茨城県鉾田市内で、不法滞在外国人の摘発が相次いでいる。2025年11月中旬には、市内の隣り合う一軒家9カ所で外国人男女21人が一斉に摘発された。県は「外国人等へのルール遵守対策プロジェクトチーム」を設置し、不法就労への対応を強化する方針だが、現場では正規の技能実習生が犯罪に巻き込まれることへの懸念も強まっている。
新人記者ナルカ


不法滞在者の摘発状況
- 2025年11月中旬、鉾田市内の一軒家9カ所で外国人男女21人を一斉摘発
- 同市内では不法滞在外国人の検挙が継続的に発生
- 県は「外国人等へのルール遵守対策プロジェクトチーム」を設置
県内・鉾田署管内の摘発数推移
| 年 | 茨城県内 | 鉾田署管内 |
|---|---|---|
| 2023年 | 429人 | 42人 |
| 2024年 | 656人 | 71人 |
| 2025年 | 587人(10月末) | 95人(11月末) |
鉾田署管内の摘発数は県内でもワーストレベルで、新型コロナ禍前の水準に戻っているという。
不法滞在者の住居実態
市内で摘発された不法滞在者の住居は、一戸建て住宅、アパート、別荘などが目立つ。築30〜40年が経過し、日本人の借り手が少ない物件が多い。
一戸建て3LDKに複数人が居住し、各部屋に2〜3人ずつ住むケースも確認されている。
過去に自身の物件で不法滞在者の摘発を経験した市内の不動産業男性(60代)は、「初めてではない。またやられた、という感想だ」と語る。
さらに、「外国人にも貸してくれるという噂が広がり、友達の友達の紹介で来たという人が多い。1人で複数の物件を借り、また貸しして商売をしているケースもあった」と実態を明かした。
背景には「古い建物は外国人を入れないと埋まらない」という空き家問題もある。
在留資格・国籍別の傾向
茨城県で摘発された不法滞在外国人の在留資格(2020〜2024年)は以下の通り。
- 短期滞在:1007人(50.3%)
- 技能実習:727人(36.3%)
両資格で全体の8割超を占める。短期滞在はオーバーステイ、技能実習は賃金などへの不満から実習先を失踪し、不法就労を続けていたケースが多い。
国籍別では、2024年はタイ、ベトナム、インドネシアが上位を占め、カンボジア、中国が続いている。
就労と犯罪リスク
就労先はブローカーやSNS、既存の技能実習生からの紹介が多く、日雇いで正規と同程度の賃金を得ている例もある。勤務態度は真面目な者が多いとされる。
一方、交通事故発生時の責任所在が不明確になることや、犯罪グループとの接点が生じるリスクが問題視されている。
鉾田署幹部は「不法就労と犯罪グループが明確に分かれているわけではない」と指摘し、真面目な不法就労者や正規の技能実習生が犯罪に誘われる可能性を警戒する。
現場の声と警察の見解
市内で農業を営み、技能実習生3人を雇用する40代女性は、「不法滞在者には悪い評判が絶えない。うちの子たちが関わるようになったら困る」と不安を語る。
鉾田署の菊地雄一署長は「検挙活動を精いっぱい行っているが、先が見えない」としつつ、「真面目に技能を学ぶ実習生の生活を守るためにも、不法滞在を厳しく取り締まる姿勢は変わらない」と述べた。
県や市、事業者と連携した啓発活動の重要性にも触れ、「検挙と啓発の両輪で進めたい」としている。
編集部でまとめ
- 事実整理:鉾田市内で不法滞在外国人の摘発が常態化し、県内でも突出した水準。
- 背景要因:空き家問題、不法な又貸し、人づての就労ネットワーク。
- 国益的示唆:正規の技能実習制度を守るためにも、不法滞在・不法就労の遮断と住宅・雇用両面での対策が不可欠。











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