出入国在留管理庁は2026年10月5日、日本語能力試験(JLPT)のN4・N5を申し込もうとしている人に向け、国際交流基金日本語基礎テスト「JFT-Basic」の活用を勧める案内を掲載した。特定技能1号や2027年4月に始まる育成就労では、日本語力を証明する方法の一つとなる。ただし、求められる水準は在留資格や段階によって異なる。JFT-Basicに合格すれば一律に全ての要件を満たせる、という話ではない。
新人記者ナルカ


10月5日の案内が示した選択肢
| 掲載 | 出入国在留管理庁が2026年10月5日に案内を掲載 |
|---|---|
| 対象となる検討 | JLPTのN4・N5受験を考えている人にJFT-Basicの活用を紹介 |
| JFT-Basic | 国際交流基金が実施。生活場面の日本語によるコミュニケーションを測る |
| 育成就労 | 開始時のA1相当・N5等、就労後の各段階でさらに高い水準を確認 |
| 特定技能1号 | 基本的にA2.2相当以上のJFT-BasicまたはN4以上のJLPTなどを確認 |
入管庁は育成就労と特定技能の両ページに、同じ案内を新着として載せた。二つの制度の利用者が、申請に必要な日本語試験を探す場面を想定した情報提供と読める。JFT-Basicはコンピューターで受ける試験で、国際交流基金によれば日本での生活に必要な「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」を測る。
N5とN4を同じ合格条件と見ない
育成就労は、開始時にA1相当以上やJLPTのN5以上などが基本となり、就労の進展に合わせて水準を上げる制度だ。特定技能1号は、原則としてA2.2相当以上のJFT-BasicやJLPTのN4以上など、より高い水準を求める。技能実習からの移行など例外や分野別の条件もあるため、「誰でも同じ試験だけでよい」とは言えない。
国際交流基金によると、JFT-Basicは2026年8月からA1とA2.1も判定できるようになり、従来のA2.2に加えて複数の水準を示せるようになった。現行の得点区分はA1が145~174点、A2.1が175~199点、A2.2(A2)が200~250点。申請先が必要とするのはどの水準かを、受験申込み前に確認したい。JLPTの級名とJFT-Basicの得点・判定を、単純に同じ試験として置き換える説明も避けるべきだ。
受け入れ企業が確認したいこと
企業や登録支援機関は、候補者が「日本語試験を受けた」という申告だけで判断せず、判定結果と受け入れる在留資格・分野の要件を照合する必要がある。特定技能では日本語力に加え、原則として分野ごとの技能水準の確認も求められる。試験の代替方法があっても、技能試験や雇用契約などの他の条件が消えるわけではない。
申請に間に合うかどうかは試験の会場、受験日、結果通知の時期にも左右される。受験者には選択肢が増える一方、採用を急ぐ企業が必要な水準より低い結果を見誤れば、在留申請や就労開始の計画に影響する。職場で実際に必要な日本語による安全指示や相談対応も、試験結果とは別に用意したい。






編集部まとめ
入管庁の10月5日の案内は、日本語能力を示す試験の選択肢を知らせるものだ。育成就労と特定技能1号の基準を一つにまとめて伝えると、受験者にも雇用主にも誤解を招く。どの在留資格の、どの段階で、どの判定を要するかを明示し、受験機会の確保と就労現場での日本語支援を併せて考えたい。
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