高市早苗首相が衆院予算委員会で「外国人観光客が奈良のシカを蹴り上げる」と述べた発言を巡り、立憲民主党の西村智奈美氏が撤回を求めた。高市首相は「観光公害の一例として述べた」と説明し、撤回しない考えを示した。
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観光地トラブルへの発言が波紋
問題となったのは、11月7日の衆院予算委員会での答弁。高市首相は「外国人観光客によるマナー違反が増えている。奈良公園ではシカを蹴り上げるなどの被害が報告されている」と発言した。これに対し、西村議員は「差別的印象を与えかねない」と指摘し、撤回を求めた。
高市首相は10日の委員会で「報告事例を例示したもので、外国人全体を非難する意図はない」と説明。発言の撤回を拒否し、「観光地の秩序維持に向け、国と地方が協力して対応する」と述べた。
「観光公害」対応の現実 奈良公園でも課題
奈良公園では近年、外国人観光客の急増に伴い、ゴミ投棄や鹿せんべいの誤った与え方など、観光マナーを巡る苦情が増加している。奈良県によると、2024年度には県警や市に寄せられたシカ関連の苦情が前年比15%増加。 一部では「動物虐待まがいの行為」が報告されており、県は外国語による注意看板や巡回指導を強化している。
こうした状況を踏まえ、高市首相の発言は「誇張ではなく実態に即した指摘」と見る声もある一方、政治家としての表現の配慮を求める意見も出ている。
クロ助とナルカの視点
新人記者ナルカ「外国人がシカを蹴った」って、確かに刺激的な言葉だね。



そうにゃ。事実を例示しただけでも、文脈を切り取られると差別的に見えることがあるにゃ。でも観光公害の議論自体は避けちゃいけないにゃ。



観光地が外国人でにぎわうのは良いけど、地元の負担もあるんだね。



にゃ。地元のルールと文化を守るには、外国語案内の充実と観光教育が必要にゃ。問題は「誰がそのコストを負担するか」だにゃ。
編集部でまとめ
- 事実確認:高市首相が「外国人観光客が奈良のシカを蹴る」と発言し、立民が撤回を要求。首相は拒否。
- 背景:観光公害(オーバーツーリズム)問題の拡大と、外国人観光マナーへの不満が全国で増加。
- 国益的示唆:観光振興と地域保全の両立が課題。外国人依存型観光政策の再点検と、ルール遵守教育の仕組みづくりが求められる。
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