高校授業料の実質無償化を巡り、自民・公明・日本維新の会の3党が調整している制度案が18日に判明した。案では「外国人学校」を就学支援金の対象外とする方針を盛り込み、財源については「税制による対応も含め確保が不可欠」と明記した。合意すれば、次期通常国会への関連法案提出が視野に入る。
新人記者ナルカ


制度概要
政府・与野党の間で議論されている「高校授業料無償化(就学支援金制度)」の拡充案が具体化。現在の支援金制度は年収910万円未満世帯を対象に月額最大9,900円を国が補助している。新制度では実質的にすべての高校生の授業料を無償化する方向が示され、2026年度からの施行を視野に検討が進む。
法制度と位置づけ
- 根拠法:高等学校等就学支援金の支給に関する法律(平成22年制定)
- 適用範囲:学校教育法第1条に定める高等学校・中等教育学校・特別支援学校高等部など
- 外国人学校:多くが「各種学校」として認可されており、法的には支援金対象外
今回の合意案の要点
- 就学支援金の対象を「学校教育法上の高等学校」に限定
- 外国人学校は制度対象外とする方向性を明記
- 財源は「税制による対応も含め確保が不可欠」
- 来年度概算要求に反映し、2026年度から実施を想定
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海外事例と比較
高校授業料の公的支援は、OECD加盟国でも制度設計に大きな差がある。特に外国人学校の扱いは各国の教育体系・統合政策により異なる。
アメリカ
州ごとに制度が異なるが、公立高校は居住地域内であれば国籍を問わず無償。私立や外国人学校(インターナショナルスクール等)は対象外で、基本的に授業料自己負担となる。
フランス
外国人子弟も公教育制度内のリセ(高校)に就学すれば無償。私立・宗教系・国際系学校は補助対象外だが、特定国との教育協定に基づく一部助成制度が存在する。
韓国
2011年から高校授業料の段階的無償化を実施。外国人学校は「各種学校」として法的には対象外だが、韓国籍・永住資格を持つ生徒については自治体判断で補助を行うケースが増えている。
日本との比較
日本の高校無償化は「学校教育法第1条校」に限定する仕組みで、外国人学校は「各種学校」に区分されるため国の直接支援対象にならない。法的整合性を重視する点では米韓型に近く、統合教育推進の観点では欧州諸国との差がみられる。






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背景と課題
高校無償化は、教育費負担の軽減を目的に2010年度から段階的に導入された制度。外国人学校への支援は自治体裁量に任されており、地域格差が生じている。人権団体や一部の教育関係者からは「国籍や学校形態による区別は不公平」との指摘もある一方、与党側は「国の制度として法体系上の整合性を重視すべき」としている。
クロ助とナルカの視点から












編集部でまとめ
- 事実確認:3党案で「外国人学校は対象外」。財源は税制措置も視野。正式合意は今後。
- 制度的整理:法制度上の位置づけと、自治体裁量による支援の差が残る。
- 国益的示唆:教育無償化は社会全体の人材基盤強化策。法体系と公平性の調整が焦点となる。











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