都道府県の2026年度当初予算案で、35都道県が外国人との共生に向けた新規事業や既存事業の拡充を盛り込んだことが、共同通信の調査で分かった。山陽新聞などが2026年3月28日に報じた。地域住民との交流、生活ルールやマナーの周知、日本語支援、防災対応などが柱となっている。
背景には、外国人労働者や在留外国人の増加がある。出入国在留管理庁によると、2025年末の在留外国人数は412万5395人となり、初めて400万人を超えた。厚生労働省の外国人雇用状況でも、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1037人で過去最多となっている。
新人記者ナルカ


外国人共生策を35都道県が強化
- 報道日:2026年3月28日
- 調査主体:共同通信
- 調査対象:47都道府県
- 内容:2026年度当初予算案における外国人との共生関連事業
- 結果:35都道県が新規事業または既存事業の拡充を盛り込む
- 主な柱:地域住民との交流、生活ルール周知、日本語支援、防災支援、相談体制整備
- 背景:外国人労働者の増加、地域住民の不安、排外意識の高まりへの危機感
調査結果の内訳
| 回答区分 | 都道府県数 | 内容 |
|---|---|---|
| 新規事業も拡充もある | 8県 | 福井、岡山など |
| 新規事業がある | 16都道県 | 新たな共生施策を2026年度予算案に盛り込む |
| 新規はないが拡充がある | 11県 | 既存の多文化共生事業を強化 |
| 合計 | 35都道県 | 外国人との共生関連施策を強化 |
背景にある在留外国人と外国人労働者の増加
外国人との共生施策が広がる背景には、全国的な在留外国人の増加がある。出入国在留管理庁の発表によると、2025年末の在留外国人数は412万5395人で、前年末から35万6418人増加し、初めて400万人を超えた。
また、厚生労働省が2026年1月30日に公表した「外国人雇用状況」の届出状況では、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1037人だった。前年から26万8450人増え、届出が義務化された2007年以降で過去最多となっている。
| 項目 | 最新数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 在留外国人数 | 412万5395人 | 出入国在留管理庁、2025年末 |
| 前年末比 | 35万6418人増、9.5%増 | 出入国在留管理庁、2025年末 |
| 外国人労働者数 | 257万1037人 | 厚生労働省、2025年10月末 |
| 前年増加数 | 26万8450人増、11.7%増 | 厚生労働省、2025年10月末 |
| 外国人雇用事業所数 | 37万1215カ所 | 厚生労働省、2025年10月末 |
生活ルール周知が自治体施策の柱に
共同通信の報道では、日本独自の生活ルールやマナーへの理解不足が、地域摩擦の一因になっていると指摘されている。ごみの分別、夜間の騒音、交通ルール、地域行事への参加、防災情報の理解などは、日常生活に直結する課題だ。
茨城県では、モスクや外国食材店など、外国人が集まる場所を巡回啓発員が訪れ、ごみの分別や夜間に大きな音を出さないことなどを周知する方針が報じられている。担当者は、すれ違いやトラブルの原因を解消したいとの考えを示している。






共生策は「支援」だけでなく「秩序維持」も必要
外国人との共生という言葉は、支援や交流の意味で使われることが多い。しかし、地域社会で重要なのは、受け入れ側だけが負担を抱える形にしないことだ。生活ルールを共有し、違反や迷惑行為には国籍を問わず同じ基準で対応することが、結果的に地域の安心につながる。
自治体が生活ルール周知を強化することは、外国人住民への支援であると同時に、日本人住民の生活環境を守る施策でもある。多文化共生を安定的に進めるには、行政、事業者、外国人本人、地域住民の責任分担を明確にする必要がある。
排外意識の高まりと行政の危機感
共同通信の記事では、専門家の見方として、排外意識の高まりを受け、自治体が危機感を抱き、住民との相互理解を深めようとしていると紹介されている。
ただし、地域住民の不安をすべて排外意識として片付けることは適切ではない。実際には、騒音、ごみ、交通、治安、学校、医療、防災など、生活現場での具体的な不安がある。自治体には、差別を防ぐ姿勢と同時に、住民の生活実感に基づく懸念を正面から扱う姿勢が求められる。
クロ助とナルカの視点


















賛否・中立の見方
| 立場 | 主な見方 |
|---|---|
| 肯定的な見方 | 人手不足が続く中、外国人住民や労働者は地域経済を支える存在になっている。生活支援や日本語支援、地域交流を強化することで、孤立や摩擦を防げる。 |
| 慎重な見方 | 外国人増加に対して、生活ルール、治安、社会保障、学校現場への負担などの懸念がある。支援策だけでなく、ルール違反への厳正な対応も必要。 |
| 中立的な見方 | 外国人との共生は、支援と管理を両立させる制度設計が必要。自治体は住民の不安を軽視せず、生活ルールの周知、相談体制、行政手続きの透明性を高めるべき。 |
編集部でまとめ
- 事実確認:共同通信の調査で、2026年度当初予算案において35都道県が外国人との共生に向けた新規事業や既存事業の拡充を盛り込んだことが分かった。
- 背景:2025年末の在留外国人数は412万5395人、2025年10月末の外国人労働者数は257万1037人で、いずれも過去最多となっている。
- 自治体施策:地域交流、日本語支援、防災支援に加え、ごみ分別、騒音、生活マナーなど具体的な生活ルールの周知が重視されている。
- 国益的示唆:外国人材を受け入れるなら、日本人住民の生活環境と地域秩序を守る仕組みを同時に整える必要がある。共生は支援だけでなく、ルール共有と責任の明確化が前提となる。











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