奈良市の80代男性から金塊1.8キログラム、約4258万円相当をだまし取ろうとしたとして、奈良県警は2026年9月25日、台湾出身で自称貸金業の女(31)を特殊詐欺未遂の疑いで現行犯逮捕した。女は被害品を回収する「受け子」とみられている。
男性はすでに9月9日、警察官や検察官を名乗る人物の指示に従い、金塊3キログラム、約7456万円相当を自宅玄関前に置き、だまし取られていた。さらに金塊を要求されたため購入しようとしたところ、不審に思った販売店が警察へ通報。警察の「だまされたふり作戦」により、受け取りに現れた女が逮捕された。
新人記者ナルカ


事件の概要
- 逮捕日:2026年9月25日
- 発生場所:奈良市内の80代男性宅
- 逮捕者:台湾出身、自称貸金業の女(31)
- 容疑:特殊詐欺未遂の疑い
- 未遂被害品:金塊1.8キログラム、約4258万円相当
- 先行被害:金塊3キログラム、約7456万円相当
- 手口:警察官や検察官を名乗り、「口座が不正に作られている」「逮捕を免れるため資金調査をする」などと要求
- 供述:女は「弁護士が来るまで何も話しません」と黙秘
事件の時系列
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年6月以降 | 男性宅に警察官や検察官を名乗る男から、資金調査を求める電話が繰り返しかかる。 |
| 9月9日 | 男性が指示に従い、自宅玄関前に金塊3キログラム、約7456万円相当を置き、何者かに持ち去られる。 |
| その後 | 追加の金塊を要求され、男性が販売店で購入しようとする。 |
| 販売店の対応 | 購入状況を不審に思った販売店が警察へ通報。被害が発覚する。 |
| 9月25日 | 警察が偽物の金属を用意して「だまされたふり作戦」を実施。受け取りに来た女を現行犯逮捕。 |
「逮捕を免れるための資金調査」は詐欺
犯人側は、男性名義の口座が犯罪に使われていると不安をあおり、「逮捕を免れるために資金を調べる」などと説明したとされる。警察庁は、警察官をかたる犯人が「あなたの口座が犯罪に使われている」「このままでは逮捕される」「預貯金を金塊に交換しなさい」と指示する手口に注意を呼びかけている。
警察官や検察官が、電話で金塊の購入や現金の移動を指示したり、自宅前に財産を置かせたりすることはない。相手が実在する警察署の名称や事件番号を示しても、電話をいったん切り、自分で調べた警察署の代表番号や110番、警察相談専用電話「#9110」に確認する必要がある。
販売店の通報が追加被害を防いだ
男性は一度目の被害後、追加で金塊を購入しようとしていた。販売店が購入理由や男性の様子を不審に思い、警察へ通報したことで、新たな約4258万円相当の被害が防がれた。
警察庁も、宝石・貴金属取扱事業者に対し、高額な金塊を購入する客へ購入理由を確認するよう求めている。「警察官から預貯金を金塊に変えるよう指示された」と話す客や、誰かと頻繁に電話しながら購入しようとする客は、特殊詐欺の被害者である可能性が高い。
先行被害との関係と組織の解明が焦点
逮捕された女は、今回の金塊1.8キログラムを受け取りに現れた疑いで逮捕された。9月9日に持ち去られた金塊3キログラムについても同じグループが関与した可能性があり、警察が関連を調べている。
特殊詐欺では、電話をかける「かけ子」、被害者宅へ行く「受け子」、回収品を運ぶ役、換金する役、指示役などが分担される。現場で受け子を逮捕しても、上位の指示役や被害品の流通先を特定しなければ、グループの活動を止めることは難しい。
台湾籍・台湾出身の受け子事件が続く
JP News Focusでは、警察官を装って高齢者から現金や金塊を受け取る事件で、台湾籍の人物が逮捕された事例を継続的に記録している。今回の逮捕者について報道は「台湾出身」としており、国籍や在留資格、入国時期は明らかになっていない。
捜査では、航空券や宿泊先、通信アプリ、送金先、過去の入出国記録を照合し、短期滞在者を受け子として来日させる越境型犯罪グループとの関係がなかったかを確認する必要がある。
高齢者と家族が取るべき対策
- 警察官や検察官を名乗る相手でも、金銭の話が出たら電話を切る
- 表示された電話番号を信用せず、公式番号へかけ直す
- 「逮捕される」「誰にも話すな」と言われたら家族や警察へ相談する
- 金塊、暗号資産、電子マネーへの交換指示には従わない
- 自宅玄関や公園などへ現金・貴金属を置かない
- 家族で合言葉や緊急連絡先を決めておく
賛成・反対・中立の視点
受け子と指示役の厳罰を求める視点
高齢者を長期間脅し、生活資産を金塊へ換えさせる手口は悪質である。受け子を末端として軽く見るのではなく、被害額と役割に応じて厳正に処罰し、背後の指示役まで摘発すべきだという考え方である。
逮捕段階での断定を避ける視点
女は黙秘しており、先行する約7456万円の被害への関与は捜査中である。現時点で確認できるのは、追加の金塊を受け取ろうとした特殊詐欺未遂容疑で逮捕されたという点までである。
官民連携を重視する中立的視点
販売店の通報が被害防止と逮捕につながった。警察、金融機関、貴金属店、家族が高額購入の異変を共有し、被害者を責めずに保護する仕組みを広げる必要がある。
クロ助とナルカの視点












編集部まとめ
- 事件の要点:台湾出身の31歳女が、奈良市の80代男性から金塊約4258万円相当をだまし取ろうとした疑いで現行犯逮捕された。
- 先行被害:男性は9月9日、金塊約7456万円相当をすでにだまし取られていた。
- 逮捕の経緯:高額購入を不審に思った販売店の通報と、警察の「だまされたふり作戦」が逮捕につながった。
- 注意点:警察や検察が資金調査として金塊、現金、暗号資産を要求することはない。
- 国益的示唆:越境型の特殊詐欺には、入国・通信・宿泊・換金経路を結び付けた捜査と、貴金属事業者を含む官民の被害防止網が必要である。
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