神奈川県藤沢市で進むモスク建設計画をめぐり、住民の一部から「本来必要とされる住民説明会が実施されていないのではないか」との指摘が出ている。建設予定地に隣接する青空駐車場が、実質的にモスクと一体運用されるとみられる一方、都市計画法上の届け出が「特定開発事業」ではなく「開発事業」として提出されており、住民側は“区分の妥当性”を問題視している。
新人記者ナルカ


問題の焦点:駐車場を含めた“実質連続地”
モスク建設予定地に隣接して青空駐車場が計画されており、住民側は「物理的・機能的に一体として利用されるのは明らか」と主張。一方で、駐車場部分が附帯施設として扱われず、野外駐車場として個別に届け出られたことで、全体面積が“特定開発事業”の基準に該当しない扱いとなっている。
結果として、住民説明会は実施されておらず、住民側には「説明会義務を避けた形ではないか」との疑念が生じている。
行政の見解:法令上の扱いに基づく受理
藤沢市は「現時点では法令上の区分に基づき受理した」としており、“脱法”との明確な判断は示していない。都市計画法上、用途・区画・附帯施設の定義は複雑で、宗教施設に関する事前説明の義務付けは自治体によって大きく異なる。
住民側の懸念
- 一体的運用が前提の敷地分割が適切かどうか
- 交通量・騒音など生活環境への影響
- 宗教施設の性格上、地域慣習との摩擦が懸念される点
- 行政手続きの透明性の不足
事業者側の立場
- 都市計画法に沿って届け出を行った
- 宗教活動の自由は憲法で保障され、合法的な建設は妨げられない
- 駐車場を別区画と扱ったのは法令上の手続き
全国的文脈:宗教施設と地域調整の課題
モスク、教会、寺院を含む宗教施設は、都市計画法上「建築物」として扱われる一方、周辺環境への調整は自治体ごとに判断が分かれる。とくに近年は外国人コミュニティの居住増加に伴い、宗教施設の新設を巡る地域調整が増加している。
今回の藤沢市のケースは、法制度の“隙間”と住民感情のギャップが顕在化した事例といえる。
国益的示唆
- 地域住民の安全・生活環境を守りつつ、多文化共生の枠組みをどう整えるか
- 自治体による事前説明手続きの透明性確保が不可欠
- 宗教施設の整備と地域交通の調整を明確化する政策が求められる
- 住民の声をしっかり聞き取り入れる
賛否・中立の三点セット
賛成:都市計画法に基づけば手続きは問題なく、宗教施設建設は正当な権利。丁寧な運営が期待される。
反対:敷地区分の扱いが実態と乖離し、住民説明が省略される形になっている。行政手続きの改善が必要。
中立:制度の境界が曖昧なため、自治体は基準を再整理し、住民との対話機会を確保すべきとの立場。
クロ助とナルカの視点






編集部でまとめ
- 藤沢市のモスク建設をめぐり、駐車場との区分を理由に住民説明会が行われていない点が論点に。
- 市は制度上の扱いに基づくと説明するが、住民は一体利用とみて疑義を呈している。
- 宗教施設と地域調整、制度運用の透明性確保が全国的課題となる可能性。











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