出入国在留管理庁は2026年10月1日、「永住許可に関するガイドライン」を改定した。8月から9月に行った意見募集には5,180件が寄せられたが、案の修正はなかった。収入など一部の考慮要素は10月1日から、それ以外の新しい運用は原則として2027年4月1日から始まる。9月時点の「改定予定」が確定したため、適用時期を分けて確認する必要がある。
新人記者ナルカ


今回決まったこと
| 項目 | 確認できた内容 |
|---|---|
| 文書の改定 | 2026年10月1日付 |
| 意見募集結果 | 提出意見5,180件。案の修正なし |
| 収入・公共の負担に関する項目 | 2026年10月1日から適用。2026年4月1日以降の申請で、改定日時点に審査中の案件にも適用 |
| その他の改定事項 | 原則2027年4月1日から運用 |
| 別の文書 | 永住者の在留資格「取消し」に関するガイドラインも10月1日に策定。運用開始は2027年4月1日 |
永住許可は、申請した人に新たに「永住者」の在留資格を与える審査だ。今回の改定では、独立した生計の見通しや、永住が日本の利益に合するかという判断で考慮する事情が具体化された。一方、既に永住者である人の資格を取り消す制度は別の手続きである。二つのガイドラインが同じ日に公表されても、「永住申請で不許可となること」と「既存の永住資格が取り消されること」は同義ではない。
収入と年金、日本語能力をどう見るか
改定後の考え方では、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準の継続、将来の年金見込みなどが考慮される。日本語はB1相当以上の能力を有するかが考慮要素とされるが、一律の試験合格だけで全申請者を機械的に決めるとの説明ではない。高度人材や家族、国内で一定期間学校教育を受けた場合などについては、それぞれの扱いも確認が必要だ。
意見募集結果で入管庁は、年収・年金・補填資産の具体的な金額は審査の実効性や適正な運用の観点から公表を予定していないと回答した。また、日本語能力の評価方法や用いる試験は、2027年4月の運用開始までに検討・公表するとしている。「年収〇万円なら必ず許可」「B1がないと直ちに不許可」といった単純化は、現時点の公表内容に合わない。
5,180件の意見、案は修正されず
e-Govの結果公示では、意見数5,180件、提出意見を踏まえた案の修正は「無」と示された。公表された主な意見には、審査基準の明確化、収入だけに偏らない評価、子どもや家族の生活の安定、審査の厳格化を求める声などがある。入管庁は、許可率や許可数の低減を目指す改定ではないと説明した。収入の具体額を示さない一方で、申請者の予見可能性をどう確保するかは引き続き論点となる。
申請中の人が確認すべき境界
収入と公共の負担に関する項目は、改定日より前に申請した人の一部にも及ぶ。具体的には2026年4月1日以降に申請し、10月1日時点で審査中の案件である。いつ申請したか、改定日に審査中だったかによって適用関係が違う。詳しい個別判断は入管庁の原文と申請先の案内に照らして確認したい。






編集部まとめ
虚偽申請や公的義務の不履行を正確に見極める審査は必要だ。同時に、長期に生活基盤を築いた申請者が、基準と適用時期を理解できることも制度の信頼に直結する。今回の改定は許可基準の運用に関するもので、既存の永住資格が一斉に失われるわけではない。許可と取消しの二つの制度を分け、今後の公表と運用実績を追う。
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