札幌市内で右折禁止の道路を右折しようとして警察官に止められた中国国籍の大学院生の男(25)が、スマートフォンに保存していた偽造された日本の運転免許証の画像を提示したとして、偽造有印公文書行使と無免許運転の疑いで逮捕された。
報道によると、男は中国の運転免許証は所持していたものの、日本の運転免許証は持っておらず、免許の取得履歴も確認されなかった。提示された画像は他人名義だったという。男は「偽造はしました」「運転はできると思った」などと話しているとされ、警察は過去の運転歴についても調べている。
新人記者ナルカ


事件概要:札幌市で偽造免許証画像を提示か
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発覚時期 | 2026年4月 |
| 逮捕報道 | 2026年6月15日 |
| 場所 | 札幌市北23条西4丁目付近 |
| 容疑 | 偽造有印公文書行使、無免許運転 |
| 容疑者 | 札幌市在住の中国国籍の大学院生の男(25) |
| 発覚の経緯 | 右折禁止の道路を右折しようとして、取り締まり中の警察官に停止を求められた |
| 提示したもの | スマートフォンに保存された偽造された日本の運転免許証の画像 |
| 捜査で判明した点 | 日本の運転免許証の取得履歴がなく、提示画像は他人名義だったとされる |
| 供述 | 「偽造はしました」「運転はできると思った」などと話していると報じられている |
HTB北海道ニュースによると、男は2026年4月、札幌市北23条西4丁目付近で右折禁止の道路を右折しようとしたところ、取り締まり中だった警察官に止められた。運転免許証の提示を求められた際、スマートフォンに保存された偽造された日本の運転免許証の画像を提示した疑いが持たれている。
その後の調べで、男には日本の運転免許証の取得履歴がなく、提示した画像は他人名義だったという。警察によると、男は中国の運転免許証は所持していたものの、日本の運転免許証は所持していなかった。
時系列:右折禁止の取り締まりから偽造画像の発覚へ
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年4月 | 札幌市北23条西4丁目付近で、男が右折禁止の道路を右折しようとしたとされる |
| 同時期 | 取り締まり中の警察官が停止を求め、運転免許証の提示を要求 |
| 提示時 | 男がスマートフォンに保存された偽造された日本の運転免許証画像を提示した疑い |
| その後 | 免許取得履歴がなく、提示画像が他人名義だったことが判明 |
| 2026年6月15日 | 偽造有印公文書行使、無免許運転の疑いで逮捕されたと報道 |
今回の事件は、重大事故や検問ではなく、右折禁止違反の取り締まりをきっかけに発覚したとされる。交通違反の確認過程で免許証提示を求められ、そこで偽造画像と無免許運転の疑いが浮上した構図である。
交通違反の程度だけを見ると一見小さな違反に見えるが、免許証の偽造画像を提示した疑いがある場合、問題は単なる交通反則にとどまらない。本人確認、行政文書の信頼性、無免許運転の常態化の有無まで捜査対象となる。
偽造有印公文書行使とは何か
運転免許証は、都道府県公安委員会が発行する公的な身分証明書である。氏名、生年月日、住所、顔写真、免許条件、有効期限などが記載され、交通取締りだけでなく、金融機関や携帯電話契約などでも本人確認資料として使われる。
刑法では、公文書を偽造・変造した場合や、偽造された公文書を真正なものとして使った場合に処罰対象となる。今回の逮捕容疑は「偽造有印公文書行使」であり、報道内容からは、偽造された日本の運転免許証画像を本物の免許証として警察官に提示した疑いがあるとみられる。
ポイントは、偽造したことそのものだけではなく、偽造された公的文書を本物のように示し、相手に内容を認識させる行為が「行使」として問題になる点である。
今回の特徴は、現物のカードではなく、スマートフォンに保存された「画像」を提示したと報じられている点だ。デジタル画像であっても、警察官に対して本物の免許証であるかのように示した場合、本人確認制度の信頼を損なう行為として厳しく扱われる可能性がある。
無免許運転の疑い:日本で運転できる免許の条件
道路交通法では、公安委員会の運転免許を受けないで自動車等を運転してはならないと定めている。日本国内で運転するには、原則として日本の運転免許証が必要である。
外国の免許証を持っている人が日本で運転する場合も、単に母国の免許証を持っていれば足りるわけではない。警察庁は、日本で運転するために必要な免許として、主に次のものを示している。
- 日本の運転免許証
- 道路交通に関する条約、いわゆるジュネーブ条約に基づく国際運転免許証
- 政令で定める一部の国・地域の外国免許証に、日本語翻訳文を添付したもの
警察庁によると、外国免許証に日本語翻訳文を添付して日本で運転できる対象は、スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、台湾などに限られている。今回報道された男は中国の運転免許証を所持していたとされるが、中国の免許証を持っていることと、日本国内で適法に運転できることは別問題である。
中国の免許証を持っていても、そのまま日本で運転できるとは限らない
今回の報道では、男は「中国の運転免許証は所持していた」とされている。しかし、日本で運転するには、日本の免許証への切替え、または日本で有効な国際運転免許証など、国内法上の条件を満たす必要がある。
