茨城県が2026年春から事務職の採用における「国籍条項」を撤廃する方針を示したことを受け、県内外の有志による反対署名活動が広がっている。署名の発起人は「県民の情報保全や公務の適正性確保のため、国籍条項は維持すべきだ」と主張。一方で、制度の背景や国際比較を踏まえた冷静な議論を求める声も上がっている。
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背景:茨城県が「事務職の国籍要件」を撤廃へ
茨城県の大井川知事は、2026年度採用試験から大卒・高卒程度の事務職について日本国籍要件を撤廃する方針を表明した。理由としては次の点が挙げられている。
- 人口減少で県庁職員の確保が難しくなっている
- 専門性をもつ外国人材の活躍の場を広げたい
- 自治体レベルでは国籍要件撤廃の例が徐々に増加
これに対し、一部の県民や全国の保守系支持層から「日本国籍を持たない人が公務員になることへの不安」が表明され、署名活動が始まった。
署名活動が指摘する“危険性”とは
署名の発起人は、国籍要件撤廃に対して次のような懸念を示している。
- スパイ防止法がない日本では情報流出リスクがある
- 宗教・文化差による行政対応の摩擦が起きうる
- 住民情報を扱う業務は国内の基準で守られるべき
こうした主張はSNSで拡散され、短期間で署名が一定数集まっている。
一方で指摘される「署名活動側の問題点」
署名活動そのものにも、専門家や行政関係者から次のような問題指摘が上がっている。
- 誤解を招きやすい表現 「すべての公務員業務が外国人に開放される」という誤解が一部に広がっているが、実際は ・警察官 ・自衛官 ・行政権限を行使する職 などは従来どおり国籍要件が維持される。
- 情報流出リスクと国籍は必ずしも一致しない 国籍よりも「業務における権限」「機密情報へのアクセス権」がリスク管理の本質。 住民情報はシステム的に監査可能で、国籍要件と直結しない場面も多い。
- “外国人排除”と受け取られやすい 過度に危機を強調する表現が、制度の冷静な議論を妨げるという指摘。
- 制度全体の比較・分析が不足している 他県や OECD諸国では一定の範囲で外国籍公務員を受け入れている事例もあり、 「茨城県だけが突出している」というわけではない。
こうした“署名活動側の論点の弱さ”が、賛否の分断を深めている側面もある。
国益視点:ポイントは“どこまで任せるか”の線引き
今回の議論で重要なのは、国籍で一括判断するか、業務ごとのリスクで線引きするかの選択だ。
- 機密性の高い行政業務は国籍要件を維持する(警察・防災・徴税など)
- 一般事務・研究職・専門職は国際人材活用を検討(少子化の労働力対策)
- 住民情報の扱いは技術的セキュリティの問題(監査システムの強化)
制度の是非は、単純な「賛成」「反対」ではなく、 どの職務を誰に任せるべきかという行政設計の問題として捉える必要がある。
新人記者ナルカ国籍で一律に線を引くか、職務内容で細かく分けるか…。判断も難しいね。



にゃ。だからこそ、制度の目的や安全性を明確にし、県民の安心につながる説明が重要にゃ。
編集部まとめ
- 茨城県の「事務職の国籍要件撤廃」発表を受け、反対署名活動が拡大。
- 活動側は「情報流出や文化摩擦のリスク」を主張。
- 一方で、制度誤解や過度な危機訴求など、署名活動側の弱点も指摘されている。
- 国益的示唆:重要なのは“任せる職務範囲”の設計と説明責任。県が丁寧な情報提供を行うことが社会安定につながる。











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