埼玉・大野知事、トルコ人へのビザ免除停止を要請
埼玉県の大野元裕知事は2025年8月、法務省に対しトルコ国籍者へのビザ免除制度を停止するよう要請した。県内の川口市や蕨市には多数のクルド人が居住し、地域での摩擦や治安不安がたびたび報じられてきた。知事は「地域住民の安心と安全を確保するための要望であり、国への政策提言だ」と説明した。
過去の感謝状問題と「豹変」批判
一方で、大野知事は過去にクルド人支援団体から感謝状を受け取ったとされる。この点について知事は「どの方からいただいたのか記憶にない」と述べたうえで、「豹変ではない」と釈明した。
感謝状と今回の要請が矛盾するとの批判に対し、「個別の交流と、自治体としての安全確保は切り離して考えるべきだ」と強調した。
この発言を受けてSNS上では、「手のひら返しだ」との批判と、「地域の現実を踏まえた当然の判断」との賛同が交錯している。
統計と地域背景
法務省入管庁の統計(2024年末)によると、日本に在留するトルコ国籍者は約1万2000人で、その約7割がクルド系とされる。難民認定申請の多くをトルコ国籍が占めるが、2023年時点の認定率は1%未満にとどまっている(法務省 2023)。
埼玉県川口市周辺では、交通違反や無免許運転、騒音トラブルなど地域生活をめぐる摩擦が報告され、住民から「生活環境の悪化」への懸念が強まっている。川口市議会でも過去に「地域治安に関する国の対応を求める意見書」が出された経緯がある。
SNSでの反応
X(旧Twitter)では議論が二分している。
・賛成派:「遅すぎるくらい。治安を守るためには当然の措置」
・批判派:「感謝状を受け取っていたのに豹変。人権や外交への影響はどうなるのか」
・中立派:「国と自治体の立場は違う。現場の限界を踏まえた判断だろう」
特に批判派からは「トルコとの外交関係を悪化させかねない」との指摘もあり、議論は地域治安の枠を超えて国際関係にも及んでいる。
論点と今後の課題
今回の要請は以下の三点に整理できる。
・一貫性:過去の感謝状授与との整合性をどう説明するか
・実務負担:地域住民・自治体の限界と治安確保
・国益:ビザ免除停止が外交・経済・国際評価に与える影響
今後、外務省や入管庁がこの要請にどう対応するかが焦点となる。自治体の声が国の移民政策にどのように反映されるのか、日本全体の議論に広がる可能性がある。
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