外国免許から日本免許へ切り替える場合、警察庁は、外国免許取得後にその国などに通算3か月以上滞在していたこと、本人が申請すること、運転に必要な知識・技能の確認を受けることなどを案内している。JAFも、外国免許証が有効であること、取得後に当該国へ通算3か月以上滞在していたことなどを外免切替の条件として説明している。
したがって、「母国で免許を持っている」「運転経験がある」という認識だけで日本国内を運転すれば、無免許運転に該当するおそれがある。外国人住民や留学生に対しては、入国後早い段階で日本の運転制度を多言語で周知する必要がある。
画像提示型の偽造免許が持つリスク
従来、偽造免許証といえば、カード状の偽造物を所持・提示する事案が多く想定されてきた。しかし、今回の報道では、スマートフォンに保存された画像が提示された疑いがある。
この種の手口には、次のようなリスクがある。
- 偽造画像をSNSやメッセージアプリで容易に共有できる
- 他人名義の免許証画像を流用しやすい
- 一見すると身分証画像の提示に見えるため、確認側が油断しやすい
- 交通違反だけでなく、契約、宿泊、口座開設など本人確認全般に悪用される可能性がある
警察官による路上確認で発覚した今回の事案は、行政文書のデジタル画像をめぐる本人確認の脆弱性を示している。今後、偽造画像、加工画像、他人名義の身分証画像を使った不正行為への対応は、交通取締りだけでなく、民間事業者の本人確認にも関係する課題となる。
外国人留学生と交通ルール周知の課題
札幌市には多くの外国籍市民が暮らしており、札幌国際プラザは2025年1月1日現在で市内の外国籍市民が2万665人、全人口の約1%を占めると紹介している。留学生や就労者が増えるなか、生活上の移動手段として自動車を使う場面も増える。
一方で、外国で免許を持っている人が日本で運転できる条件は複雑である。ジュネーブ条約に基づく国際運転免許証、外免切替、翻訳文付きで認められる国・地域など、制度を正確に理解していなければ、本人が「運転できると思った」と認識していても違法運転になり得る。
ただし、制度が複雑であることは、偽造免許証画像を作成・提示する理由にはならない。分からない場合は、警察署、運転免許試験場、大学の留学生担当窓口、自治体の外国人相談窓口などに確認する必要がある。
今回の事件から見える制度上の論点
1. 外国免許制度の周知不足
外国人住民や留学生にとって、日本の運転免許制度は分かりづらい。自国免許、国際運転免許証、日本免許への切替え、翻訳文の扱いなどを、入学時・就職時・転入時に分かりやすく周知する仕組みが必要である。
2. 偽造身分証画像への対応
スマートフォン画像の提示は、実物カードの提示よりも真正性確認が難しい。本人確認を担う現場では、画像提示だけでなく、原本確認、IC情報、公式アプリ、照会手続きなど、複数の確認手段を組み合わせる必要がある。
3. 無免許運転の常態化確認
今回、警察は男の過去の運転歴についても調べている。仮に長期間にわたって無免許運転をしていた場合、単発の交通違反ではなく、日常的な制度違反として重く評価される可能性がある。
4. 大学・雇用先・地域での予防策
留学生や外国人労働者が日本で運転する場合、大学や雇用先も最低限の制度案内を行うことが望ましい。特に通学、通勤、アルバイト、配送、現場移動などで車を使う可能性がある場合は、免許確認と保険加入確認を徹底すべきである。
国益的視点:交通安全と本人確認制度の信頼を守る必要
日本社会にとって、運転免許証は単なる運転資格証ではない。交通安全を担保する資格証であると同時に、本人確認の重要な基盤でもある。偽造免許証画像が安易に使われれば、交通事故リスクだけでなく、契約・金融・宿泊・通信など幅広い分野の本人確認制度に影響する。
外国人受け入れが拡大するなかで、適正に制度を理解して生活する外国人が不利益を受けないためにも、偽造、なりすまし、無免許運転には厳正に対応する必要がある。一方で、単に処罰するだけでは再発防止にならない。日本で運転できる条件を多言語で明示し、違法運転に至る前に確認できる導線を整えることが重要である。
賛否・中立の視点
厳正な処罰を求める視点
偽造された日本の運転免許証画像を警察官に提示した疑いがある以上、単なる勘違いでは済まされないという見方がある。無免許運転は交通事故時の被害を拡大させるおそれがあり、偽造身分証は本人確認制度の信頼を損なうため、厳正な捜査と処分が必要だとする立場である。
制度周知の不足を指摘する視点
外国免許、国際免許、外免切替の制度は複雑で、日本人でも正確に説明するのは容易ではない。留学生や外国人住民に対し、大学、自治体、警察、国際交流団体が分かりやすく案内すべきだという意見もある。
中立的な制度改善の視点
今回の事案では、偽造画像提示という行為の重大性と、外国人住民への制度案内の不足を分けて考える必要がある。違法行為には厳正に対応しつつ、免許制度を知らなかった人が無免許運転に至らないよう、事前周知と相談窓口を整えることが再発防止につながる。
クロ助とナルカの視点


















編集部まとめ
- 事件の概要:札幌市の中国国籍の大学院生の男(25)が、偽造された日本の運転免許証画像を警察官に提示した疑いで逮捕された。
- 発覚の経緯:右折禁止の道路を右折しようとして取り締まり中の警察官に止められ、免許証提示を求められた際に発覚したとされる。
- 制度上の論点:中国の運転免許証を所持していても、それだけで日本国内を運転できるとは限らない。日本で有効な免許条件の理解が不可欠である。
- 国益的示唆:偽造身分証画像と無免許運転は、交通安全と本人確認制度の双方を揺るがす。厳正な法執行と外国人住民への多言語周知を両立させる必要がある。











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