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外国人技能実習生の労働災害が相次ぐ中、福岡市で安全意識の向上を目的とした安全衛生大会が開かれた。参加した実習生たちは「指差し確認」など日本の安全文化を学び、無事故の職場づくりを誓った。
目次
福岡市で外国人実習生300人が参加
11月9日、福岡市東区のマリンワールド海の中道で開かれた安全衛生大会には、福岡・佐賀・山口で働く外国人技能実習生約300人が参加した。主催は受け入れ監理団体で、製造業や建設業に従事する実習生らに対し、日常作業での安全点検と報告体制の徹底を呼びかけた。
参加した実習生は、現場での声かけや「1・2・3」と声に出して確認する“指差し呼称”など、日本式の安全確認を体験。母国語の通訳を交えながら、転倒・はさまれ事故などを防ぐポイントを共有した。
増え続ける外国人労災 背景に言語と教育の壁
厚生労働省の統計によると、2024年に労働災害で死傷した外国人技能実習生は1874人。製造業と建設業が全体の約7割を占めている。特に技能指導が日本語で行われるケースが多く、「注意喚起の伝達不足」「現場教育の形骸化」が指摘されている。
監理団体の担当者は「安全教育は受け入れ企業任せでは不十分。言語支援と理解度チェックを強化したい」と話しており、今後はベトナム語・インドネシア語など多言語教材の導入を進める方針だ。
制度改正と現場のギャップ
政府は2025年度から新たな外国人就労制度(育成就労制度)の導入を予定している。転籍条件の緩和など制度的改善が進む一方で、現場では「安全教育の標準化」「事故後の報告・補償体制」など、運用面の課題が残る。
特に小規模事業者では、作業手順書や危険予知訓練(KY活動)が十分に行われないケースもあり、制度と現実の乖離が指摘されている。
クロ助とナルカの視点
新人記者ナルカ労災って、やっぱり言葉の壁が大きいのかな?



にゃ。指示を日本語で受けて理解できなければ危険が増すにゃ。翻訳アプリや多言語マニュアルの整備が鍵にゃ。



安全大会って一日だけのイベントじゃ意味ないんじゃ?



確かににゃ。でも現場意識を変える“きっかけ”にはなるにゃ。継続的な教育と管理者の責任が本質にゃ。
編集部でまとめ
- 事実確認:福岡市で外国人技能実習生約300人が参加する安全衛生大会が開催。日常作業の安全点検を呼びかけ。
- 背景:労災による実習生の死傷者は年間1800人超。主因は言語・教育・管理体制の不備。
- 国益的示唆:外国人労働力の受け入れ拡大に伴い、安全教育の多言語化と実効的な労災防止策が不可欠。監理団体と企業の連携強化が求められる。
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