東京・中野ブロードウェイの時計店で高級腕時計4本、約2億円相当が盗まれた事件で逮捕・起訴されたチリ国籍の男2人が、事件の3日前に東京都大田区の住宅へ侵入して腕時計や現金などを盗んだ疑いで、9月28日に再逮捕された。警視庁は、短期滞在で入国した2人の移動経路や盗品の行方を調べている。
容疑者らの供述や盗品を第三者に渡したとする説明から、国境を越えて窃盗を繰り返すグループとの関係も注目されている。ただし、「南米系窃盗グループ(SATG)」との組織的なつながりは捜査上の見立てであり、2人の所属が確定したわけではない。本稿は8月の中野事件を繰り返すのではなく、今回の再逮捕で新たに分かった大田区の被害、滞在中の行動、盗品の流通経路を整理する。
新人記者ナルカ


事件の概要
- 新たな容疑:住居侵入と窃盗の疑い
- 発生日時:2026年8月22日
- 発生場所:東京都大田区の住宅
- 被害:腕時計や現金など約790万~800万円相当と報道
- 再逮捕:2026年9月28日、チリ国籍の男2人
- 関連事件:8月25日、中野ブロードウェイの時計店で腕時計4本、約2億円相当を盗んだ事件
- 捜査の焦点:盗品の行方、協力者の有無、国外での犯行歴など
被害額は報道機関により「790万円相当」「約800万円相当」と表記が異なる。精密な確定額として一方だけを断定せず、現段階では概数として扱う。逮捕は新たな容疑について捜査する手続きであり、有罪判決ではない。
時系列で見る経緯
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 8月21日 | 2人が短期滞在で日本へ入国したと報じられる。 |
| 8月22日 | 大田区の住宅に侵入し、腕時計や現金などを盗んだ疑い。 |
| 8月23日 | 中野ブロードウェイの時計店を訪れ、下見をした可能性があるとされる。 |
| 8月25日 | 中野の時計店で高級腕時計4本、約2億円相当が盗まれる。 |
| 8月27~28日 | 大阪で身柄を確保され、中野の窃盗事件で逮捕されたと報じられる。 |
| 9月28日 | 大田区の住居侵入・窃盗容疑で2人を再逮捕。 |
大田区の住宅で何が起きたのか
留守を確認して窓を割った疑い
TBS NEWS DIGとテレビ朝日の報道によると、2人は大田区の高級住宅街で住宅の駐車場から車が出るのを見た後、インターホンを押して不在を確認。庭の石を投げて窓ガラスを割り、侵入したとみられている。被害には腕時計、現金、バッグ、サングラスなどが含まれると報じられた。
テレビ朝日は、住宅から盗んだとされるバッグやサングラスが中野事件の際に使われた疑いも伝えている。これが証拠で裏付けられれば、二つの事件の連続性を示す手掛かりになる。一方、犯行時の個別の役割、住宅を狙った経緯、第三者の指示の有無は、現段階では明らかでない。
供述は捜査情報として扱う
2人は「日本は刑罰が緩いと母国で聞いた」との趣旨を供述し、容疑を認めていると報じられた。別の報道では、1人が欧州でも窃盗をしていたと話したとされる。これらは警察・捜査関係者を通じた供述報道であり、日本の刑罰が客観的に軽いと実証されたことや、外国での犯罪歴が確認されたことを意味しない。
短期滞在という在留の形態も、旅行者全体への疑いにはつながらない。今回の捜査では、当該2人の入国後の具体的な行動を検証することが重要だ。
「SATG」とは何か
SATGは「South American Theft Groups」の略称で、米連邦捜査局(FBI)が、国境を越えて住宅や商業施設の窃盗を行う組織を説明する際に使用している。FBIは、旅行や移動を伴う窃盗、盗品の処分役などのネットワークを問題視している。
警視庁の捜査関係者は今回の2人について、そのようなグループの手口に似ている可能性を見ていると報じられた。ただし、国籍がチリであることだけでSATGの構成員と判断することはできない。過去の犯行、資金、同行者、盗品の買い取り先などをたどって初めて、組織性の有無を評価できる。
残る腕時計3本と「処分役」
中野の時計店から盗まれた4本のうち、3本はまだ見つかっていないと報じられている。容疑者の1人は、大阪の民泊施設付近でスペイン語を話す男性に渡したとの趣旨を供述したという。また、第三者から海外への航空券情報が送られた可能性も報じられた。
盗品の現金化ルートが明らかにならなければ、実行役の摘発だけでは被害品の回収や同種犯罪の抑止に限界がある。ただし「受け取った男性」の実在、関係性、航空券の目的は捜査中である。
賛成・反対・中立の視点
厳格な入国審査と広域捜査を求める視点
短期間の滞在中に高額窃盗が連続した疑いがある以上、入国前情報の共有、店舗・住宅の防犯、警察間の連携を強めるべきだという意見がある。高額品は国外への移送も早く、初動捜査と国際協力の速度が被害回復を左右する。
一般旅行者への過剰な疑いを避ける視点
一方、特定の国籍や短期滞在者一般を危険視しても、実際の窃盗ネットワークの特定にはつながらない。審査や捜査は具体的な行動、既知の犯罪情報、証拠に基づく必要があり、観光客や在住者への不当な差別は避けなければならない。
防犯と盗品市場の監視を組み合わせる視点
店舗側のショーケース強化、住宅の窓・警報設備、古物取引における本人確認と取引履歴の追跡を合わせて進めることが現実的だ。盗品を引き受ける市場が残れば、実行役を替えて犯罪が続く可能性がある。
クロ助とナルカの視点












編集部まとめ
- 新たな事実:中野事件の容疑者2人が、大田区での住居侵入・窃盗容疑で9月28日に再逮捕された。
- 被害:大田区の住宅では腕時計や現金など約790万~800万円相当が盗まれたと報じられる。
- 捜査の焦点:中野で盗まれた腕時計3本の行方、処分役、国外との連絡、2事件の役割分担が重要となる。
- 制度的論点:短期滞在中の広域窃盗への対策は必要だが、国籍や旅行者全体を犯罪と結び付けず、個別の証拠に基づくべきだ。
出典
- TBS NEWS DIG「中野2億円腕時計窃盗事件 チリ国籍の男2人を再逮捕」2026年9月28日
- テレビ朝日「中野2億円腕時計窃盗事件 チリ国籍の男2人再逮捕」2026年9月28日
- FBI「South American Theft Groupsに関する発表」
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