高市首相 外国人政策 閣僚会議初会合 土地取得ルール厳格化

高市早苗首相は11月4日、外国人政策に関する関係閣僚会議の初会合を開き、政府として外国人政策の司令塔機能を強化する方針を示す。外国人による土地取得の厳格化や在留資格制度の見直しを柱とし、「安全保障・経済・人口対策を一体で進める」新たな基本方針を提示する見通しだ。

政府が掲げる見直しの柱

今回の見直しは、外国人の受け入れを単なる労働政策ではなく「国家管理と国民生活の安全保障」に位置づける点が特徴である。会議では以下の項目が検討対象として明示された。

• 不動産保有の実態把握： 外国人による土地・不動産取得を対象に、登記・名義・実際の利用状況を把握。特に水源地や防衛施設周辺などの取引を重点監視。
• 在留資格の厳格化： 特定技能・技能実習制度を中心に、資格要件や更新基準を再点検。不法就労対策を強化。
• 帰化手続きの適正化： 永住・帰化の審査における収入要件、犯罪歴、居住実態の確認を厳密化。
• 教育・医療支援の見直し： 外国人児童・学生の教育支援や医療補助を再設計し、「国籍・在留資格に応じた負担と支援の均衡」を図る。
• 出入国管理の強化： 指紋・顔認証など入国審査のデジタル化を推進。再入国審査や退去強制の運用を厳格化。

高市首相の意図：「国民の不安解消と成長の両立」

高市首相は会議に先立ち、「人口減少対策として外国人材の活用は必要だが、同時に違法行為への対応を明確にする必要がある」と述べた。これは、労働力確保を進めつつも、外国人犯罪や不法滞在に対する国民の不安を払拭する狙いがある。

また、土地取得規制の見直しは安全保障分野とも連動し、防衛施設や離島の土地取引を厳格に監視する方針だ。これにより、経済活動と国家主権の両立を図る構想が具体化する見通しである。

制度改正の展望

分野	想定される方向性	影響範囲
在留資格	技能実習・特定技能の一本化／更新審査の厳格化	外国人労働者・受け入れ企業
土地規制	防衛・水源地・離島の取引届出を義務化	不動産業・地方自治体
帰化制度	収入・納税・素行の確認項目を明確化	永住希望者・法務省審査機関
出入国管理	AI活用による審査高速化／不法残留者の特定	入管庁・警察庁

国益的示唆と課題

1. 外国人受け入れを“経済戦略”として整理しつつ、国家安全保障と地域治安を両立させる新モデル。
2. 国際社会における「透明性の高い受け入れ国」としての信頼確保が課題。
3. 教育・医療・社会保障のコスト負担をどう公平に分担するかが次の焦点。

編集部まとめ

1. 高市政権は外国人政策を「国家運営の中核」と位置づけ、司令塔機能を強化する方針を打ち出した。
2. 土地取引、在留制度、医療・教育支援までを包括的に見直す構想は、従来の枠を超えた“安全保障型移民政策”である。
3. 日本社会は今後、外国人受け入れと治安維持・地域共生のバランスを問われることになる。

出典

• 産経新聞 政治部報道（2025年10月30日）