高市内閣が「買春行為の規制」に乗り出す可能性が浮上し、政界・世論で議論が広がっている。背景には、東京・湯島で発覚したタイ国籍の12歳少女の人身取引事件がある。未成年者が性的搾取の被害に遭い、少なくとも60人の客が関与していたとされる事案は、日本社会に大きな衝撃を与えた。
この事件を受け、11月11日の衆議院予算委員会で緒方林太郎議員が「売る側ではなく、買う側を罰する仕組みが日本にはない」と問題提起。高市早苗首相は、買春行為そのものを規制する法制度の検討を指示した。
新人記者ナルカ


事件が突きつけた現実
報道によれば、被害に遭った少女は母親に置き去りにされ、周囲から「入管に行けば捕まる」と吹き込まれながらも、最終的に自ら出入国在留管理庁を頼り、保護された。現代日本で未成年の外国人が人身取引の被害に遭っていた事実は、制度の隙間を露呈させた。
経営者は労働基準法違反や風営法違反で逮捕されたが、少女を買った側については、現行法では処罰が難しい。未成年と知っていたかどうかの立証が高い壁となるからだ。
なぜ「買春規制」が注目されるのか
日本の売春防止法は「売春そのもの」を処罰せず、周旋や場所提供などを禁止する構造になっている。結果として、買う側はほぼ処罰対象外となり、抑止力が働きにくいという指摘が長年続いてきた。
一方、北欧諸国などでは「需要側処罰モデル(ノルディック・モデル)」が導入され、買春を犯罪とすることで人身取引や性的搾取を減らそうとする動きがある。
賛成・反対・中立の整理
賛成の立場
- 未成年・外国人女性の人身取引を抑止できる
- 「買う側の責任」を明確化し、需要そのものを減らす
- 国際社会の人権基準に近づく
反対の立場
- 地下化が進み、被害が見えにくくなる恐れ
- 合意のある成人間行為まで処罰対象が拡大する懸念
- 捜査の線引きが難しく、冤罪リスクが生じる可能性
中立的視点
- 未成年・人身取引事案と成人の売春を分けて議論すべき
- 刑罰強化だけでなく、被害者保護と相談体制が不可欠
- 外国人女性の在留・保護制度の見直しとセットで考える必要
日本にとっての論点
今回の議論は、単なる道徳論ではなく「治安」「人権」「外国人政策」「国際評価」に直結する。未成年者の性的搾取を放置する国家は、国際社会で厳しい目を向けられる。一方で、拙速な法制化は現場を混乱させ、逆効果となる可能性もある。
重要なのは、買春規制を「外国人問題」や「感情論」に矮小化せず、被害者保護と犯罪抑止を両立する制度設計である。
編集部まとめ
- タイ国籍12歳少女の人身取引事件を契機に、買春行為の規制が現実的な政策論点として浮上した。
- 需要側を罰することで搾取構造を断つ狙いがある一方、地下化などの懸念も存在する。
- 国益的には、未成年・人身取引対策を最優先に、慎重かつ段階的な制度設計が求められる。
出典
- Yahooニュース/ダイアモンドオンライン(2025年12月13日)











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