ニュース引用
「連合の調査では『夫婦の姓は選べる方がよい』と回答した人が46.8%に上り、既婚女性の13.8%が夫婦別姓を希望していることが分かった。」
出典:連合 調査報告書(2025年)
要約
選択的夫婦別姓の導入をめぐっては、世論調査で賛成が過半数に達しています。特に若年層や既婚女性で支持が強く、姓変更が結婚のハードルとなるケースも指摘されています。加えて、中国人配偶者との国際結婚では、夫婦別姓が制度的に認められていることで、日本の「同姓義務」が文化的・実務的負担になっていることも注目されます。
解説・考察
日本の民法750条では結婚時の同姓を義務付けていますが、法務省や日弁連は改正を支持し、最高裁も「合憲」としながら立法による解決を促しています。
世代別・性別の支持傾向
20代~30代の若年層で別姓支持が高く、特に女性の賛同率が大きく上回っています。高齢層では慎重な意見が多く、世代間で認識に明確なギャップがあります。
国際比較と日本の特殊性
OECD諸国の多くでは夫婦別姓または選択制が実施済みで、日本だけが同姓義務を法律で定める例外国です。国連女性差別撤廃委員会からも制度改正の勧告が繰り返されています。
国際結婚と外国人配偶者の課題
日本人と中国人との国際結婚では、文化的に夫婦別姓が一般的な中国出身の配偶者にとって、日本での同姓義務は大きな摩擦となることがあります。
実際、日本では国際結婚の場合は夫婦別姓が原則であり、婚姻届のみでそれぞれの姓を保持できます。日本人が中国人の姓に変更する場合、婚姻後6ヶ月以内なら役所への届出のみで可能ですが、それ以降は家庭裁判所の許可が必要です。中国人配偶者が姓を変えないことは法律上問題ありませんが、日本式の通称名を登録することで日常生活上の不便を緩和することもできます。
移民社会における夫婦別姓の意味
国際結婚は増加傾向にあり(2018年時点で婚姻全体の約4 %)移民や外国人配偶者に配慮した制度設計が求められる中、選択的夫婦別姓は制度的な多様性への対応として重要な意義を持ちます。
戸籍制度と夫婦同姓の関係
日本の夫婦同姓制度は、戸籍制度と深く結びついています。戸籍は「夫婦と未婚の子」をひとつの単位として登録する仕組みであり、同じ戸籍内で同じ氏を共有することが前提とされています。そのため、夫婦が別姓になると戸籍の統一性が揺らぐとの懸念が出されてきました。
民法750条の「夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を称する」との規定は、戸籍実務とリンクしています。仮に選択的夫婦別姓が導入されれば、戸籍簿の様式や行政手続きの見直しが必要になるため、これが制度改正のハードルのひとつとされています。
犯罪利用への懸念と治安対策
選択的夫婦別姓の導入に反対する意見の一つに「犯罪への悪用の懸念」があります。特に、他人の戸籍や住民情報を乗っ取る「背乗り」と呼ばれる不正行為が、制度の隙を突くのではないかとの指摘です。
夫婦が同姓であることは、戸籍の統一性を通じて家族の確認を容易にする役割を果たしてきました。そのため別姓が認められると「家族のつながりを利用した本人確認」が難しくなるとの見方もあります。
一方で、国際結婚では既に夫婦別姓が原則であり、それが大規模な不正利用につながった事例はほとんどありません。また現在はマイナンバー制度や金融機関での本人確認強化が進んでおり、治安対策は氏名制度に依存しない方向へ移行しています。
海外事例にみる夫婦別姓と本人確認
欧州諸国
多くの国で夫婦別姓が標準。例えばドイツでは、結婚後に「同姓」「別姓」「複合姓(ハイフンでつなぐ)」を自由に選べます。
→ それでも銀行口座開設や住民登録は「氏名+生年月日+身分証番号」で管理され、姓だけに依存していません。
アメリカ
結婚後も姓を変えないケースが多く、夫婦で別姓が当たり前です。ただし運転免許証番号や社会保障番号(SSN)が本人確認の基盤となっており、姓の一致・不一致が犯罪の温床にはなっていません。
韓国
日本と文化的に近い国ですが、2005年に憲法裁判所が「夫婦同姓規定は違憲」と判断し、夫婦別姓が一般化しました。戸籍制度を廃止し、住民登録番号で本人を特定するシステムに移行しています。
中国
伝統的に夫婦別姓が一般的で、女性は結婚しても姓を変えません。本人確認は戸口簿(住民登録)や身分証番号が基盤となっています。
Xの反応
- 📊「連合の調査で46%が夫婦別姓賛成って出てたけど、やっぱり若い世代では普通にアリって感覚だよね。」
- 💍「姓を変えたくないから結婚しない人もいるって聞いて、切実な問題だと思った。選択制なら解決できるのに。」
- 👪「夫婦が別姓だと子どもはどっちの姓になるの?結局家族がバラバラになりそうで不安。」
- 📜「戸籍制度を崩したら治安や本人確認に影響が出ると思う。背乗りとか悪用の心配は無視できない。」
- 🇯🇵「日本の文化は同姓で家族の一体感を示すことにある。欧米に合わせる必要はない。」
- 🔒「夫婦同姓は“日本独自の制度”であって、簡単に手放すべきじゃないと思う。」
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カテゴリ:国内ニュース(政治・政策)/移民・在留制度(国際結婚)
タグ:選択的夫婦別姓, 世論調査, 国際結婚, 中国人配偶者, 外国人と戸籍制度, ジェンダー平等
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