埼玉県川口市内で女子中学生に性的暴行を加えたとして不同意性交罪に問われた、さいたま市在住のトルコ国籍のクルド人で無職のハスギュル・アッバス被告(22)の控訴審で、東京高裁は2月10日付で1審判決を破棄し、懲役6年6月の判決を言い渡した。被告は当時、別件の県青少年健全育成条例違反で執行猶予中だった。
新人記者ナルカ


事件概要
- 判決日:2026年2月10日(東京高裁)
- 被告:トルコ国籍のクルド人男性(22)さいたま市在住・無職
- 罪名:不同意性交罪
- 内容:2024年9月13日夜、川口市内のコンビニ駐車場に止めた車内で、当時12歳の女子中学生に性的暴行
- 前科:2024年5月、別の中学生(当時14歳)への性的行為で県青少年健全育成条例違反、懲役1年・執行猶予3年
量刑のポイント
東京高裁は、1審(さいたま地裁)の事実認定を維持し、「犯行の性質や態様、執行猶予中の再犯である点から長期の服役を相当とする部類」と指摘。一方で、1審後に被告が被害者側へ400万円を支払い示談が成立し、親権者が寛大な刑を求める意向を示した事情を考慮した。
その結果、1審の懲役8年は「現時点では重すぎる」と判断し、懲役6年6月へ減刑。さらに未決勾留日数160日を刑期に算入するとした。
示談と減刑の関係性をどう見るか
刑事裁判では、量刑は「犯行の重大性」だけでなく、「犯情(はんじょう)」と呼ばれる事情全体を総合して判断される。犯情には、被害回復の状況、被害者の処罰感情、反省の程度などが含まれる。
示談とは、加害者が被害者に金銭を支払い、民事上の損害を解決することを指す。刑事事件そのものを消滅させる効力はないが、被害回復がなされた事実は量刑上の有利事情として考慮されるのが一般的だ。
なぜ示談が量刑に影響するのか
- 被害回復が実現しているか
- 被害者側が寛大な処分を求めているか
- 反省が具体的行動として示されているか
今回の判決では、高裁は「長期の服役を相当とする部類」と明言しつつも、被告が被害者側に400万円を支払い示談を成立させた点、親権者が寛大な刑を求める意向を示した点を考慮し、1審懲役8年を懲役6年6月へと修正した。
執行猶予中の再犯とのバランス
執行猶予中の再犯は、通常、量刑上きわめて不利に働く要素である。前回の寛大な処分が抑止として機能しなかったと評価されるためだ。
その意味で本件は重い部類に属するが、裁判所は「犯情は長期服役相当」とした上で、示談成立という情状を加味し刑期を調整した。大幅な減刑ではなく、情状考慮による修正と位置付けられる。
制度的論点
日本の刑事司法は、処罰と同時に被害回復を重視する「修復的要素」を含んでいる。一方で、経済力による有利・不利の問題や、再犯抑止との整合性については議論が続いている。
本件判決は、再犯の重大性を認めつつも、被害回復という事情を量刑判断に反映させた事例といえる。
時系列整理
| 2024年5月 | 別の中学生への性的行為で執行猶予付き判決確定 |
| 2024年9月13日 | 川口市内で本件犯行 |
| 2025年 | さいたま地裁で懲役8年判決 |
| 2026年2月10日 | 東京高裁が懲役6年6月へ減刑 |
制度的論点
- 不同意性交罪は刑法改正(2023年施行)により成立要件が明確化
- 執行猶予中の再犯は量刑判断で重く評価される傾向
- 示談成立は量刑に一定の影響を与える
クロ助とナルカの視点から












編集部でまとめ
- 事実確認:執行猶予中の再犯で1審8年→控訴審6年6月へ減刑。
- 量刑焦点:示談成立・反省の深化を考慮。
- 国益的示唆:再犯防止策や在留管理の厳格運用、未成年被害防止の強化が課題。










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