公開日:2025年8月31日 最終更新日:2025年9月3日
参政党の神谷宗幣代表が移民受け入れ比率をめぐり「10%容認」から「5%以下」と表現を修正しました。支持者の反発が背景にあり、移民政策をめぐる国民的議論の難しさが浮き彫りとなっています。




参政党・神谷代表の発言経緯と修正
神谷代表は2025年8月下旬の演説で「移民を10%まで容認する」という趣旨を示しました。しかし、この数値は党支持層の反発を呼び、「単一民族の定義が崩れる」との批判が殺到しました。
その後、神谷代表は自身の公式Xで「外国を見ても移民が10%を超えたらとんでもないことになる」「今入れていいのは5%以下」と修正しました(神谷宗幣 公式X 2025年8月28日)。
YouTube参政党チャンネルでも「外国人受け入れには上限を設けるべき」と繰り返し述べており、今回の修正は支持層の声を踏まえた対応とみられます)。






日本と欧州の移民比率データ
法務省 出入国在留管理庁「在留外国人数」によれば、日本の在留外国人数は約343万人で、総人口比2.7%です。まだ10%には遠い状況です。
一方、イギリスは2021年時点で14%を超え、都市部では治安や社会摩擦が問題化しました(イギリス国家統計局 ONS)。フランスやドイツも10%を超え、同化政策の不足が摩擦拡大につながったとされています。
特にロンドンでは人口の4割以上が外国生まれであり、治安や教育負担、同化政策の難しさが指摘されています。欧州の事例は「急激な移民増加が社会不安を招く」典型例とされ、日本の議論に強い影響を与えています。






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国内の現状と地域差
総務省の統計では、全国的には外国人比率は3%未満ですが、地域によっては大きく異なります。埼玉県蕨市では住民の約8%、静岡県浜松市では約8%が外国人住民。北海道の農業地域や九州の造船業地域でも技能実習生が集中し、比率が10%を超える地区があります。
こうした地域では、学校での日本語教育負担、医療通訳の需要、住宅環境の変化などが日常的な課題になっています。都市部と地方で体感の差があるため、「数字以上に存在感が大きい」との指摘があります。






SNSと支持者の反応
神谷代表の発言をめぐりSNSでは以下の声が目立ちました。
・「10%も入れば日本は日本でなくなる。イギリスの二の舞だ」(Xコメント)
・「単一民族国家の定義が崩れる。支持できない」(YouTubeコメント)
・「労働力不足を考えれば数字を示すのは誠実だ」(Xコメント)
・「5%に修正しても線引き自体がナンセンス」(YouTubeコメント)
保守層は「治安・文化摩擦」への懸念を強調し、経済重視層は「一定の受け入れは避けられない」と主張。議論の分断が浮かび上がりました。






賛否の論点整理
賛成
・人手不足の解消、経済活動維持、国際競争力確保のために一定の移民受け入れを支持。 ・経団連など経済界も「労働力の確保」を重視している。
反対
・文化的同質性の崩壊、治安・教育・福祉への負担を懸念。 ・警察庁の統計でも外国人犯罪は全体の数%に過ぎないが、都市部や特定国籍で偏りがある点は問題視されている(警察庁「来日外国人犯罪の検挙状況 )。
中立
・比率より受け入れのスピードや地域分散、教育・言語支援の整備が社会安定に直結するとみる立場。 ・段階的に制度設計を進め、国民合意を確保する必要がある。
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まとめと今後の課題
神谷代表の「10%→5%」修正は、移民政策がどれほど支持者の神経を刺激するかを示しました。日本はまだ比率が低い一方で、欧州の失敗例は警戒を強める要因です。
今後は比率議論に偏らず、受け入れ体制の段階的整備と国民合意が不可欠です。国益を守る視点から、治安・教育・財政負担を含めた持続的な制度設計が求められます。






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