大阪府警は10月6日、ベトナムからコメ約45トンを「緑豆」と偽って輸入しようとしたとして、関税法違反(無許可輸入未遂等)の疑いで、ベトナム国籍の食品販売会社経営の女(36)ら2人を逮捕(東大阪市在住)。価格高騰に乗じ、国産米として販売していた疑いもあるという(大阪税関南港出張所で押収・確認)。
出典:埼玉新聞「ベトナムからコメ密輸未遂容疑 45トン、会社経営の女ら逮捕」(10/6 14:38)/同趣旨の続報:毎日新聞、TBS等。
目次
時系列(判明範囲)
- 8月:大阪税関南港出張所で対象貨物(コメ)を確認・押収。
- 10月6日:大阪府警が容疑者2人を逮捕、関税法違反(無許可輸入未遂等)として発表。
法的評価(関税法・関連制度の位置づけ)
- 関税法110条(関税ほ脱):偽り・不正行為で関税を免れる罪。罰則は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(または併科)等。
- 関税法111条(無許可輸出入・虚偽申告):許可なく輸出入、または偽った申告等。罰則は5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(または併科)等。※条文体系の一般解説。
- 食品衛生法27条:営業用に食品を輸入する場合は事前届出義務(検疫所)。
- 植物防疫(植物防疫法):コメ輸入には輸出国の植物検査証明書(フィト証)+日本到着時の検査が必要(一般論)。
※本件の正式な適用条項・量刑・行政処分は捜査・公判で確定します。上記は法令上の一般的な枠組みです。
事件の骨子
- 貨物の申告区分を「緑豆」と偽装し、関税負担の低い品目で通関しようとした疑い。
- コメ約45トン規模。市場価格高騰局面での価格差益狙いが疑われる。
地域の影響・実務上の留意点
- 表示偽装・関税ほ脱は、国内生産者・正規輸入者の競争条件を歪め、食の信頼を損なう。検査・通関体制の「品目偽装リスク」監視の強化が鍵。
- 食品輸入は食品衛生法の届出と植物検疫が必須(一般論)。フィト証・届出内容と現物の一致、トレーサビリティの検証が重要。
- 流通現場では産地・品目の証憑突合(インボイス/B/L/輸入許可通知)の実査徹底、異常価格の仕入れ案件のコンプライアンス審査が有効。
編集長クロ助とナルカの視点から

ニュースを読む側としては、「緑豆」と称して実はコメ…って、表示と中身がズレる怖さを感じるよね。食の話は日常直結だし。



制度面では関税ほ脱・無許可輸入・虚偽申告の各枠組みで評価にゃ。食品は届出と検疫が前提。今回は品目偽装が疑われるから、証憑と現物の一致確認が肝にゃ。



国内の生産者や正規ルートの人たちが損しないよう、価格が妙に安い案件にはブレーキかけたいね。
編集デスクまとめ
本件は「品目偽装×大口(約45t)」という構図で、関税ほ脱・無許可輸入・食品輸入手続の3層に関わる典型事案。正規の輸入・国内農業・食の信頼を守るため、通関段階のリスクベース監視と流通の証憑突合が要点だ。
出典
- 埼玉新聞「ベトナムからコメ密輸未遂容疑 45トン、会社経営の女ら逮捕」(2025/10/06)。
- 毎日新聞「コメ45トン密輸か 緑豆と偽り 夫婦逮捕」(2025/10/06)。
- TBS NEWS DIG「ベトナム産のコメ約45tを『緑豆』と偽り密輸か」
- 税関|関税法の罰条(110条・111条ほか)。
- 厚労省|食品等輸入手続(食品衛生法27条)。
- 農水省|米の輸入は植物防疫手続が必要(一般論)。
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