日本キリスト教協議会(NCC)は2026年10月6日、在留許可等の手数料引き上げと永住許可制度の厳格化に抗議し、見直しを求める要望を法務大臣と出入国在留管理庁長官に送ったと公表した。添付された要望書は10月4日付。外国籍の信徒やその家族、海外から派遣される宣教師などの生活・活動への負担を訴えている。
新人記者ナルカ


NCCが求めた三つの見直し
要望書では、加盟する30の教会・団体に多様な国籍の人が集い、日本で暮らす外国籍の信徒や家族、宣教師・教職者がいると説明。家族の複数人が更新を必要とする場合の負担や、小規模な教会が宣教師を招き在留を支えることへの影響を指摘している。
| 要望1 | 在留資格変更・更新、永住許可手数料の大幅引き上げの撤回・再検討 |
|---|---|
| 要望2 | 永住許可・取消しの厳格化の見直し |
| 要望3 | 影響を受ける外国籍住民や教会・市民団体などの意見を聴く場の設置 |
NCCは今回の変更を、外国籍住民への管理や排除を強めるものだと評価している。これは団体の見解であり、政府が示した制度目的と同一ではない。要望の提出によって、改定が撤回されたり、料金が変わったりしたわけではない。
永住許可手数料は原則20万円 申請日と減額に注意
入管庁の永住許可申請案内によると、許可時に必要な手数料は原則20万円。2026年9月30日までに受け付けた申請には、許可が10月1日以降になっても改定前の1万円が適用される。一定の要件を満たす場合の減額後の手数料は2万円とされている。
| 2026年10月1日以降の申請 | 永住許可時の手数料は原則20万円 |
|---|---|
| 9月30日までに受付した申請 | 許可が10月1日以降でも旧料金1万円 |
| 一定の要件を満たす場合 | 減額後の手数料は2万円 |
| 納付の時点 | 永住が許可されるとき |
NCCの要望書は、永住許可手数料が従来の20倍になったことを強く批判している。ただし、実際に納付する額を確認するときは、申請の受付日と減額要件を併せて見る必要がある。経済的に苦しいという事情だけで、すべての申請者が減額される仕組みではない。
入管庁は在留管理と受入れ施策の費用負担を説明
入管庁のQ&Aは、出入国・在留管理を強化する施策に必要な費用について、在留外国人に相応の負担を求めることが引き上げの理由だと説明している。行政のデジタル化、難民等の保護・支援、不法滞在者ゼロプランの推進に加え、日本語や日本の制度・ルールを学ぶプログラムの検討、情報発信や相談体制の強化などを挙げる。
手数料負担の適否を考える際には、負担額だけでなく、何に費用を使い、どのような改善につなげるのかも論点となる。団体が訴える生活や活動への影響と、政府が説明する費用負担の必要性を、それぞれ検証することが必要である。
編集部まとめ:国民負担と制度の実効性を検証したい
日本人の立場から見れば、在留管理や受入れに必要な行政費用を、誰がどの程度負担するのかは国民生活に関わる問題である。編集部としては、税金で支える費用と受益者が負担する費用を明確にし、増収が治安対策や制度運用の改善へ結び付いたかを政府が説明することを求めたい。
同時に、減額対象の判断や経過措置が分かりにくければ、正しく申請する人にも混乱が生じる。厳格な在留管理を進めることと、適用条件を明確にすることは両立させるべきだ。今回の要望を取り上げる際も、団体の主張を制度の決定事項として扱わず、金額・適用日・例外を一次資料で確認することが大切である。
出典
- NCC「在留許可等手数料の大幅引き上げと永住許可制度の厳格化に対する抗議と要望」2026年10月6日公表
- NCCの抗議・要望書(2026年10月4日付)
- 出入国在留管理庁「永住許可申請」
- 出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」
- 出入国在留管理庁「手数料の額の改定等に関するQ&A」
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