされる。詐欺グループでは、指示役、連絡役、見張り役、現金を受け取る役などに役割を分け、実行役が組織の全体像を把握できないようにするケースがある。
警察官の訪問で現金被害を回避
事件当日、女性宅には別件で警察官が訪れていた。このため、犯行グループは現金を受け取ることができず、700万円の被害は発生しなかった。
ただし、女性が実際に現金を準備していた経緯や、犯行グループが受け渡しを断念した際の状況については明らかになっていない。
高額な現金を自宅で手渡すよう求められた場合、投資会社や金融機関を名乗っていたとしても、詐欺を疑う必要がある。正規の株式投資で、面識のない人物が自宅を訪れて多額の現金を直接回収することは通常想定されにくい。
通信アプリの解析から見張り役が浮上
男は、加古川市の事件から4日後の2026年3月13日、三重県名張市内で発生した別の詐欺未遂事件を巡り、現行犯逮捕されていた。
名張署が男の使用していた通信アプリなどを解析したところ、加古川市の事件にも関与し、見張り役を務めていた疑いが判明したという。
現時点では、二つの事件が同一の指示役や詐欺グループによって実行されたのか、男がほかの地域でも同様の役割を担っていたのかは分かっていない。名張署は動機や余罪を含めて捜査を進めている。
詐欺未遂罪の法定刑はどうなるのか
刑法第246条は、人を欺いて財物を交付させた者について、10年以下の拘禁刑に処すると規定している。刑法第250条では詐欺罪の未遂も処罰対象とされている。2025年6月1日の拘禁刑導入後は、従来の「懲役」ではなく「拘禁刑」と表記される。
- 刑法第246条:人を欺いて財物を交付させた場合、10年以下の拘禁刑
- 刑法第250条:詐欺罪などの未遂行為も処罰対象
- 共犯関係:見張り役であっても、犯行を認識して共同で関与したと認定されれば、共犯として刑事責任を問われる可能性がある
ただし、今回の男がどこまで犯行計画を認識していたのか、どのような指示を受けていたのかについては、今後の捜査や刑事手続で判断される。逮捕段階であり、有罪が確定したわけではない。
投資名目の詐欺被害が深刻化
警察庁は2026年から、SNS型投資・ロマンス詐欺を特殊詐欺の一手口として整理している。警察庁が公表した2026年2月末時点の暫定値では、特殊詐欺全体の認知件数は6851件、被害額は約593億8000万円だった。
このうちSNS型投資詐欺は2087件、被害額は約289億3000万円に上り、前年同期から件数、被害額ともに増加している。
| 2026年2月末時点 | 認知件数 | 被害額 |
|---|---|---|
| 特殊詐欺全体 | 6851件 | 約593億8000万円 |
| SNS型投資詐欺 | 2087件 | 約289億3000万円 |
| SNS型ロマンス詐欺 | 903件 | 約89億5000万円 |
| ニセ警察詐欺 | 1387件 | 約135億3000万円 |
なお、今回の加古川市の事件については、SNSが勧誘に使われたとは報じられていない。このため、警察庁が分類する「SNS型投資詐欺」に該当するかは現段階では不明である。
外国人実行役と組織犯罪の実態解明が焦点
今回再逮捕された男はマレーシア国籍と報じられているが、国籍だけで犯罪の背景や組織との関係を判断することはできない。
一方で、住居不定の人物が県境を越えた複数の詐欺未遂事件に関与した疑いがある点は、捜査上の重要な論点となる。警察には、男個人の摘発だけでなく、通信アプリを使って指示を出していた人物、資金の回収経路、移動や宿泊を支援していた人物まで捜査を広げることが求められる。
外国籍の容疑者については、在留資格や入国経緯、国内での活動状況も確認対象となり得る。ただし、今回の報道では男の在留資格や在留状況は明らかにされておらず、不法滞在などと推測することはできない。
クロ助とナルカの視点


















賛成・反対・中立の視点
| 視点 | 主な考え方 |
|---|---|
| 取締り強化を求める立場 | 見張り役や現金回収役を含む末端の実行役を迅速に摘発し、通信履歴から指示役まで追跡すべきだとする見方 |
| 末端摘発だけでは不十分とする立場 | 実行役の逮捕を繰り返しても、海外や匿名通信上の指示役が残れば被害は減らないとする見方 |
| 中立的な視点 | 容疑者の国籍ではなく、在留状況、資金移動、通信記録、役割分担などの客観的証拠に基づいて組織構造を解明すべきだとする見方 |
編集デスクまとめ
- 事実確認:名張署は、加古川市の70代女性から株式投資名目で現金700万円をだまし取ろうとしたとして、マレーシア国籍の男を詐欺未遂容疑で再逮捕した。
- 被害防止:別件で警察官が女性宅を訪れたため、現金は犯行グループに渡らなかった。
- 捜査焦点:男は見張り役とされ、通信アプリの解析から関与が浮上した。指示役、現金回収役、他地域での余罪解明が焦点となる。
- 国益的示唆:県境を越えて動く組織型詐欺に対しては、末端の実行役だけでなく、通信・資金・移動経路を一体的に追跡する捜査体制が不可欠である。
出典
※本記事は警察発表を基にした報道内容を整理したものです。容疑者は逮捕段階であり、刑事裁判で有罪が確定したものではありません。











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