東北大学が2027年度から外国人留学生の授業料を約1.7倍の年90万円に引き上げる方針。国立大で日本人学生との学費区分化は初。

東北大学（仙台市）が令和9年度（2027年度）から外国人留学生の授業料を大幅に引き上げる方針を固めたことが28日、関係者への取材で分かった。値上げ幅は現在の約1.7倍で、年間90万円に達する見通し。日本の学生の授業料は据え置かれる。国立大学が外国人留学生と日本人学生の授業料を明確に区分するのは全国で初めてとなる。

学費引き上げの内容

• 対象：外国人留学生（博士課程後期を除く）
• 適用時期：令和9年度（2027年度）入学生から
• 授業料：年間53万5800円 → 90万円（約1.7倍）
• 日本人学生の学費：据え置き
• 令和8年度以前入学の留学生：現行学費を維持

背景：留学生受け入れコストの増加

関係者によると、留学生には補講対応、生活支援、相談体制、多言語環境整備などの追加コストがかかるケースが多く、東北大だけでなく複数の国立大学が値上げを検討しているという。物価高や研究費圧迫など、大学財政の悪化も重なっている。

制度的根拠：文科省の省令改正

国立大学の授業料は省令で「64万2960円を上限」と定められてきたが、文部科学省は2023年3月、留学生受け入れ環境の違いを考慮し、留学生のみ授業料を国立大学が自由に設定できるよう省令を改正した。

文科省幹部は「留学生を特別扱いする意図ではなく、質の高い教育に見合う適正な対価を求める」という立場を示している。

国益的視点：大学財政と公平性の両立

• 大学財政の安定化に寄与し、研究力維持につながる可能性
• 日本人学生との負担格差が明確化され、議論が生まれる可能性
• 留学生の経済的負担増により、優秀層の来日動機に影響する懸念
• 国際競争力・教育力強化と財政健全化の調整が必要

賛否・中立の三点整理

賛成：受け入れコストが上昇する中、留学生に追加負担を求めるのは妥当。財政再建と教育の質確保に寄与する。

反対：留学生だけの値上げは国際競争力の低下を招く。日本の魅力が相対的に落ち、優秀層の流入が減る可能性。

中立：追加コストの透明化と、優秀層への奨学金拡充を並行して実施することが必要との意見。

クロ助とナルカの視点

編集部でまとめ

1. 東北大が留学生の学費を大幅引き上げへ。国立大学での差別化は全国初。
2. 省令改正により可能となり、大学財政と受け入れコストの増加が背景。
3. 日本の教育政策・国際競争力に影響し、他大学にも波及する可能性がある。

出典

• 東北大学 （2025年11月）
• 文部科学省
• 産経新聞（ 2025年11月28日）